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	<title>創造法編集社</title>
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	<description>社会学や哲学、その他創造に関する知識をまとめます</description>
	<lastBuildDate>Sun, 21 Jun 2026 00:36:30 +0000</lastBuildDate>
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	<title>創造法編集社</title>
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	<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十五回(3)】｢沈黙の螺旋理論｣の教訓</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/21/social-psychology-15-3-spiral-of-silence-theory/</link>
					<comments>https://souzouhou.com/2026/06/21/social-psychology-15-3-spiral-of-silence-theory/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 21 Jun 2026 00:36:30 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5984</guid>

					<description><![CDATA[沈黙の螺旋を破るには？悪魔の代弁者と分裂生成から学ぶ教訓]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/LUf6iDansv4?si=E-NTRTriplk9viD8" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">得られる教訓</span></h2>
<h3><span id="toc4">嫌われる勇気</span></h3>
<p>多数派認知は行動に善くも悪くも影響を与える｡多数派認知は意識的なものとはかぎらず､無意識に形成されている場合もある｡</p>
<p>我々は幼少の頃から社会のルールを教え込まれ､それに基づいて｢常識｣を知り､この常識に著しくズレたものは少数派であると推測できる簡便な能力をもっている｡｢粋じゃない､和じゃない｣といった抽象的なルールで､｢同じ大騒ぎ｣でも善いか悪いかがその場その場で判断できる｡</p>
<p>第十一回のポライトネス理論で学んだように､ある場面である言葉を用いることは｢冗談｣で済むと考える人は多数派かと考えてみればわかりやすい｡</p>
<p>もちろん常識では測れない新しい問題もときには社会問題として浮上してくる｡こうした問題こそ､目立つ事件によっていつのまにか螺旋的に反対意見が多数になっていくことがありうる｡</p>
<p>たとえば｢AIを利用していたから問題が起きた｣という目立つニュースがあれば､それを起爆剤にして､｢AIはよくない｣という意見が多数派認知として広がる可能性がある｡｢〇〇という発言はいじめだ｣という新しい解釈が生まれれば､｢〇〇という発言はよくないらしい｣という多数派認知が形成されるかもしれない｡</p>
<p>多数派認知に基づいて黙ること､喋ることは両方とも個人単位で見れば､特定の社会範囲で｢<b>孤立しないメリット</b>｣として考えることができる｡</p>
<p>しかし社会単位でみれば､｢<b>見かけ上の世論</b>｣が構成されうる可能性があり､より良い意見へ向けた批判的な検討の機会を失う可能性もある｡ハーバーマス的にいえば､｢<b>討議</b>｣できなくなるといえる｡多数派の意見を絶対的に固定させるのではなく､状況の変化によっていつでも変動可能になるように､批判可能になるようにしておく自由な空気が同時に必要になる｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2026/04/10/habermas-42-theory-of-communicative-action/">【１ワード社会学第十三回(42)】ハーバーマスの｢討議倫理学｣</a></p>
<p>社会心理学では他者の政治的立場にたってその意見が理解できることを｢<b>パースペクティブ･テイキング</b>｣という｡ミード的にいえば他者の役割取得になる｡</p>
<p>他者の意見を理解でき､他者の意見に寛容になり､自分の意見に磨きがかかることが｢民主主義的な理想｣とされている｡ハーバーマスの理想とも重なる話である｡常に批判の余地を､余白を残すという意味で一定の｢<b>少数派のおしゃべり</b>｣が必要とされるともいえる｡</p>
<p>孤立するリスクをとってまで､自分が少数派であると考えている意見を言う動機はどこからくるのだろうか｡</p>
<p>たとえば少数派の意見を言ったために､仕事を失ったり､家族を傷つけられたりする可能性はないといえるのか｡あるいは同僚や友人に心理的な距離を置かれないといえるのだろうか｡討議すべき重要な倫理的問題ほど､そうしたリスクは大きくなる可能性がある｡パンかご飯かという対立では揉めないがAIの是非､LGBTの是非､死刑制度の是非､夫婦別姓の是非､外国人労働者の取り扱いの是非などは揉める可能性がある｡</p>
<p>公共的な問題に時間的リソースを使うことも個人にとっては私的な問題をおろそかにしてしまうというリスクがある｡</p>
<p>そもそも｢正しいと思う少数派の意見｣の根拠として､どれだけの知識や経験が必要になるのか｡そうしたリソースを使わない人は､自分の少数派意見を｢どうせ素人の考えだ｣として自信をもって表明しにくい｡しかし専門家やマスメディアに従属的な多数派認知だけでは柔軟性のリソースとして十分ではない｡多種多様で具体的な生活に根ざした貴重な批判意見こそが重要になる｡</p>
<p>前回の記事(14回)でもそうだったが､｢<b>人間関係は面倒である</b>｣という視点が重要である｡対立的な意見をもつ人との議論はなおさらである｡</p>
<p>情報認知には歪みが生じうることや､沈黙が偏った世論形成につながる可能性があることを意識するのは重要である｡しかし､それでもなお｢沈黙しない｣という選択を少数派はとる勇気が存在するのか｡アドラー的にいえば｢<b>嫌われる勇気</b>｣をもてるのかという話につながっていく｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2024/05/01/creation-discovery-studies-3-adler-8/">創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(８)アドラー心理学の技法(勇気づけ)とはなにか</a></p>
<h3><span id="toc5">悪魔の代弁者</span></h3>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>悪魔の代弁者</strong></span>：</big>あえて反対意見や批判的な立場をとって議論を深める役割や人のこと｡</p>
</div>
<p>ディベートの世界では悪魔の代弁者という言葉がある｡ここで大事なのは､本心で反対しているとは限らないということである｡議論が一方向に偏らないようにするために､｢本当にそれでいいのか｣と別のありうる視点を提示する役割のことである｡</p>
<p>悪魔の代弁者は日常においては｢水を差す｣ような人物であり､一定の人たちに嫌われる可能性がある｡たとえば旅行計画で盛り上がっているときに､｢雨が降ったらどうする｣と言ってくる人は怪訝な顔をされるかもしれない｡</p>
<p>｢それって､あなたの主観ですよね｣といって客観的なデータを求める人も怪訝な顔をされがちである｡権威ある人たちが議論している中で､素朴な疑問をぶつけていく人も怪訝な顔をされがちである｡</p>
<p>｢この人は冷やかしではなく､自己利益のためでもなく､社会のためになにかをやっていそうだ｣という信頼はいかにして可能になるのか｡</p>
<p>生産的な批判なのか､批判自体が目的なのか､冷やかしなのか､特定の利益をもとに行動しているのか､特定が難しい｡</p>
<p>いわゆるステークホルダー(ある事柄に利害関係を持つ人や組織全般)の場合の批判は､｢何か裏があるのではないか｣と思ってしまうかもしれない｡</p>
<p>たとえばパン屋は米の値段が上がることに賛成かもしれないが､カレー屋は米の値段が上がることに反対だろう｡パン屋が自分の利益のためにたんに米の価格低下を批判しているのではないか？と疑われると生産的な批判になりにくい｡</p>
<p>社会学ではカールマンハイムが｢<b>自由に浮動するインテリゲンチャ</b>(知識人)｣という概念を提唱している｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2023/04/04/karl-mannheim-2/">【基礎社会学第三十二回】カール・マンハイムの「相関主義」と「自由に浮動するインテリゲンチャ」とはなにか</a></p>
<p>学者､政治家､農家､フリーター､ニートなど､どんな人もその人の立場､職業､階級､所属集団などの影響を受けるステークホルダーであるといえる｡職業の中で､相対的に自由に発言できる階層も存在する｡しかし自由に発言できたとしても､さまざまな立場や役割に触れ､他でもありうる可能性を感受する能力､｢<b>全体性</b>｣を把握する能力が備わっていないと自由に浮動することは難しい｡</p>
<h3><span id="toc6">分裂生成</span></h3>
<p>人類学者のグレゴリー･ベイトソンは分裂生成理論を通して､相互作用がエスカレートする現象を分析している｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>分裂生成理論</strong></span>：</big>個人や集団の相互作用が徐々にエスカレートし､対立的または補完的な関係が強化され､やがて破局的な分裂に至るプロセスを扱う理論のこと｡ </p>
</div>
<p>分裂生成理論は対称的分裂生成と､相補的分裂生成に大きく分かれている｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>対称的分裂生成</strong></span>：</big>相互促進的な行動が本質的にAとBで同じであることでエスカレートするパターン｡ </p>
</div>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>相補的分裂生成</strong></span>：</big>相互促進的な行動が本質的にAとBで違っていても､互いが適切にかみ合うことでエスカレートするパターン｡ </p>
</div>
<p>沈黙の螺旋過程はどちらかといえば､相補的分裂生成であるといえる｡多数派が支配であり､少数派が服従であると考えれば､支配が服従を生み､服従が支配を生むといったエスカレートとして考えることができる｡あるいは多数派同士が優劣を競うというかたちでも分裂生成が生じているかもしれない｡</p>
<p>ベイトソンの例では上司の威圧的な態度が部下の萎縮をよび､さらに上司が威圧的な態度をとるといった自己強化的循環として考えられている｡</p>
<p>しかし沈黙の螺旋過程は必ずしも社会的にマイナスの結果をもたらすとは限らない｡</p>
<p>そもそもなにをもって､どの期間を､どの範囲をマイナスとするのかも把握が難しい｡政治哲学者のマイケル･サンデルが｢正義｣について考えることの難しさを語っていたこととも通じる問題である｡功利主義､自由主義､共同体主義などさまざまな観点･立場から｢社会的なプラス(正義)｣が議論されている｡</p>
<p>もし多数派の意見が｢社会的にマイナスの結果をもたらす｣として､それに歯止めをかける作用が社会的な装置として存在しない場合は問題になる｡</p>
<p>螺旋過程が加速している時､誰かがリスクを引き受けて｢悪魔の代弁者｣となってなにか批判的な声をあげたらどうなるのか｡多数派に内省を促したり､生産的な議論に展開させていくことは本当に可能なのか｡</p>
<p>ベイトソンによればこうした分裂生成のパターンは生得的なものと後天的なものの両方の性質があるという｡しかし人間が仮に備えているとしても､それを｢<b>抑え込む学習</b>(社会化)｣も可能であり､実際にそうした学習が可能となっている文化も存在する(バリ島など)｡</p>
<p>分裂生成を和らげるために､役割を交換する文化なども確認されているという｡たとえば祭りで支配者と被支配者が役割を交換することも､エスカレートを食い止める仕組みになっている｡</p>
<p>とはいえ､現代資本主義社会において分裂生成的なパターンをもった人間のほうが有利にはたらく場合もある｡むしろ必要不可欠な態度とされる場面が多い｡</p>
<p>また､ある国が軍備の生産を止めてエスカレートを食い止めたとしても､他の国が軍備の生産を止めるとは限らない｡</p>
<p>理想的な人間のあり方､社会のあり方が想定できたとして､しかしそれは現実に可能なのかという問題が常に既に存在する｡個人単位で理想を目指した結果､短期的にその個人は不利益を被ることもある(生きている間中､その実践が報われないこともあるかもしれない)｡</p>
<p>しかしそれでも理想を考えること､ほかでありうる可能性を考えることをやめることは社会的に､そして長期的に見て不健全である｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学』,175-176p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc7">続きの記事</span></h2>
<h2><span id="toc8">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc9">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc10">ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳) ｢沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/4xe5vyW"> ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳)｢沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc11">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc12">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc13">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3Ia6J9u"> デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</a></p>
<h4><span id="toc14">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3FeJ8Do">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc15">参考論文</span></h3>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/mscom/60/0/60_KJ00003740325/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>小川 祐樹, 山本 仁志, 宮田 加久子｢Twitterにおける意見の多数派認知とパーソナルネットワークの同質性が発言に与える影響(原子力発電を争点としたTwitter上での沈黙の螺旋理論の検証) ｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/29/5/29_29_483/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>林 浩輝, 梅原 英一, 小川 祐樹<br />
｢否決された大阪都構想のTwitter投稿における世論形成理論成立の考察｣(2020)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/ssi/8/3/8_165/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
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			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十五回(2)】｢沈黙の螺旋理論｣の実証例･批判例</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/21/social-psychology-15-2-spiral-of-silence-theory/</link>
					<comments>https://souzouhou.com/2026/06/21/social-psychology-15-2-spiral-of-silence-theory/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 21 Jun 2026 00:35:52 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5979</guid>

