A.ルーミスから考える「顔の描き方」の思考実験

目次

ルーミスによる頭部の考え

構成について

ルーミスは「構成を発見した」と述べている。顔をうまく描くためには「構成」が重要だという。構成とは何か?

いくつかの要素を一つのまとまりのあるものに組み立てること(大辞林)

構成とは言い換えれば「組み合わせ」である。たとえば眼だけが綺麗でも、鼻との組み合わせが歪んでいたら全体は歪んで見えてしまう。美しい顔とは髪や肌の色、眼、鼻、あるいは口といった「要素」ではなく、「要素の組み合わせ」だ。もしそれぞれの要素が美しくないとしても、要素の組み合わせが美しければ全体として美しく見える

 もし描く顔が見にくく、横顔で睨(にら)んでいるように見えたら、容貌(ようぼう)のことは忘れて、構成と配置に注意してみることである。 A.ルーミス

美しい構成とは

ルーミスいわく構成が崩れているのに美しい顔はありえないという。構成の美しさの例は「顔の両側のバランス」、「両眼の感覚と頭蓋骨との関係のバランス」、「顔の遠近法ないし視点と頭蓋骨のバランス」、「耳の位置」・・・etcといろいろある。 rumisu1

頭蓋骨と球形

熟練とは障害を克服することに他ならない。まず第一の障害とは、今始めよとしていることに対する知識の欠如がほとんどだ。 A.ルーミス

頭蓋骨を観察すると両側が平たく、前方より後方がいくらか丸みを帯びたような球形にみえる。そして顔の骨は眼窩(がんか:目が入る穴)、鼻、上あごと下あごを球形の前面にしっかりと取り付けている。 重要なことは、「球形と顔面とがいろいろな方法で傾けても、ひっくり返してもユニット(単位)として機能するように球形と顔面とを組み立てることができるかどうか」である。 私が当時もっとも刺激を受けたフレーズはこれである。

頭部を完璧な立方体として描くことが、その見かけの細部より最も重要なことなのだ。もちろんふだんは、私たちには頭部の半分も見えてはいないのだが、組み立てる立場からすると見える半分と同じ分だけ、見えていない半分が重要なのである。 A.ルーミス

眼の描き方とか、鼻の描き方とかにこだわる前に、まず全体の構成をきちんと把握した方がいい。レゴブロックのパーツそれぞれはいいのに、組み立てようとしたらつながらないような要素と要素の関係は美しくない。顔の前面しか描く必要がないときも、顔の後面を想像しながら、側面を想像しながら描くということが大事だと思う。立体感覚を身につけるためには粘土で顔を作ったり、彫刻を彫ったりするのもいいだろう。

ボールによる美しい構成の理解

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ボールと顔の構成

ボールによる美しい構成の理解

具体的な頭部の構成の方法をルーミスはボールによって説明している。

  1. 頭部を側面を平らにしたボールでそこに顔面が付いていると考える
  2. ボール自体は2つに分割される
  3. 曲線Aは耳の線になる
  4. 曲線Bは顔の中心になる
  5. 曲線Cは眉の線になる

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球体の構造について概略

円を描いてみる

kao1 まず円を描いてみる。フリーハンドでもかまわないが、「見やすさ」を考えて楕円ツールを用いた。

十字を描き足してみる

kao1 ここからルーミスのボール構成法を試していったのだが・・どうもうまくいかない。 まず円がうまく描けない(フリーハンドでは)。そして円が描けたとしてもそこからうまく(正確に)曲線ABCを描くことができない。そこで、ボックスからボールを構成するという方法を考える。ボックスで描くことにより立体感を身に着けてみる。

ボックスからボールを構成する

kao2 まず正方形を描いてみる。デジタルではない場合は定規などを使ってもいい。もちろんフリーハンドでもそれらしい正方形を描くことは可能だ。 問題はここからだ。立方体にするには遠近法の知識が少しいる。今回は省略します。なんとなく見て分かればOKです。正確さを求めない人はなんとなくでもいいです。 kao3 kao4 kao5 スクリーンショット 2015-10-22 19.19.39 スクリーンショット 2015-10-22 19.20.04   kao6 kao7 kao9

3曲線によるボールの理解

kao10 繰り返しになりますが整理しておきます。

  1. 曲線Aは耳の線になる
  2. 曲線Bは顔の中心になる
  3. 曲線Cは眉の線になる

ここから適当に顔の細部を書いていくと顔っぽくなってきます。 ▲ 目次にもどる

顔の比率の分析(基本構造)

1:最初に丸をかく。 enn1   2:丸を四分割する enn2   3:円周をA曲線、中央の縦線をB曲線、横線をC曲線としてさらに分割していく 最初にB曲線の上側を三等分する。 なぜ三分割するかというと、上側の三分割の更に上側の1/3の位置がちょうど生え際あたりになるからだ。 そして余った下側の1/3は生え際から眉にかけての線分となる。 そしてこの2/3は眉から鼻にかけて、鼻からからあごにかけて等分の線となる。 全体の線の枠組みは円の半分の線分を1として、1/3(頭頂から生え際)-2/3(生え際から眉)-2/3(眉から鼻)-2/3(鼻からあご)である。 enn5 enn6 ▲ 目次にもどる

顔の比率の分析(耳の位置について)

耳は顔の横幅を6等分し、B曲線のように左右ふたつにわけて1とする。そして1/3の先に向かって上から斜めに線を下ろす。 rumisu1 enn7 ▲ 目次にもどる

顔の比率の分析(眼の位置について)