					<description><![CDATA[孤立を恐れるのはなぜ？沈黙の螺旋理論の限界とSNSの落とし穴。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="//www.youtube.com/embed/LUf6iDansv4?si=E-NTRTriplk9viD8" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">沈黙の螺旋理論に対する批判</span></h2>
<h3><span id="toc4">適用範囲の限定性</span></h3>
<p>ノエル=ノイマンは､沈黙の螺旋が起きるのは｢<b>倫理的･道徳的な争点で､しかも世の中の見方が変化している状況</b>｣だと限定的に解釈している｡</p>
<p>単なる好みや利害ではなく､善悪がかかわる問題である｡最近でいえば｢AIの是非｣は倫理的争点として捉えることが可能である｡</p>
<p>要するに､人間は特に｢<b>道徳的非難</b>｣を恐れている｡善悪に関わらないような対立的な意見､あるいは善悪について社会的評価がある程度固定化している意見については沈黙の螺旋があまり当てはまらない｡</p>
<p>同調圧力を受けるか受けないかの話ではなく､多数派が螺旋的に拡大していく過程を実証的に確認しにくい｡</p>
<p>たとえば消費税を10%にするか15%にするか､高速道路を無料にするか､公共事業を増やすかといった問題は対立的な問題ではあっても､善悪には直接的にかかわりにくい｡</p>
<p>｢合理的に考えれば､A政策よりもB政策のほうが自分たちのグループに利益がある｣といった認知の正誤に基づく批判は可能だが､道徳的批判とは異なるものである｡政策によって倫理な問題に強く関わるものもあるが､ある政党に賛同するかしないかという総合的な判断になるとより複雑になる｡</p>
<p>｢<b>世の中の見方が変化している状況</b>｣という限定も重要である｡たとえば｢殺人はよくない｣という意見は固定的であり､見方はとくに変化していない｡｢殺人はいい｣という意見を沈黙している人が大勢いる状況を現代において想定しにくい｡</p>
<p>たとえばLGBTの権利に対する意見は比較的最近の現象であり､まだ固定的ではないようにみえる｡これから沈黙の螺旋が生じて､｢権利を認めるべきだ｣という方向に流れる可能性もあれば､｢権利を認めるべきではない｣という方向に流れる可能性もある｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),47-48p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc5">対人ネットワークの軽視</span></h3>
<p>ノイマンは｢マスメディアの力｣や｢人間の世論に対する認知能力｣を理念的に想定しがちであるという批判がある｡</p>
<p>第十二回の｢オピニオン･リーダー｣の動画では､マスメディアの効果は改変効果ではなく補強効果にとどまるという｢<b>限定効果説</b>｣がラザースフェルドらによって主張されていた｡マスメディアが直接的に人の態度や行動を強く決定するという考えが否定されているのである｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2026/01/25/social-psychology-12-opinion-leader/">【１ワード社会心理学第十二回】｢オピニオンリーダー｣とはなにか</a></p>
<p>｢メディアを通した人の意見変化｣という単純なモデルは成り立ちにくいことが示されている｡また､人間はマスメディアだけではなく｢<b>準拠集団</b>｣というより小さな規模の社会集団に影響を受けることを無視している点が批判されている｡家族､友人､同僚などがその代表である｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>準拠集団</strong></span><big>(英:reference group)</big>：</big>個人が自分の態度､価値観､判断､行動などの基準として参照する集団のこと｡社会心理学者のハーバート･ハイマンによる概念｡</p>
</div>
<p>ノエル=ノイマンの場合､人間は｢<b>社会一般的な他者</b>｣からの批判を恐れることが想定されている｡</p>
<p>しかし実際の生活において人間が孤立を恐れて沈黙するのは｢より具体的な他者(準拠集団)｣を想定しているからではないかという批判がある｡よく知らない他人ではなく､よく知っている他人からの孤立を恐れるのである｡そしてよく知っているグループと社会全体の平均的なグループの価値観は重なるとは限らない｡</p>
<p>たとえば社会全体の多数派意見と親しい友人集団の多数派意見を両方認知させた結果､親しい友人集団の意見によって意見を表明するかどうかが強く左右されたという実験がある(Oshagan,1996)｡</p>
<p>人々がどの意見が多数派かを判断するプロセスは､社会全体というよりも､実際には身近なネットワークの構造に大きく依存している｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),47-49p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc6">同調効果との違い</span></h3>
<p>古典的な同調行動の実験の成果をそのまま社会全体の変動にあてはめているといった批判がある｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>同調効果</strong></span>(英:conformity effect)：</big>個人が､集団の多数意見や周囲の人々の判断に合わせて､自分の意見や行動を変える現象のこと｡社会心理学者のソロモン･アッシュらによって提唱された(1951)｡</p>
</div>
<p>被験者に線分の長さを比較させ､周囲の協力者(サクラ)が全員わざと間違った回答をすると､被験者もその誤答に同調することがあることを示したというアッシュの実験は広く知られている｡</p>
<p>1人で行えば正解率が99%であるのに対して､周りがサクラの場合は32%もの人たちが不正解な回答を行ったという｡個人が明白な事実を認識していても､集団の一致した圧力の前では表明することが難しい｡</p>
<p>しかし実験室のような特殊な環境では同調が繰り返し確認されたとしても､現実社会に当てはめて考えることのできる場面がどれだけあるかという問題がある｡</p>
<p>たとえば政治の投票では匿名投票であり､世論調査も他人の視線が必ずしも存在しない｡時代とともに変化するそれぞれの社会範囲においてどのような要因があるのかを細分化し､限定して実証する必要性が生じるといえる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,328p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc7">他のタイプの説明の可能性</span></h3>
<p>ノエル=ノイマンは｢孤立への恐怖｣を軸に沈黙の螺旋過程を説明したが､｢多数派ヒューリスティック｣によっても部分的に説明できるという立場がある｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>多数派ヒューリスティック</strong></span>(英:majority heuristic)：</big>多くの人が支持しているなら正しいはずだという簡易的な基準のこと｡</p>
</div>
<p>ある問題が自分の価値観･立場･利益にどれだけ深く関わっているかの程度のことを社会心理学の用語で｢<b>自我関与</b>｣という｡</p>
<p>たとえば自我関与が高いほど内容そのものをよく考え､低いほど周囲の反応を参考にするという研究がある(Axsom,Yates,and Chaiken,1987)｡つまり､この説明では｢孤立が怖いから黙る｣のではなく､｢<b>多数派が正しいと思うから従う</b>(認知の単純化)｣ということになる｡実際に､争点関心の低い層でのみ沈黙の螺旋過程が支持されたという研究もある(Willnat,1996)｡</p>
<p>人々が多数派だと認知した意見は､その認知によって実際に多数派になっていくこともある｡これは｢<b>自己成就的予言</b>｣の一例ともみなせる｡</p>
<p>単なる同調ではないという点が重要｡たとえば｢あの銀行は倒産する｣と多くの人が認知することで実際にはその気配がなかったのにもかかわらず倒産してしまうケースが代表的なものである｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2025/07/08/one-word-sociology-self-fulfilling-prophecy/">【１ワード社会学第一回】マートンの｢予言の自己成就｣とはなにか</a></p>
<p>第三者効果が沈黙の螺旋を媒介するのではないか､という研究もある｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>第三者効果仮説</strong></span>(英:Third-Person Effect Hypothesis)：</big>人はマスメディアや対人的コミュニケーションの影響について､｢自分はあまり影響されないが､他人は影響されやすい｣と考える傾向があるという仮説のこと(Davison,1983)｡</p>
</div>
<p>｢他人は影響を受けやすいが､自分はそうではない｣という認識は､｢<b>自分以外の多くの人は影響を受けるので､ある意見が多数派になるだろう</b>｣という認識を形成することにつながる｡</p>
<p>そしてもし多数派になるならば､｢<b>自分はそれに合わせておいたほうが有利になるだろう</b>｣という判断が生じる可能性がある｡つまり､認知レベルでは影響を受けていないとされながらも､結果的に行為に影響を与えている｡この結果､多数派となるという予測に基づいて少数派の人は沈黙し､多数派の人はよく喋るという沈黙の螺旋過程を形成する説明になるようにみえる｡</p>
<p>ただし､実際の行動を決める主要な要因は第三者効果の影響だけではなく､｢<b>争点の重要度</b>(自我関与の度合い)｣であるという意見もある(Mutz,1989)｡</p>
<p>自我関与が高い層ほど第三者効果は大きくなるという｡一方で､自我関与が高い層ほど｢<b>自分の意見をもち､周囲に流されない</b>｣傾向があり､結局周囲に流されて(合わせて)沈黙するのか､しないのかが曖昧になってしまうというわけだ｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/17d32de46ee8c1975f6d24fcada58ecd.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5982" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/17d32de46ee8c1975f6d24fcada58ecd.png" alt="" width="634" height="613" /></a></p>
<p>図にするとこのようなイメージになる｡もちろん実際はより複雑であり､自我関与が高いほうが沈黙するケースもありうる｡</p>
<p>要するに､<b>沈黙する要因は複雑であり､実証が難しい</b>という話だ｡概念や状況を狭く､厳密に捉えていけば実証は可能になるが､それだと理論の適用範囲が狭まる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,328p</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),51-52p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc8">ハードコア層の捉え直し</span></h3>
<p>社会心理学者の安野智子さんは｢ハードコア層｣に対するノエル=ノイマンの定義が曖昧であり､理論的にも実証的にも十分に整理されていないと批判している｡</p>
<p>ノエル=ノイマンはハードコア層を｢沈黙の螺旋過程がその最終段階を迎えて大多数を呑み込んでしまってすら､孤立の脅威をものともしない少数派｣と定義している｡</p>
<p>根本的な問題として､｢<b>ハードコア層がなぜ孤立を恐れないのか</b>｣という心理的･社会的説明がなされていないという｡</p>
<p>安野さんによると､ハードコア層は｢孤立を恐れない特別な人｣というより､実際には｢<b>自分の周囲も同じ意見だと感じているために結果的に意見を変えない人</b>｣として説明できる可能性があるという｡そもそも孤立しているという認識自体が弱いケースが想定できる｡｢身内で認められていれば世間でどう思われようがかまわない｣という話だ｡その｢世間｣の認知すら､他の集団とズレがある可能性がある(マスメディアからの影響に鈍感になるから)｡</p>
<p>より大きな範囲では｢少数派｣だとしても､局所的な準拠集団においては｢多数派｣である場合がある｡このようなタイプの少数派は､マスメディアなどに影響を受けにくくなるという｡</p>
<p>たとえばある絵師界隈に属するAさんは､周りの絵師がみんな｢AIは規制するべきだ｣という意見をよく耳にするとする｡もしAさんにとってこのグループが準拠集団ならば､｢AIは規制するべきだ｣という意見は多数派であると認知されやすい｡｢AIの規制には慎重であるべきだ｣という意見がマスメディアで頻繁に流れたとしても､Aさんはそれに同意しにくくなるといえる｡</p>
<p>安野さんの実証分析(2001)では､強い意見(態度の強さ､確信度の強さ)の人ほど｢自分の周囲も同じ意見だと感じている｣傾向があり､弱い意見の人ほど｢実際の周囲の意見分布に影響される｣傾向があったという｡</p>
<p>つまり､強い意見の人ほど｢自分は多数派にいる｣という認知が強く､孤立感が弱いのである｡孤立に耐えているのではなく､局所的には多数派だと感じており､孤立していないからこそ｢実際の分布においては少数派である状態｣が維持できるというわけだ｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),54-56p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc9">沈黙の螺旋理論の具体例､実証研究</span></h2>
<h3><span id="toc10">先行研究例</span></h3>
<p>ノエル=ノイマンがドイツの選挙を分析した結果､投票直前になると勝ちそうな政党に支持が集まり､支持率の差が急に広がる現象を見いだしたという｡政治用語では｢<b>土壇場のなだれ現象</b>｣と呼ばれるものである｡</p>
<p>支持率の差が開いたのは投票の直前だが､｢<b>数ヶ月前からすでに勝った政党の方に勝つ予想が偏りつつあった</b>｣という｡</p>
<p>事前調査などのアンケートでは同じ支持率であったとしても､マスメディアの報道や周囲の言動を通して､｢どちらが勝ちそうか｣という予想を人々は察知していたというわけだ｡この予想に基づき､負ける政党ではなく勝つ政党に変更しようという人が現れる｡この結果､勝つと予想された政党が勝つのである｡</p>
<p>｢土壇場のなだれ現象｣は｢勝ち馬効果｣としていままでは説明されがちだった｡</p>
<p>しかしノエル=ノイマンは､こうした支持変更の動機を｢<b>勝つ側について名誉を得たい</b>｣という動機ではなく､｢<b>人間の生まれつき備わっている孤立を避けようとする傾向</b>｣によって説明しようとした｡こうして生まれたのが｢沈黙の螺旋理論｣である｡</p>
<p>ノエル=ノイマンの沈黙の螺旋理論の発表以降､数多くの実証研究が行われてきたが､その結果は必ずしも一貫していない｡</p>
<p>社会心理学者の安野智子さんによると､一貫した結果が得られていない理由の一つに理論における概念の曖昧さが挙げられている｡たとえば世論への認知が｢現状の分布の認知｣なのか､｢未来の分布の認知｣なのかなど､検証者によってバラバラである｡</p>
<p>複数の研究結果を統合し､｢多数派認知｣と｢意見表明意図｣の関係を検証したメタ分析(Glynn, Hayes and Shanahan,1997)では､弱いながらも統計的に有意な相関が確認されたという｡</p>
<p>つまり､｢<b>自分の意見が多数派だと思う人ほど発言しやすい</b>｣という傾向は実際に存在したというわけである｡｢多数派だと思う(主観的な現状認知)｣から､｢発言しようと思う(未来へむけた意図)｣という関係であり､実際に発言したわけではない｡また､｢将来も多数派である｣という予期に関する変数は除外されている｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),44-45p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc11">X(旧Twitter)における実証研究</span></h3>
<p>小川祐樹さん､山本 仁志さん､宮田 加久子さんによる実証研究を紹介する(｢Twitterにおける意見の多数派認知とパーソナルネットワークの同質性が発言に与える影響(原子力発電を争点としたTwitter上での沈黙の螺旋理論の検証) ｣,2014)｡</p>
<p>X(旧Twitter)とは､短い文章や画像､動画などを投稿し､他者と共有できるソーシャルメディア(SNS)である｡利用者は投稿の閲覧､返信､再投稿(リポスト)､引用などを通じて情報を発信･拡散できる｡</p>
<p>日本では震災(2011)以降に急速に普及し､2013年のインターネットの選挙運動解禁で注目され､さらにアカウント数が増加した｡</p>
<p>SNSは政治議論において､２つの可能性が想定されている｡</p>
<p>第一には｢<b>熟議</b>(deliberation)｣の可能性である｡他者の意見を見ることができ､考えが整理され､意見が改善される可能性である｡ハーバーマス的な意味での理性的な議論が促進される可能性だといえる｡</p>
<p>第二には､｢<b>意見の極性化</b>(polarization)｣の可能性である｡似た人同士が集まり､意見がより極端になり､社会が分断される可能性である｡デマや陰謀論の異常な広がりなどもここに含めていいのかもしれない｡</p>
<p>先行研究においては熟慮の可能性を示唆する研究もあれば､意見の極性化を示唆する研究もあり､研究は発展途上にあるという｡</p>
<p>ここでいう｢意見の極性化｣はノエル=ノイマンによる沈黙の螺旋理論と関わりが深い｡</p>
<p>もしインターネットのSNSによって沈黙の螺旋過程が生じているとすれば､インターネットは意見の極性化を生じさせる装置であるとして考えることができる｡しかしSNSは実名を使わない､つまり｢<b>匿名</b>｣で発言することも可能なので､沈黙を弱める作用も存在する｡小川さんたちは｢沈黙の螺旋はネットでも成立するのか｣をXの分析によって明らかにしようとしているのである｡</p>
<p>要点だけを紹介する｡</p>
<p>小川さんたちの研究では｢周囲のネットワークが似た意見かどうか｣という同質性が発言に影響すると過程されている(準拠集団の想定)｡多数派認知は｢自分は多数派だと思っている｣ということであり､推定同質性は｢周囲と意見が似ている程度｣を意味する｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/b8515a184b86262547fad97798a6ef9b.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5985" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/b8515a184b86262547fad97798a6ef9b.jpg" alt="" width="440" height="419" /></a></p>
<ol class="sample">
<li class="sample">X上でも､多数派認知と発言行動の関連は部分的に確認された｡</li>
<li class="sample">発言の種類によって規定要因が異なり､一枚岩では説明できない｡</li>
</ol>
<p>つまり､自分たちが多数派だと認知している人たちは発言を増やす傾向があったというわけである｡また､フレンドに似たような人たちが多い場合も発言を増やす傾向があったそうだ｡</p>
<p>周囲と同じ意見だと自分が考えているほど､公式リポストは増えたというデータも確認されている｡自分が多数派だと認知しているほど､非公式リポストは増えたという｡また､同質なネットワークにいるときは多数派認知が強いといった相互作用も見られるという｡</p>
<p>※非公式リポストは自分のコメントを付加して他人のツイートを発信する形式のもの(いわゆる引用リポスト)</p>
<p>オリジナルツイートやメンションには､多数派認知や同質性とほとんど関係がなかったという｡知識や関心などの個人的要因が中心である｡</p>
<p>また､推定同質性が高いからと言って､自分が多数派であるという認識は直接的に結びついていない｡別の要因によって自分が多数派であると認識し､推定同質性が高い環境においてそれが強まるという現象は見られるという｡</p>
<p>たとえば自分の周囲が原発に賛成しているからといって､原発への賛成が社会全体の多数派であるとはかならずしも認識されていないというわけである｡</p>
<p>マスメディアなど他の要因を通して多数派を認知し､かつ準拠集団も同じ多数派ならば､より多数派であるという認識は強まることになる｡ネットワークの構造と多数派認知は別の要因として働いているという分析結果がここでは重要になる｡</p>
<p>多くの人とつながっているほど､意見のばらつきが増えるというデータは重要である｡</p>
<p>たとえば｢<b>多くの組織に所属する人ほど､意見風土の影響を受けにくい</b>｣ といった別の研究もある(Scheufele and Eveland,2001)｡</p>
<p>ノエル=ノイマン自身も､｢<b>知り合いが少ない孤独な人や政治に関心がない人が最後の勝ち馬に乗る傾向がある</b>｣と述べている｡社会に孤独な人や知り合いが少ない人､多くの組織に属していない人がいればいるほど､意見の極性化は生じやすいのかもしれない｡</p>
<p>この話は前回のパトナムらの社会関係資本の重要性とつながる話である(社会心理学第十四回の記事を参照)｡</p>
<p>2020年の林浩輝さん､梅原英一さん､小川 祐樹さんのSNS研究でもXの分析が行われている(｢否決された大阪都構想のTwitter投稿における世論形成理論成立の考察｣,2020)｡</p>
<p>そもそもXでは世論全体の多数派を正しく認知することが難しいという｡それゆえに､｢多数派認知が発言を左右する｣という沈黙の螺旋の前提が成立しにくい可能性があるという｡</p>
<p>Xでは反対派が一時的に多く見える局面があっても､投稿行動には必ずしも直結していないという結果が出ている｡</p>
<p>さらにネットワークが｢似た意見同士で固まりやすい｣というクラスタ化も重要である｡たとえばA政党を支持している人はA政党を支持している人たちでかたまり､他の政党を支持している人の投稿などをそこまで見ていない｡それゆえに全体としてどれが多数派かを認知しにくくなる｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/122e87ae7d4b7e98daa3778e40daa7a3.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5986" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/122e87ae7d4b7e98daa3778e40daa7a3.png" alt="" width="387" height="290" /></a></p>
<p>Xでは議論による意見変化よりも｢<b>同じ意見の強化</b>｣が起きやすいことがわかったという｡</p>
<p>また､オピニオンリーダーは説得者というより拡散者に近かったという｡この結果はラザースフェルドらの知見と重なっている｡</p>
<p>マスメディアにおいて｢わずかに反対派優勢｣という報道(賛成49.6%､反対50.4%)が出たあと､Xでは賛成派59.6%､反対40.4%という賛成多数の結果が生じたというデータが出ている｡</p>
<p>また､Xで反対ツイートが65.6%を超えていた場合でも､翌日に反対アカウントの投稿はむしろ減っていた場合があったという｡</p>
<p>この変動に対してはアンダードッグ効果やアナウンスメント効果が効果を与えた可能性が指摘されている｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>アンダードッグ効果</strong></span>(英:Underdog Effect：</big>劣勢だと伝えられた候補や意見に､応援や同情の気持ちから支持が集まる現象｡</p>
</div>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>アナウンスメント効果</strong></span>(英:Announcement Effect)：</big>世論調査や選挙予測の結果が公表されることで､人々の態度や行動が影響を受ける現象｡ </p>
</div>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>小川 祐樹, 山本 仁志, 宮田 加久子｢Twitterにおける意見の多数派認知とパーソナルネットワークの同質性が発言に与える影響(原子力発電を争点としたTwitter上での沈黙の螺旋理論の検証) ｣(2014)</p>
<p>林 浩輝, 梅原 英一, 小川 祐樹<br />
｢否決された大阪都構想のTwitter投稿における世論形成理論成立の考察｣(2020)</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc12">続きの記事</span></h2>
<h2><span id="toc13">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc14">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc15">ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳) ｢沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/4xe5vyW"> ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳)｢沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc16">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc17">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc18">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3Ia6J9u"> デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</a></p>
<h4><span id="toc19">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3FeJ8Do">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc20">参考論文</span></h3>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/mscom/60/0/60_KJ00003740325/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>小川 祐樹, 山本 仁志, 宮田 加久子｢Twitterにおける意見の多数派認知とパーソナルネットワークの同質性が発言に与える影響(原子力発電を争点としたTwitter上での沈黙の螺旋理論の検証) ｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/29/5/29_29_483/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>林 浩輝, 梅原 英一, 小川 祐樹<br />
｢否決された大阪都構想のTwitter投稿における世論形成理論成立の考察｣(2020)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/ssi/8/3/8_165/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
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			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十五回(1)】ノエル=ノイマンの｢沈黙の螺旋理論｣とは</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/21/social-psychology-15-1-spiral-of-silence-theory/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 21 Jun 2026 00:35:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
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					<description><![CDATA[同調圧力の仕組みを社会心理学の視点からわかりやすく解説。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/LUf6iDansv4?si=E-NTRTriplk9viD8" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">沈黙の螺旋理論に関わる問題発生の例</span></h2>
<h3><span id="toc4">【1】日常生活での失敗</span></h3>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/87a413aa3adb5442662461d173a41dad.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5968" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/87a413aa3adb5442662461d173a41dad.jpg" alt="" width="391" height="480" /></a></p>
<p>たとえば友人グループで飲食店を選ぶときに､自分の好みが多数派ではないと感じ､意見を言い出せなくなるケースを考えてみる｡ </p>
<p>少数派であると認知している場合の意見表明には孤立が可視化されるリスクがある｡しかし実際には少数派ではない場合や､友人たちは店選びに特別なこだわりをもっていない場合もある｡</p>
<p>沈黙によって情報を出さないことで､周囲には賛同と受け取られ､ますます特定の店に対する選好が多数派であるとグループで認知されるようになる｡少数派であると認知している人たちはさらに言い出しにくくなり､不満が高まってしまう恐れがある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/caeefd4b6851f447f8a025bb45cbbef0.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5969" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/caeefd4b6851f447f8a025bb45cbbef0.png" alt="" width="292" height="328" /></a></p>
<p>学校や会社においても､｢その計画は間違っている､上手く行かない｣と自分は思っていても､多数派の意見とは異なると認知することで言えない場合がある｡</p>
<p>その結果､集団において誤った方向の議論が修正されず､｢誰も何も言わないから正しい｣として強化され､進行し続けてしまう可能性がある｡</p>
<h3><span id="toc5">【2】その他</span></h3>
<p>マスメディアがある政策への賛成意見を多く報道することで､人々が｢賛成を多数派だ｣と考えるようになると仮定する｡反対派はより発言を控えるようになり､賛成派はより発言を増やすようになる｡</p>
<p>この場合､政策の欠点やリスクが十分に検討されないまま実施されてしまう可能性がある｡</p>
<h2><span id="toc6">沈黙の螺旋理論とは</span></h2>
<h3><span id="toc7">沈黙の螺旋理論とはなにか､意味､定義､わかりやすく解説</span></h3>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/7dee507a6cebe80b9a4f3082afccc241.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5970" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/7dee507a6cebe80b9a4f3082afccc241.png" alt="" width="354" height="573" /></a></p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>沈黙の螺旋理論</strong></span>(英:Spiral of Silence Theory)：</big>人は孤立を避けるため､自分の意見が少数派だと認識すると発言を控え､多数派だと認識すると積極的に発言することで､結果として多数派の意見がさらに可視化され､少数派の意見が見えにくくなるという自己強化的な循環を説明する理論のこと｡</p>
</div>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/11c860863854c24438df82021c506d79.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5971" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/11c860863854c24438df82021c506d79.png" alt="" width="601" height="468" /></a></p>
<p>図にするとこのようになる｡</p>