4 目の位置について (1/3+2/3+2/3+2/3)÷2の位置が目の位置である。要するに顔の全体の半分の位置である。 計算すると約1.16であることがわかる。 頭頂から眉の位置を1として、あと0.16を下においた位置が目の位置になる。 眉から鼻にかけて2/3、さらに鼻から口までの線の半分が1/3になるので、その両方を足すことで1になる。 その1を3で割り、さらにそれぞれ分割して6分割にすると、一辺の長さが約0.16になる。 したがって1+0.16で目の位置にちょうどなる。 enn9 enn10       5 目の横幅における位置づけ 縦幅の位置は全体の1/2だということがわかったが、どの幅に置いていいのかがまだわからない。 全体の横幅を3分割したちょうどその位置に目の中心がくる。 enn11   ※線をクロスさせることでも顔の半分の位置がわかる

inyou1 (https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcR-f1vRNK3OT3XRHWPjLrG8HtzoYAIV3ss3JLeuObi0yPMxTgVzrw)

さらに眼の幅と眼と眼間の幅は等しい。   わかりやすい画像があったのでこちらも見ていただきたい。

inyou2  

これはかなり美しい。なんだ私のは・・・。と思いつつ考えていきます。 眼の幅と眼と眼の幅が等しく、それは横幅の全体の1/5の長さみたいですね。 こういう瞬間はワクワクしますね。情報を統合して理解するのは楽しい。どんどん頭のなかに情報が追加されていく。 こういう情報を意識せずに描くことができるようになるのがプロだと思う。最初はじっくり描き込んでいって覚えていけばいいと思う。 さて、横幅1を1/5づつ区切っていくにはどうすればいいのか?ルーミスさんは少し違う。 先ほど横幅を6分割したが、さらにその6分割を12分割に変えていく。

enn12 enn13

眼の横幅はわかったけれども、縦幅はまだわかっていない。 実際に眼をはかってみたところ、横幅が3.5センチ、縦幅の最大値が1.4だった。 およそ2:1の割合だと考えていいのかもしれない。 enn14 ※眼の横幅の黄金率はこちら  

inyou3 (http://getnews.jp/img/archives/002166.jpg)

そしてさらに縦幅も4分割すればなんとなく黄金率に近づく。ここでは細部までは踏み込まない。 enn15enn16enn17 ▲ 目次にもどる

顔の比率の分析(鼻の位置について)

6 鼻の位置づけ 鼻は眼よりも簡単で、生え際から眉の長さをそのまま眉からひいいていくと鼻の位置になります。 ※鼻の黄金率、バランスについて

 

inyou4 http://kogao-seisakusho.com/blog/wp-content/uploads/2014/04/about-ougonhi-1.gif)

enn18 enn19 ▲ 目次にもどる

顔の比率の分析(口の位置について)

※黄金率について

inyou5 inyou6 inyou7 inyou8 inyou9 (グーグル画像検索:「口 黄金率」より)

鼻からあごにかけての中間位置に口はある。鼻からあごにかけての線分を1とすると、その半分の位置には下唇があり、上1/3には唇の中心が来るというわけだ。口の幅は明確に記述されていない。眼の長さよりは少し長いかな、という程度の長さだ。目の玉の真下に来るというほど長くもない。眼の幅は1:2:1の割合が黄金率であった。その右端の1の割合の半分程度が唇の長さかもしれない。 とりあえず縦幅を4分割して1/2を出す。これは下唇の位置になる。 そして縦幅を3分割して(1/3=1/33)、上側の1/3を唇の中心の位置にする。 そして下側の2/3の位置を唇の陰のような位置にする。 これでは上唇の縦幅がよくわからない。 下唇の縦幅は縦幅の1/3の位置から1/2まで。 つまり0~1のウチ、0/33から0.5までの位置ということになる。 およそ下唇の縦幅は0.2になる。上唇も同じであると仮定すると、0.2という縦幅になる。 下唇の幅を5分割して0.2の位置にすればいいだろう。 若干めんどくさい。 0.33から0.5までの位置は正確にはおよそ1.7ある。 1.7✕6=10.2 であるので、縦幅を6分割して1/6の位置がより妥当な位置ということになる。 いまある3分割をさらに半分割して6分割をして、1/6の位置に上唇を加えればいい。 enn21 enn22 ▲ 目次にもどる

section3

8 全体の構成について 眼、鼻、口、耳の要素の位置づけが終ったので、次は輪郭の位置づけです。 a あごの幅はどのくらいなのか?まずはあごの黄金率についての引用です。

inyou10 (画像引用元)

これを見る限り、あごの幅は「1/5」であることがわかります。画像を見るとあごの幅は眼の幅、眼の間の幅と等しいので、それを元にして構成することができそうです。 あごから耳の幅の割合がわからない。 鼻からあごの幅の約1/2の時点で急カーブを描いていることが分かる。 耳から1/2の位置にかけては斜線を描いていることがわかる。 終わりの位置は1/2の点であり、始まりの位置は鼻の位置である。 問題は縦幅ではなく、横幅の位置である。ちょうど耳たぶの付け根辺りから1/2の位置に斜線を伸ばしている。 耳たぶの位置は耳の位置をひいたときの斜線の位置にある。 rumisu1  

inyou11 (引用元)

enn23 enn24   まあざっと描くとこんな感じですね。 enn26 ▲ 目次にもどる

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