<p>少数派が沈黙すると､ますます多数派が頻繁に発言するようになり､それによってさらに少数派が沈黙するというエスカレート構造が重要｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/092fe7b49ea59083c8e6f20122959f55.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5972" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/092fe7b49ea59083c8e6f20122959f55.png" alt="" width="867" height="536" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/092fe7b49ea59083c8e6f20122959f55.png 867w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/092fe7b49ea59083c8e6f20122959f55-800x495.png 800w" sizes="(max-width: 867px) 100vw, 867px" /></a></p>
<p>別の図にするとこのようになる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,328p</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),44-45p</p>
</blockquote>
<h4><span id="toc8">第一の仮説</span></h4>
<p>ノエル=ノイマンによると､沈黙の螺旋理論は５つの仮説から成り立っているという｡</p>
<p>【1】｢<b>社会は､多数派から外れた人を孤立させることによって圧力をかける</b>｣という仮説</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/316f97e112fbd1ecf78b847a528f3c01.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5973" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/316f97e112fbd1ecf78b847a528f3c01.png" alt="" width="299" height="298" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/316f97e112fbd1ecf78b847a528f3c01.png 299w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/316f97e112fbd1ecf78b847a528f3c01-150x150.png 150w" sizes="(max-width: 299px) 100vw, 299px" /></a></p>
<p>たとえば学校や会社などで明らかに多数が賛成している中で反対意見を言うと､｢<b>空気を読まない人間</b>｣と見なされてしまうケースなどを考えると理解しやすい｡</p>
<p>女性蔑視はよくない､人種差別はよくないという意見が多数派の社会で､反対の意見をいうと制裁を受ける｡</p>
<h4><span id="toc9">第二の仮説</span></h4>
<p>【2】｢<b>人は孤立への恐怖を絶えず感じている</b>｣という仮説</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/f2081401514bb30010b6daa9abfe1716.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5974" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/f2081401514bb30010b6daa9abfe1716.png" alt="" width="309" height="398" /></a></p>
<p>人間の普遍的な性質として､周囲から仲間外れにされたり､批判されたり､受け入れられなくなったりすることへの不安があるとノエル=ノイマンは想定している｡</p>
<h4><span id="toc10">第三の仮説</span></h4>
<p>【3】｢<b>人は孤立を避けるため､社会の空気を常に観察している</b>｣という仮説</p>
<p>社会の空気は｢<b>意見風土</b>(climate of opinion)｣と日本語では表現されることがある｡社会の中で､どの意見が支持されているように見えるかという雰囲気を意味する｡</p>
<p>意見風土は｢意見分布の現状認知｣と､｢意見分布の将来の認知｣の両方の意味をもつ概念であり､ノエル=ノイマンは後者をより重視している｡つまり､｢<b>ある意見がこれから多数派になるだろう</b>｣という社会全体の空気を諸個人が察することが螺旋過程で重要な要素となる｡</p>
<p>人間は｢どちらが多数派なのか｣などを経験や感覚によって探知しようとし､かつ探知できる能力(<b>準統計的能力</b>)をもっていると想定されている｡</p>
<p>特に<b>マスメディア</b>が意見風土を知るための主要な情報源だという｡ノエル=ノイマンは､マスメディアが意見風土を作る理由として､遍在性､累積性､画一性を挙げている｡実際に多数派であってもマスメディアに支持されていなければ沈黙する傾向があり､少数派であってもマスメディアに支持されていれば積極的に発言できる傾向があるという｡</p>
<h4><span id="toc11">第四の仮説</span></h4>
<p>【4】｢<b>人は意見風土の認識に応じて発言するか沈黙するかを決める</b>｣という仮説</p>
<p>たとえば｢自分の意見は多数派だ｣と思えば発言しやすくなる｡逆に､｢自分の意見は少数派だ｣と思えば沈黙しやすくなる｡<b>意見風土の認知が行動(=可視化できる意見表明)を媒介する</b>という枠組みで考えられている｡</p>
<h4><span id="toc12">第五の仮説</span></h4>
<p>【5】｢<b>1から4の仮説に基づく過程が組み合わさることで､世論が形成され､維持され､変化する</b>｣という仮説</p>
<p>ノエル=ノイマンは自分が少数派になっても気にせず､周囲に反対されても意見を言い続ける例外的な存在を｢<b>ハードコア層</b>｣と呼ぶ｡</p>
<blockquote>
<p>特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),46p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc13">全体の見取り図</span></h3>
<p>｢沈黙の螺旋理論｣を理解するための主要な概念は｢世論｣と｢準統計的能力｣である｡</p>
<p>世論とはなにか､そして世論はどのように形成されるかというプロセスの理解が大きな枠組みである｡その前提として人間はどのような情報処理能力をもっているのか､どのようなタイプが存在するのかの理解が必要となる｡</p>
<p>沈黙の螺旋理論が依拠している理論として｢同調理論｣の理解が必要になる｡｢勝ち馬効果｣との違いも重要になる｡</p>
<p>さらに関連する用語として｢自己成就的予言｣､｢第三者効果説｣､｢多数派ヒューリスティック｣､｢オピニオン･リーダー｣､｢アナウンスメント効果｣､｢アンダードッグ効果｣､｢離脱効果｣などを抑えておく必要がある(主に沈黙の螺旋理論に批判的な立場を理解する際に重要である)｡</p>
<h2><span id="toc14">基礎概念1:｢世論｣とはなにか</span></h2>
<h3><span id="toc15">従来の世論の意味</span></h3>
<p>一般に､世論とは｢<b>社会で最も多くの人が支持している意見</b>｣を意味する｡</p>
<p>たとえば世論調査で賛成60%､反対40%ならば､賛成意見が世論だと多くの人は考える｡</p>
<p>しかし社会心理学において､世論はそのように単純に考えられていない｡</p>
<p>統計的なランダムサンプリング手法による世論調査も聞き方によって結果が変わることもあり､絶対的な手法ではない｡また､世論を｢良識ある市民｣に絞るのか､｢無知な市民｣を含めるのかという議論も存在する｡</p>
<p>世論は社会学者のデュルケムの用語でいえば｢<b>集合意識</b>｣に近い｡それが部分的に可視化(表象)されたものが法律や統計だということになる｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2024/11/27/durkheim-4-3/">【基礎社会学第三六回(3)】エミール･デュルケムの｢集合意識と集合表象の違い｣を解説</a></p>
<p>デュルケムの場合は｢一人ひとりがどう思っているか｣というより､そうした意識を規定する社会的構造に着目している｡</p>
<p>たとえば政治学者のドナルド･レイ･キンダーによると､世論とは｢<b>公権力の行使に関わる対象をめぐって多様に生じる意見であり､しかもその意見の質はさまざまでありうる</b>｣という｡</p>
<p>パンとご飯のどちらが好きなのか､ゴッホとモネのどちらが好きなのかといったタイプの意見は基本的に世論とは呼ばない｡つまり､単なる多数派の意見を全て世論と呼ぶわけではない｡</p>
<p>社会学者のハーバート･ブルーマーは､｢政治や政策に影響力を与える力を持った意見でなければ､世論とは呼べない｣と考えている｡</p>
<p>社会学者のジョージ･ハーバート･ミードは｢<b>一般化された他者</b>｣という概念を唱えている｡ここで重要なのは諸個人によって｢想像される多数派｣であり､｢現実の多数派｣そのものとは限らないという点である｡社会心理学者のオールポートは｢<b>想定された群衆</b>｣と呼んでいる｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2022/08/18/geoge-herbert-mead-3/">【基礎社会学第二十七回】G・H・ミードの「プレイとゲーム、重要な他者と一般化された他者」とはなにか</a></p>
<p>死刑制度の是非､政治家の是非､AIの是非､タトゥーの是非といった問題は｢<b>政治や政策に影響力を与える力を持った意見</b>｣となる可能性が高い｡たとえば政治家への批判が圧倒的になれば､実際に辞職を促す力､政策を変える力をもつこともありえる｡</p>
<p>たとえば多くの人がAIを問題だと叫び始めれば法律が制定され､規制が始まるかもしれない｡誹謗中傷が問題であるという認識が広がったことが､罰則が強化される一因になったと解釈することもできる｡</p>
<p>社会学者のユルゲン･ハーバーマスは｢<b>理性的な市民が公共の問題を議論して形成する意見</b>｣としての世論を重視している(理想としてであり､現実にはそうではないことも認めている)｡</p>
<p>つまり世論を､民主主義における合理的な意思決定の仕組みとして理解していたのである｡ちなみにハーバーマスはマスメディアには人々の生活世界におけるコミュニケーションを｢集約｣する能力があるとしている｡もちろん偏りはありうるが､それに対抗する手段も存在しうると想定されている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2026/04/10/habermas-42-theory-of-communicative-action/">【１ワード社会学第十三回(42)】ハーバーマスの｢討議倫理学｣</a></p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷､315-317p</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),46-47p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc16">ノエル=ノイマンによる世論の定義</span></h3>
<p>ノエル=ノイマンは世論を以下のように定義している｡</p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>世論</strong></span>(英:public opinion)：</big>論争的な争点に関して自分自身が孤立することなく公然と表明できる意見のこと｡</p>
</div>
<p>ノエル=ノイマンによると<b>社会規範や流行も世論の一種</b>であるという｡</p>
<p>たとえば｢殺してはいけない｣､｢挨拶をしなければいけない｣という意見や｢この服装は流行っているから普通である｣といった意見が考えられる｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/2026-06-07_9-07-19.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5975" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/2026-06-07_9-07-19.jpg" alt="" width="319" height="629" /></a></p>
<p>もし男性がスカートを履くことが流行なら履けるが､流行でなければ多くの場合困難になる(沈黙せざるをえない)｡ </p>
<p>｢糖質制限はよい｣という流行から｢糖質制限は悪い｣という流行へ変わりうることもこのひとつかもしれない｡もし｢糖質制限が悪い｣ということが多数派に認知されていれば､｢糖質制限は良い｣という意見を表明する人間は孤立的な立場になる｡だれかが糖質制限で死亡する記事がマスメディアで拡散されただけで､ガラッと世論が変わる可能性もある｡</p>
<p>個人の私的な選好に思える流行ですら､それに合わせないと制裁(世間からの否定的な視線)を受けるという点が重要である｡</p>
<p>従来のパブリックに対する理解では､｢公然性｣や｢公共的利害｣といった要素が重視され､｢<b>公の目を意識させることによって統治するという側面が軽視されていた</b>｣とノエル=ノイマンはいう｡</p>
<p>｢統治｣を重視すれば､世論とは｢<b>同調圧力</b>｣であり､ある社会的な言動に対して是認や否認を行う力である｡あらゆる世論が理性的で合理的につくり出されていれば､同調圧力をもっていたとしても一定の正当性をもつといえる｡しかし世論が現実において違ったプロセスにおいて生じているならば､その正当性をより批判的な目で捉え直す必要も出てくる｡</p>
<p>ハーバーマス的な理想に基づく考えでいうと､｢理性的な人間が民主的･合理的に話し合って決まった意見｣が世論である｡そしてこの世論は民主主義を支えるものだとみなされている｡</p>
<p>ノエル=ノイマンの場合はより現実を重視し､そもそも人間は｢孤立を恐れて､正しいと思っていることも少数派だと自分が認知していると､容易に表明できない｣という前提になる｡では､人はどのように多数派を想像(認知)するのだろうか｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),47-48p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc17">基礎概念2:｢準統計的能力｣とはなにか</span></h2>
<h3><span id="toc18">社会心理学における情報処理能力とは</span></h3>
<p>社会心理学の基礎的な前提をまずは解説する｡</p>
<p>人間は｢<b>情報処理能力</b>｣をもっている｡外界からの刺激を受け取り､それを選択的に処理し､解釈し､判断する能力である｡たとえばある人物が叫んでいたとして､その叫ぶという行為を｢危険｣であると意味づけ､｢近づかないようにしよう｣という判断を行うようなケースである｡</p>
<p>情報処理の方法は大きく｢<b>システマティック処理</b>(情報を客観的･統計的に処理)｣と｢<b>ヒューリスティック処理</b>(情報を表層的･無意識的･簡易的に処理)｣に分類される｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2025/08/11/social-psychology-4-representativeness-heuristic/">【１ワード社会心理学第四回】｢代表性ヒューリスティック｣とはなにか</a></p>
<p>たとえば｢高い値段のものは品質が良い｣という判断はヒューリスティック的である｡実際に品質を客観的に精査して比較すれば､安い値段のもののほうが品質が良い場合もある｡しかしそうした手間を省略して､簡易的に情報を処理しているケースであり､日常ではこうした処理のほうが多いとされている｡</p>
<p>我々は情報を全て入手することが困難である｡そして情報が仮に全て手に入ったとしても､それらを完全に処理できる能力をほとんどの場合もっていない｡</p>
<p>十分な能力をもっていたと仮定しても､その処理を行う動機や時間があるとは限らない｡おにぎりAとBのどちらがコストパフォーマンスがいいかを考えることに数時間費やすことを我々はしない｡</p>
<p>仕事でAをするかBをするかによって会社のこれからがかかっている場合はシステマティックに処理するのかもしれないが､しかし情報の収集や処理の能力には限界がある｡</p>
<p>たとえばライバル企業がどういう状態か､外国の戦争はどういう状態かについて､限定された情報しか入ってこない｡社員の能力や心的状態についても限定された把握しかできない｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,318p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc19">社会心理学におけるエゴセントリックな認識とソシオトロピックな認識の違い</span></h3>
<p>社会心理学では自己の利害の認識を｢<b>エゴセントリックな認識</b>｣と呼び､社会全体の動向の認識は｢<b>ソシオトロピックな認識</b>｣と呼ぶ｡そして世論はソシオトロピックな認識において把握される｡</p>
<p>政治的なこと､公共的なことは日常生活において相対的に重要性が低い､つまりサイドショーだと判断する人が多い｡政治的な話を聞いただけで嫌悪する人すらいるだろう｡しかし同時に､政治的な出来事､たとえば政策の実施や不実施が我々の日常生活､自己利害に大きく関わらざるをえないことも認識されている｡</p>
<p>エゴセントリックな認識すら情報処理が不十分であるのに､ソシオトロピックな認識はさらに情報処理が不十分になりがちだといえる｡</p>
<p>たとえば｢原発に対して賛成か反対か｣という問題と､｢転職をするべきかどうか｣という問題を考えてみればわかりやすい｡原発がどういう仕組みで動き､どのような危険性があり､どのような利益をもたらしているかについて我々はその多くを知らない｡</p>
<p>情報を入手できないだけではなく､仮に入手できたとしても専門的な知識がないと理解できない場合がある｡仮に理解した場合でも､どれだけの政治的影響をもつことができるのかも問題になる｡もし力をもてないならば理解する動機が弱まってしまう｡</p>
<p>｢なんとなく危険だから反対だ｣､｢専門家が反対しているから反対だ｣､｢信頼できるオピニオン･リーダーが賛成しているから賛成だ｣､｢応援していない政党が主張しているから反対だ｣というヒューリスティックな処理に多くの人はなりがちである｡</p>
<p>原発は電気代や､震災の際のリスクなど､我々の日常生活に関わる問題ではある｡しかし､｢転職するべきかどうか｣のほうが諸個人にとっては喫緊の課題であり､優先すべきだと見なされることが多い｡</p>
<p>実際､日本の国政選挙では投票率が5割前後になる場合もある｡</p>
<p>我々が情報処理において重視するリソース(情報資源)として｢世間の多数派の意見｣がある｡しかし世間の多数派を｢統計的数値｣として我々は必ずしも認知していない｡情報の処理に我々は毎回世論調査や論文などのデータを確認するわけではない｡</p>
<p>たとえばテレビやネットニュースなどのマスメディアにおいて繰り返し批判の対象となったり､あるいは賛同の対象となることを目にすることで､｢多数派かどうか｣､｢孤立する恐れのある意見かどうか｣の判断材料を意識的､あるいは無意識的に獲得している｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,318p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc20">ノエル=ノイマンにおける｢意見風土｣とは</span></h3>
<p>沈黙の螺旋理論では､人々が｢世論｣を知るための主要な情報源は｢マスメディア｣であると想定されている｡ここでいう世論とは､諸個人によって想像､知覚された雰囲気､つまり｢<b>意見風土</b>｣である｡</p>
<p>意見風土は｢実際の統計的な意見分布｣と重なるわけではないことに注意する必要がある｡この言葉をノエル=ノイマンは明確に定義しているわけではなく､意見分布の認知とその変化(世論動向)の認知の両方が含まれているという｡つまり､｢今､多数派か｣という認知と｢今後多数派になる｣という認知の両方の意味で使われている｡ただし､ノエル=ノイマンは後者の認知を重視している｡</p>
<p>世論は発言や行為によって可視化されることもある(電車の優先席に座らないこと､優先席に座らないように咎めることなど)｡統計的に可視化されれば世論調査となる｡</p>
<p>ただしこの場合の世論調査は｢本当に思っているかどうか｣という内心が反映されている保証はなく､｢実際の統計的な意見分布｣と重なるとは限らない｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/3a4eca0bc0c15ce0ffceccec3c98f505.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/3a4eca0bc0c15ce0ffceccec3c98f505.png" alt="" width="774" height="647" /></a></p>
<p>図にするとこのようになる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),48p</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),57p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc21">ノエル=ノイマンにおける｢準統計的能力｣とはなにか､意味､定義､わかりやすく解説</span></h3>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>準統計的能力</strong></span>(英:quasi-statistical sense)：</big>｢意見風土｣を､直感的･経験的に把握する能力のこと｡</p>
</div>
<p>ノエル=ノイマンの想定では､人は意見分布をある程度正確に把握できるものだとされている｡人間は主に直接の観察(周囲の人の発言や反応)やマスメディア(ニュースなど)から情報を獲て､意見風土を認識することができるというわけである｡</p>
<p>ノエル=ノイマンは1985年に､意見表明の意図を規定するのは｢現状の意見分布認知｣ではなく､｢世論が今後どちらに傾きそうかという世論動向の認知である｣と明確に言及するようになる(1974年の『沈黙の螺旋』初版の段階では明確にされていなかった)｡</p>
<p>つまり､ある意見の多数派の拡大が螺旋的に生じていく際に必要な情報処理が｢<b>予期</b>｣である｡予期に基づいて人は黙るか､喋るかを選んでいる｡</p>
<p>わざわざ予期するまでもないような状態では螺旋的過程は生じにくいといえる｡たとえば我々は｢殺人がよくないということになるだろう｣などと逐一予期しない｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/5fde85ae9c904e6e9514ac0a9de04cef.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5977" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/06/5fde85ae9c904e6e9514ac0a9de04cef.png" alt="" width="778" height="602" /></a></p>
<p>図にするとこのようになる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),48p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc22">ノエル=ノイマンにおける｢二重の意見風土｣とは</span></h3>
<p>ノエル=ノイマンは1993年にマスメディアが伝える意見風土と､実際の意見分布が異なる状態を｢<b>二重の意見風土</b>｣と表現している｡</p>
<p>たとえばメディアはAが優勢と報道したが､実際にはBが優勢のようなケースである｡しかしノイマンによると､このズレは常に起こるものではなく､特殊な条件下でのみ発生する例外的現象だとされている｡</p>
<p>もし人々がマスメディアを主な情報源として多数派を認知し､かつマスメディアから得られる情報が基本的には正確であるとする｡</p>
<p>この場合､人々の意見風土の認知も基本的には正確であるという前提になる｡予期はある程度現状の認知に基づくのだから､結局はマスメディアの報道のあり方が､人々の行動を強く規定するということになる｡</p>
<p>マスメディアがある意見を現状において多数派だと報道すれば､人々は今後もそれが多数派になると予期するようになる｡もし｢多数派｣だと明確に表現しなくても､繰り返し特定の意見が肯定的に扱われたり､否定的に扱われることで予期のための土台が人びとに生じる｡そして多数派側の人はより多く発言し､少数派の人はより多く黙ることになる｡</p>
<p>その結果､実態以上により多く見えるようになったり､あるいは実態としても多数派が増えたりするというわけだ｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002),50p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc23">続きの記事</span></h2>
<h2><span id="toc24">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc25">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc26">ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳) ｢沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/4xe5vyW"> ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳)｢沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc27">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc28">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc29">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
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<h4><span id="toc30">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
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<h3><span id="toc31">参考論文</span></h3>
<p>安野智子｢沈黙の螺旋理論の展開 (&lt; 特集&gt; パワフル・メディア論再考)｣(2002)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/mscom/60/0/60_KJ00003740325/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>小川 祐樹, 山本 仁志, 宮田 加久子｢Twitterにおける意見の多数派認知とパーソナルネットワークの同質性が発言に与える影響(原子力発電を争点としたTwitter上での沈黙の螺旋理論の検証) ｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/29/5/29_29_483/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>林 浩輝, 梅原 英一, 小川 祐樹<br />
｢否決された大阪都構想のTwitter投稿における世論形成理論成立の考察｣(2020)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/ssi/8/3/8_165/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://souzouhou.com/2026/06/21/social-psychology-15-1-spiral-of-silence-theory/feed/</wfw:commentRss>
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			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十四回(9)】社会関係資本から得られる教訓</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/18/social-psychology-14-social-capital-9/</link>
					<comments>https://souzouhou.com/2026/06/18/social-psychology-14-social-capital-9/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 18 Jun 2026 01:31:32 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
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					<description><![CDATA[人間関係の面倒さと幸せ。社会心理学やジンメルから学ぶ教訓。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/WSdAkXevCNA?si=9goAwnEx2iFSSHyf" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">得られる教訓</span></h2>
<h3><span id="toc4">人間関係は大事､しかし･･･</span></h3>
<p>人間関係は社会にとって大事であり､個人にとっても大事であると言われても､｢それはそうだろう｣という率直な感想がまず出る｡｢<b>しかし､</b>｣と後に続くのである｡人間関係はいろいろと面倒なのだ｡</p>
<p>心理学者のアドラーは､人間の不幸は人間関係から生じると述べた｡しかし同時に､人間の幸せも人間関係から生じると述べた｡※アドラーの心理学については創造発見学第三回の動画を参照</p>
<p>会社では利益を出すというわかりやすい目的､そしてわかりやすい上下関係のルールがあるからこそ､人間関係が円滑に進むこともある｡</p>
<p>一方で､自発性や積極性､団結性が要求されるからこそプライベートとパブリックな領域が曖昧になり､人間関係で悩むことがありうる｡一見不自由に見える縦社会に自由を､自由に見える横社会に不自由を見出すこともできる｡ジンメルなら｢両義性｣と表現する事態である｡</p>
<p>人々のつながりが強くなりすぎると､むしろ平均的な知能(判断力､独自性)が下がることがあるとジンメルは｢<b>社会学的悲劇</b>｣として捉えていたことも重要である｡つながりの｢量｣だけではなく､その｢質｣をもっと体系的に掘り下げていく必要がある(紐帯/架橋以上の分類が必要となる)｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2021/12/25/georg-simmel-2/">【基礎社会学第七回】ゲオルク・ジンメルの「社会学的悲劇」について学ぶ</a></p>
<p>｢人間関係は面倒だ｣､｢社会参加や政治参加は衝突が生じるから面倒だ｣といって多くの人が社会参加から距離をおき始めると､社会的問題が放置されたり､少数の利益ばかりが政治で追求されたりする問題がある｡</p>
<p>しかし､｢わたしが参加しなくても､ほかのひとがなんとかしてくれるだろう｣と思ってしまうのが人間である｡そこで勇気を持って社会参加をする｢<b>きっかけ</b>(動機)｣が重要になる｡抽象的な他者､一般的な他者に貢献するよりは､具体的な仲間に貢献していたほうがいいと思う人が多くてもおかしくはないのであり､きっかけを上手くつくる方法に政治学者たちは苦戦している｡</p>
<p>パットナム的な､｢テレビやネットばかり見ていないでコミュニティに参加しよう｡そのほうが社会がよくなるからだ｡そしてあなたにとってもいいことである｡｣といった精神主義的スローガンで人々が動くだろうか｡</p>
<p>あるいはアスレイナーのように経済的不平等をどのように変化させるかといった現実的な問題に対してアプローチしていくことを優先し､そのうえで人々の精神に働きかければいいのか｡とはいえ､｢自国の経済的不平等を解決するためには他国のこと､世界の環境のことなど短期的には気にしていられない｣という狭い認識に陥る可能性もある｡</p>
<p>個人的に教訓になった点は､｢<b>社会関係資本は比喩である</b>｣という考え方である｡たとえ資本のように存在していなくても､まるで資本であるかのように考えることで社会を上手く説明できるから使う価値があるという発想は面白い｡</p>
<p>ただし､比喩を実在と見なすことのないように気をつける必要がある(具体性置き違えの誤謬)｡</p>
<p>また､少数派と多数派がお互いの生活条件を改善しようとする際に､役割交換のようなメカニズムを取り入れればさらに有効に働くのではないかと感じた｡｢<b>立場の役割交換</b>｣は対立を緩和させうる機能を持つ要素として知られている(たとえば人類学者のベイトソン)｡</p>
<p>もちろん､どんな場なのか､どんな文化なのかといったコンテクストをふまえてその機能を考える必要があるのだろう｡普遍性を指向しすぎると誤りやすいことを頭に入れておく必要がある｡また､役割交換をする｢<b>動機</b>(きっかけ)｣も考慮する必要がある｡</p>
<h2><span id="toc5">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc6">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc7">ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3NYuYKY"> ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</a></p>
<h3><span id="toc8">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc9">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc10">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3Ia6J9u"> デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</a></p>
<h4><span id="toc11">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3FeJ8Do">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc12">参考論文</span></h3>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003][<a href="https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/16-1_sato.pdf">URL</a>]</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/94/0/94_65/_pdf">URL</a>]</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)[<a href="https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_61/all.pdf#page=269">URL</a>]</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/1/27_1_9/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)[<a href="https://jin-ai.repo.nii.ac.jp/record/1051/files/vol.39_p61-67.pdf">URL</a>]</p>
<p>松村茂樹 ｢日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み｣(2022)[<a href="https://otsuma.repo.nii.ac.jp/record/7235/files/CC20061.pdf">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://souzouhou.com/2026/06/18/social-psychology-14-social-capital-9/feed/</wfw:commentRss>
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			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十四回(8)】社会関係資本の具体例､実証研究の紹介</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/16/social-psychology-14-social-capital-8/</link>
					<comments>https://souzouhou.com/2026/06/16/social-psychology-14-social-capital-8/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 15 Jun 2026 23:57:48 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5774</guid>

					<description><![CDATA[日本の社会関係資本と投票率のリアルな関係性]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/WSdAkXevCNA?si=9goAwnEx2iFSSHyf" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">(5) 社会関係資本の具体例､実証研究</span></h2>
<h3><span id="toc4">[5-1]日本における統計分析:社会関係資本と不平等が投票率にどう影響するのか</span></h3>
<p>日本における社会関係資本の実証研究として､稲葉陽二さんと戸川和成さんによる統計分析(2019)を紹介したい｡</p>
<p>まず大前提として､パットナムの理論において､社会関係資本には民主主義を強める面と逆に歪める面があるという前提が置かれている｡たとえば紐帯型社会関係資本は民主主義を歪める可能性がある例である｡</p>
<p>日本において､社会関係資本は民主主義を強めているのか､弱めているのかという点が実証分析のポイントとなる｡</p>
<blockquote>
<p>･今回参考にする論文</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)</p>
</blockquote>
<h4><span id="toc5">仮説</span></h4>
<p>稲葉さんたちは３つの暫定的な仮説を立てている｡</p>
<ol class="sample">
<li class="sample">経済的不平等があると､社会全体への信頼は低下し､仲間内の信頼は強化される｡</li>
<li class="sample">一般的信頼が高い人ほど､投票率も高い｡</li>
<li class="sample">インターネット上の交流は人々のつながりを増やす｡</li>
</ol>
<p>統計では内閣府が2015年2月6日から17日に実施した｢ソーシャル･キャピタルに関する意識調査(市民)｣が用いられている｡</p>
<p>社会関係資本があるかどうかの変数は認知的なものと構造的なものにわかれている｡たとえば｢ほとんどの人は信頼できる｣､｢注意するに越したことはない｣､｢中間｣といった選択肢においてどれを選ぶかによって信頼の度合い､つまり認知的な社会関係資本の度合いが測られている｡人付き合いはどのくらいしているか､市民団体にどれくらい参加しているか､SNSの利用をしているかといったアンケートは構造的な変数とされている｡</p>
<h4><span id="toc6">検証結果</span></h4>
<ol class="sample">
<li class="sample">経済的な格差が大きい地域ほど､投票率は低かった(1％水準で有意)｡</li>
<li class="sample">日常的な対面の人間関係が多いほど､投票率は高くなった(10％水準で有意)｡</li>
<li class="sample">一般的信頼が高くても投票率の増大につながっていない(有意でない)｡</li>
<li class="sample">SNSをよく使う人ほど､投票率は低い傾向にある(10％水準で有意)</li>
</ol>
<h2><span id="toc7">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc8">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc9">ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3NYuYKY"> ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</a></p>
<h3><span id="toc10">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc11">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc12">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3Ia6J9u"> デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</a></p>
<h4><span id="toc13">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3FeJ8Do">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc14">参考論文</span></h3>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003][<a href="https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/16-1_sato.pdf">URL</a>]</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/94/0/94_65/_pdf">URL</a>]</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)[<a href="https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_61/all.pdf#page=269">URL</a>]</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/1/27_1_9/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)[<a href="https://jin-ai.repo.nii.ac.jp/record/1051/files/vol.39_p61-67.pdf">URL</a>]</p>
<p>松村茂樹 ｢日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み｣(2022)[<a href="https://otsuma.repo.nii.ac.jp/record/7235/files/CC20061.pdf">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://souzouhou.com/2026/06/16/social-psychology-14-social-capital-8/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十四回(7)】中根千枝の｢タテ社会の人間関係｣とパットナムの社会関係資本</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/15/social-psychology-14-social-capital-7/</link>
					<comments>https://souzouhou.com/2026/06/15/social-psychology-14-social-capital-7/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 15 Jun 2026 02:57:31 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ロバート･パットナム]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5767</guid>

					<description><![CDATA[中根千枝のタテ社会論とパットナムの社会関係資本から日本を考察。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/WSdAkXevCNA?si=9goAwnEx2iFSSHyf" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">[4-7]タテ社会の日本における社会関係資本</span></h2>
<h3><span id="toc4">中根千枝さんにおける｢タテ社会｣とはなにか､意味､定義､わかりやすく解説</span></h3>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/6dfa7bc988f75c194ebd5ca61ad42bb9.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter  wp-image-5769" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/6dfa7bc988f75c194ebd5ca61ad42bb9.png" alt="" width="168" height="297" /></a></p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong><b>タテ社会</b>(英:vertical society)</strong></span>：</big>１ワード社会心理学第十四回目の六分割目の記事です｡</p>
</div>
<p>社会人類学者の中根千枝さんによる概念｡代表作は『タテ社会の人間関係』(1967)である｡</p>
<p>たとえば日本では集団内部において先輩/後輩などの年齢による序列(先に入ったかどうかで年齢が下でも先輩になりうる)､内と外の区別､所属集団への忠誠などが重視されているという｡縦社会的な構造は家族､学校､会社など､多くの集団で見られるという｡</p>
<p>他の国でも軍隊や企業などにおいて上下関係は存在する｡しかしそうした社会では主に｢<b>機能</b>(役割･能力)｣が組織運営の原理として重視され､｢<b>関係</b>(所属･序列)｣はそれに従属する傾向がある｡これに対して日本社会では､｢機能｣も考慮されるが､｢関係｣がより前面に出やすいという点で重心の違いがあるといえる｡</p>
<p>より簡単にいえば､日本では｢何をいうか､どのような能力をもっているか｣ではなく､｢<b>どこに所属しているか､何歳か(どれくらい所属していたか)</b>｣が重要になるというわけだ｡</p>
<p>たとえば｢有能な新人｣よりも｢無能な内部の年長者｣のほうが会社で高い位置につくということが昔の日本ではありえた(年功序列､終身雇用形態｡在籍年数で昇進するかが決まる)｡現代では成果主義や中途作用､専門職化が進んでおり､重心はスライドしつつあるといえる｡</p>
<p>中根さんは自分の著作は｢<i>日本社会はどうあるべきか､どのように進むべきか､などという問題を扱うものではない</i>｣と述べ､タテ社会が良いか悪いかといった価値判断には踏み込んでいない｡</p>
<p>一方で､場(所属)を基軸とする構造は､組織の動員力や安定性を高める側面を持つと考えられている｡たとえば､地位が短期的に能力によって大きく左右されにくいことは､個人に長期的な役割遂行や能力形成を促す条件となりうる｡当時(1950~1960年代)は大量生産･大量消費の時代であり､個人の突出した能力よりも組織への適応､強調､継続性のほうが有効だったのだろう｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,299p</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)</p>
<p>松村茂樹 ｢日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み｣(2022),62-63p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc5">パットナムの社会関係資本の理論による｢タテ社会｣の位置づけ</span></h3>
<p>タテ社会におけるネットワークはパットナムの議論でいえば､｢<b>垂直的なネットワーク</b>｣に分類される｡そしてタテ社会の人間関係における資本は外と内を強く分離する閉鎖的なものであり､｢<b>紐帯型社会関係資本</b>｣に分類される｡</p>
<p>パットナムは垂直よりも水平を､紐帯型よりも架橋型を重視していた｡上下関係に厳しく､自由な意見を出し合いにくいような｢場｣では相互不信､非互酬性､相互不寛容などが生じやすいというわけだ｡内ばかりの利益を求めると､外に対して過剰に排除意識が生じることも問題だとされていた｡</p>
<p>しかし日本のタテ社会において良好な結果をもたらしている側面があるとすれば､パットナムの理論と食い違いが生じていくということになる(もちろん１か０かではなく､現実にはグラデーションがあるのだが)｡</p>
<h3><span id="toc6">池田謙一さんとリッチーによる日本社会の分析</span></h3>
<p>たとえば池田謙一さんとリッチー(Sean E. Richey)による2005年の研究では､｢<b>水平的ネットワークが社会にとって健全であるという命題は文化によらず普遍的にいえるのか</b>｣という趣旨の疑問をもとに行われたという｡</p>
<p>別の言い方をすれば､社会関係資本の機能において､特定の文化的価値はどのような影響をもたらすのかということになる｡</p>
<p>池田さんたちの研究の結論は､タテ関係を含むソーシャルネットワークでも政治参加にはマイナスにならなかったという｡つまり､上下関係や内と外の区別などの文化においても<b>信頼や協力を適切に生む場合がある</b>ということになる(単なる上下関係ではなく､儒教的な性質を帯びているという点がポイントである)｡どのようなネットワークが適切かは､それぞれの文化において変動するということであり､普遍的な言明は難しいといえる｡</p>
<p>場(いわば<b>社会構造</b>)はさまざまな｢<b>範囲</b>｣で考えることができる｡グローバルな範囲で考えるのか､日本というローカルな範囲で考えるのか､特定の会社なのか､家族なのかなどで適切なネットワークの形態と文化のあり方が変化するといえる｡｢日本の文化｣といったように大文字で語ることができるほど文化は単純ではない｡</p>
<p>モノの大量生産が基軸だった高度経済成長期では有効に機能したタテ社会の人間関係も､サービスが基軸の場では有効に機能しない可能性がある｡経済での態度のあり方が家庭での態度のあり方の相互関係を考えると､能力主義的､水平的な側面が家庭でも浸透していくことがありうる(ハーバーマスの合理化概念と関連してくる)｡</p>
<p>たとえばブレインストーミングという創造技法では｢批判をしない｣､｢上下関係を一旦忘れる｣といった方法が有効であるといわれている｡個性的なアイデアが重要な社会では単に上からの指示に従うこと以上の積極性､自発性､そして年齢だけではなく能力や成果が求められる時代になっていくといえる｡</p>
<p>さらにAI時代に突入すれば､そうした能力や成果とは別のものが必要になっていく｡計算能力や運動能力ではなく､かといって前近代的な同調能力でもなく､新しい変化を柔軟に捉えていく｢<b>創造的な姿勢</b>｣が重視される時代になっていくと私は考える｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,299p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc7">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc8">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc9">ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3NYuYKY"> ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</a></p>
<h3><span id="toc10">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc11">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc12">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
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<h4><span id="toc13">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3FeJ8Do">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc14">参考論文</span></h3>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003][<a href="https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/16-1_sato.pdf">URL</a>]</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/94/0/94_65/_pdf">URL</a>]</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)[<a href="https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_61/all.pdf#page=269">URL</a>]</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/1/27_1_9/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)[<a href="https://jin-ai.repo.nii.ac.jp/record/1051/files/vol.39_p61-67.pdf">URL</a>]</p>
<p>松村茂樹 ｢日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み｣(2022)[<a href="https://otsuma.repo.nii.ac.jp/record/7235/files/CC20061.pdf">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://souzouhou.com/2026/06/15/social-psychology-14-social-capital-7/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十四回(6)】パットナムの社会関係資本論への批判</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/13/social-psychology-14-social-capital-6/</link>
					<comments>https://souzouhou.com/2026/06/13/social-psychology-14-social-capital-6/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 13 Jun 2026 10:42:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ロバート･パットナム]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5763</guid>

					<description><![CDATA[パットナムの社会関係資本を社会学の批判的視点から整理。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/WSdAkXevCNA?si=9goAwnEx2iFSSHyf" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">パットナムの社会関係資本の理論に対する批判</span></h2>
<h3><span id="toc4">アスレイナーによるパットナムへの批判(一般的信頼と特定化信頼の混同)</span></h3>
<p>政治学者のエリック･アスレイナーは｢<b>経済的不平等</b>｣に着目している｡経済的不平等は信頼を壊し､腐敗を生み､さらに不平等を拡大させるという｢悪循環｣が生じるという｡こうした悪循環をアスレイナーは｢<b>不平等の罠</b>｣と表現する｡</p>
<p>経済的不平等があると､人々は特定の仲間だけを信頼するようになり､少数派や外部のコミュニティなどを含む社会全体への一般的信頼が低下するという点がポイントになる｡経済が不安定の時こそ､外国人への許容度も小さくなりがちなのだろう｡</p>
<p>アスレイナーはパットナムが一般的信頼と特定化信頼を混同しており､一般的信頼がちょっとしたボランティア活動等で培われるといった主張を否定している｡一般的信頼は主に幼少期に親たちから受け継ぐものの影響が強いというのがアスレイナーの主張である｡</p>
<p>経済的不平等が大きい社会では親は世の中は信頼できないという態度をとり､それが子どもに伝わり､さらに子どもは一般的他者を信頼せず､身内だけの効用を考えるようになり､経済的不平等が高まるというイメージになる｡</p>
<p>地域の交流やボランティアへの参加だけでは一般的信頼を醸成することが難しく､経済的不平等そのものを是正することが現実的には優先されるというわけだ｡法の整備や教育の整備といった長期的な格差是正が重要になるのだろう｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019),271-272p</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019),282p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc5">リンによる｢数量分析の対象｣に関するパットナムへの批判</span></h3>
<p>社会学者の佐藤誠さんはパットナムへの批判を｢数量分析の対象に関する批判｣､｢宿命論的であるという批判｣､｢否定的な側面への軽視という批判｣､｢グローバリゼーションが考慮されていないという批判｣､｢具体的な打開策が考慮されていない批判｣などに整理している｡</p>
<p>社会学者のナン･リンは｢特定の組織の構成員数の変化｣ではなく､｢<b>ボランティア活動に人々が割り当てた総時間数</b>｣で測定すべきであったと批判している｡</p>
<p>たとえば単発的なボランティアへの参加､署名運動への参加､クラウドファンディングへの支援などは継続的な団体加入を伴わない｡しかしそういう形態の社会参加を考慮せず､特定の組織の､たとえばボウリングの団体の人数などの変化を追って｢社会関係資本が弱まっている｣と判断するならば短絡的だということになる｡</p>
<p>パットナムはアメリカの市民性が低下した原因として世代変化が50％､メディアが25％､仕事が10%､郊外化が10％といった詳細な数値で原因の割合を挙げているが､その根拠が不明瞭だという批判がある｡</p>
<p>佐藤さんは､｢矛盾に満ちた人間の心理や社会的行為が､あらゆる仔細な点にわたって数量的厳密さで説明されると考える無邪気さ｣と表現している｡過度な数量化への批判というわけだ｡非実体的なものを実体的なものへ､つまり可視化のかたちとして数量化する傾向はコールマンの系譜でもある｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],6-7-8p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc6">ポルテスによる｢循環論｣であるという批判</span></h3>
<p>社会学者のアレハンドロ･ポルテスは､パットナムのイタリア分析について､歴史に原因を求めすぎることで｢<b>循環論</b>(トートロジー)｣に陥る危険があると批判している(Portes,Alejandro,1998)｡</p>
<p>たとえば､現在の北イタリアで市民性が高いのは､歴史が市民的に形成されてきたからだと説明する場合､｢市民的に形成されてきた｣という表現自体が､すでに市民性が高い状態を意味している｡そのため､結局｢市民性が高いのは､市民性が高かったからである｣という同語反復になり､市民性が高い理由の説明にはなっていない｡したがって､経済構造､政治制度､支配関係､教育水準など､市民性を生み出す具体的な要因の分析が必要となるというわけだ｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],8p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc7">佐藤誠さんによる｢精神主義的｣であるという批判</span></h3>
<p>佐藤さんによると､パットナムは<b>社会の改善のための現実的な手段を説明していない</b>という｡</p>
<p>パットナムは社会関係資本が衰弱化してきたアメリカ社会への処方箋として｢通勤時間を減らして近隣との結びつきを強めよう｣とか､｢テレビの前で過ごす受け身の時間を減らそう｣といった精神主義的スローガンが多いというわけだ｡アスレイナーの指摘するような経済的不平等に対する視点や､あるいはブルデュー的な階級の文化資本の再生産といった構造的な視点が重要になってくるのかもしれない｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],10p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc8">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc9">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc10">ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3NYuYKY"> ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</a></p>
<h3><span id="toc11">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc12">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc13">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3Ia6J9u"> デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</a></p>
<h4><span id="toc14">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3FeJ8Do">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc15">参考論文</span></h3>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003][<a href="https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/16-1_sato.pdf">URL</a>]</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/94/0/94_65/_pdf">URL</a>]</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)[<a href="https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_61/all.pdf#page=269">URL</a>]</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/1/27_1_9/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)[<a href="https://jin-ai.repo.nii.ac.jp/record/1051/files/vol.39_p61-67.pdf">URL</a>]</p>
<p>松村茂樹 ｢日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み｣(2022)[<a href="https://otsuma.repo.nii.ac.jp/record/7235/files/CC20061.pdf">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://souzouhou.com/2026/06/13/social-psychology-14-social-capital-6/feed/</wfw:commentRss>
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			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十四回(5)】パットナムにおける｢民主主義の徳｣</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/12/social-psychology-14-social-capital-5/</link>
					<comments>https://souzouhou.com/2026/06/12/social-psychology-14-social-capital-5/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 12 Jun 2026 10:38:34 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ロバート･パットナム]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5755</guid>

					<description><![CDATA[パットナムとトクヴィルの思想から学ぶ社会関係資本と心の習慣。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/WSdAkXevCNA?si=9goAwnEx2iFSSHyf" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">民主主義の｢徳｣としての社会関係資本</span></h2>
<h3><span id="toc4">パットナムにおける｢民主主義における徳｣とは</span></h3>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/5fe4349455770065006c06054447c5e4.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter  wp-image-5758" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/5fe4349455770065006c06054447c5e4.png" alt="" width="169" height="191" /></a></p>
<p>社会関係資本は上手く行けば他者一般への信頼や寛容さが芽生え､社会参加や政治参加を促し､社会システムへの信頼が増大するといった民主主義にとっての｢<b>徳</b>｣をもたらすとパットナムはいう｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,298p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc5">トクヴィルにおける民主主義的価値とは</span></h3>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/0d100f8c4cf4f1e6c7edb0b9504ecaa1.jpg"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter  wp-image-5759" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/0d100f8c4cf4f1e6c7edb0b9504ecaa1.jpg" alt="" width="153" height="253" /></a></p>
<p>パットナムの民主主義的価値の重視は､フランスの政治思想家であるトクヴィルの｢<b>自発的結社</b>(アソシエーション)｣を重視する考え方に遡ることができる｡</p>
<p>トクヴィルはアメリカ社会を観察し､人々が自発的に団体をつくること､その中で協力や公共精神が育つこと､それが民主主義を安定させると指摘している｡</p>
<p>トクヴィルの言葉を引用する｡</p>
<p>｢<i>貴族的社会では､人々が全体として強力に留置され固められているために､活動するために団結する必要を感じていない｡……これに反して､民主的民族では､すべての市民はひとりひとり独立しており､そして一人では弱いのである｡彼らはひとりびとりとしては､ほとんど無力なのである｡</i>｣</p>
<p>｢<i>そしてそれらの市民たちのうちの誰一人として､自分たちの同類者たちを､自分自身に協力させるように強いることはできないであろう｡それ故にそこでは､すべての市民は自由に助けあうことを学ばなければ､すべて無力に陥ってしまうのである｡</i>｣</p>
<p>(トクヴィル『アメリカの民主政治』下)</p>
<p>パットナムがハニファンの発言を引用しているが､この引用文はトクヴィルの文章と重なるところが多い｡</p>
<p>｢『<i>人々の日々の生活において最も重要な実体物とは､すなわち善意､友情､共感､そして社会的単位を構成する人間間､家族間の社会的交流といったものである……個人がひとり取り残されていれば､社会的には弱く頼りないものである｡</i>』｣</p>
<p>｢『<i>……しかし彼が近隣との交流を行い､そしてその近隣が他の近隣と交流することにより､そこには社会関係資本の蓄積が産まれ､それは直ちに彼の社会的必要を満たし､またコミュニティ全体の生活条件を改善するために十分な社会的力を有するものになるだろう｡コミュニティは全体として､その部分全ての協力によって恩恵を受け､また同時に個々人も､その属する組織の中に､隣人たちの援助や共感､そして友情という利益を見出すことになる</i>』｣</p>
<p>(パットナム『孤独なボウリング』)</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),81p</p>
<p>｢社会学｣､有斐閣､第十一刷,120p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc6">パットナムにおける｢啓蒙された自己利益｣とは</span></h3>
<p>パットナムは単純な｢利他主義｣を推奨しているわけではない｡パットナムが重視する利益は｢<b>啓蒙された自己利益</b>｣であり､｢<b>他者の利害に敏感な自己利益</b>｣だという｡</p>
<p>高野良一さんはパットナムの立場を｢<b>利他主義的利己主義</b>｣であると表現している｡他者や社会の利益を考えることが結果的に自分の利益にもなるという考え方である｡</p>
<p>ようするに､利他主義的利己主義の｢<b>エートス</b>(行為態度､心の習慣)｣を身につけることが重要だと考えられているというわけだ｡</p>
<p>社会の習慣が個人の態度を形作り､個人の態度も社会の習慣に影響を与えるという相互関係が重要になる｡こうした相互関係は社会心理学の用語で言えば｢<b>マイクロ=マクロ問題</b>｣と呼ばれている｡1人ひとりの行動がコミュニティを動かしたり､社会全体を変えていく力をもつのである｡そしてこの力は｢<b>参加</b>｣が必要であり､この参加をいかにして促すのか､強制か自発か､垂直か水平かといった構造の問題が関わってくる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),81-86p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc7">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc8">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc9">ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3NYuYKY"> ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</a></p>
<h3><span id="toc10">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc11">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
<h4><span id="toc12">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3Ia6J9u"> デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</a></p>
<h4><span id="toc13">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3FeJ8Do">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</a></p>
<h3><span id="toc14">参考論文</span></h3>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003][<a href="https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/16-1_sato.pdf">URL</a>]</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/94/0/94_65/_pdf">URL</a>]</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)[<a href="https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_61/all.pdf#page=269">URL</a>]</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/1/27_1_9/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)[<a href="https://jin-ai.repo.nii.ac.jp/record/1051/files/vol.39_p61-67.pdf">URL</a>]</p>
<p>松村茂樹 ｢日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み｣(2022)[<a href="https://otsuma.repo.nii.ac.jp/record/7235/files/CC20061.pdf">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十四回(4)】パットナムの社会関係資本</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/11/social-psychology-14-social-capital-4/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 11 Jun 2026 09:24:02 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ロバート･パットナム]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5736</guid>

					<description><![CDATA[パットナムの社会関係資本と、3つの構成要素を網羅。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/WSdAkXevCNA?si=9goAwnEx2iFSSHyf" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">(4) パットナムにおける社会関係資本</span></h2>
<h3><span id="toc4">[4-1]『哲学する民主主義』､『孤独なボウリング』</span></h3>
<h4><span id="toc5">パットナムにおける社会関係資本とはなにか､意味､定義､わかりやすく解説</span></h4>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>(パットナムにおける)<b>社会関係資本</b>(英:social capital)</strong></span>：</big>信頼･規範･ネットワークといった､人々の協力を促し社会の効率を高める社会的仕組みのこと｡</p>
</div>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/44ea8f90970d30101d88a6a36f4d9e05.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5741" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/44ea8f90970d30101d88a6a36f4d9e05.png" alt="" width="292" height="549" /></a></p>
<p>パットナムはアメリカの政治学者であり､代表作は『哲学する民主主義』(1993)や『孤独なボウリング』(2000)である｡</p>
<p>社会関係資本研究といえば現代ではパットナムの名前が第一に出てくるほどこの分野で著名な人物である｡</p>
<h4><span id="toc6">パットナムの『哲学する民主主義』(1993)の内容</span></h4>
<p>『哲学する民主主義』(1993)ではイタリアの南北の地域を比較し､社会関係資本の違いが民主主義の発展度に変化をもたらしていることを実証しようとした｡重要なのは､<b>経済的発展度だけで民主主義の発展度は説明できない</b>という点である｡</p>
<p>民主主義の発展度は｢<b>市民性の度合い</b>｣で測られている｡市民性の度合いはアソシエーンション数(自発的団体の多さ)､新聞購読率(公共問題への関心)､国民投票率(政治参加の積極性)､優先投票利用率(派閥的関係の強さ｡高いほど市民性が低い)などで測られている｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,298p</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],4-5p</p>
</blockquote>
<h4><span id="toc7">パットナムの『孤独なボウリング』(2000)の内容</span></h4>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/41675fa82c04f300dc3ec76b094ae45d.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter  wp-image-5742" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/41675fa82c04f300dc3ec76b094ae45d.png" alt="" width="245" height="250" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/41675fa82c04f300dc3ec76b094ae45d.png 341w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/41675fa82c04f300dc3ec76b094ae45d-60x60.png 60w" sizes="(max-width: 245px) 100vw, 245px" /></a></p>
<p>『孤独なボウリング』(2000)ではアメリカにおいて社会的な活動への参加の低下がさまざまなアメリカの社会問題につながっていることが示されている｡</p>
<p>かつては集団でボウリングをしていたが､今では1人でボウリングをする人が増えているという趣旨をイメージすればよりわかりやすい｡</p>
<p>ここで重要なのは､『哲学する民主主義』(1993)におけるイタリアの分析結果である｢社会関係資本と民主主義の関係性｣はイタリア固有の現象ではなく､アメリカにも当てはまる<b>普遍的な現象</b>であることを示そうとしたという点である｡</p>
<p>政治の安定や経済の発展にとって､<b>物的資本や人的資本だけではなく､社会関係資本が重要な要因である</b>ことを示そうとしたのである｡</p>
<p>北アメリカは主にイギリス由来の議会制などを受け継いだのに対し､ラテンアメリカは主にスペイン由来の権威主義的･家族主義的な統治の影響を受けた傾向があり､これが民主主義の発展度の差を生んだとパットナムは説明している｡</p>
<p>市民性が高いほうが経済も政治も発展しやすいという点がポイントである｡社会問題は権威主義的な強制ではなく､自発的な協力によって解決するべきだとパットナムはいう｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,300p</p>
<p>｢社会学｣､有斐閣､第十一刷,119p</p>
<p>｢社会学｣､有斐閣､第十一刷,121p</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],4-5-6p</p>
</blockquote>
<h4><span id="toc8">アメリカの社会関係資本が衰退した４つの理由</span></h4>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/37f64614444d87e5041962eae71222c6.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5743" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/37f64614444d87e5041962eae71222c6.png" alt="" width="353" height="145" /></a></p>
<p>アメリカの社会関係資本が衰退した理由として､パットナムは以下の4つの原因を挙げている｡</p>
<p>【1】世代変化 </p>
<p>生まれた時代によって市民参加の度合いが異なる｡</p>
<p>【2】電子メディアの影響  </p>
<p>テレビなどにより娯楽が個人化し､人との交流が減少｡</p>
<p>【3】仕事の変化</p>
<p>共働きなどで時間や余裕がなくなり地域活動に参加しなくなる｡</p>
<p>【4】郊外化 </p>
<p>通勤時間の増加により､地域との関わりが弱まる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],6-7p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc9">[4-2]パットナムにおける｢信頼･規範･ネットワーク｣</span></h3>
<p>パットナムにとって社会関係資本の構成要素は｢信頼･規範･ネットワーク｣の３つであった｡それぞれの中身とその関係を見ていく｡</p>
<h4><span id="toc10">パットナムにおける｢信頼｣とは</span></h4>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong><b>信頼</b>(英:trust)</strong></span>：</big>他人が誠実に行動し､協力してくれると見込む期待のこと｡</p>
</div>
<p>なお､エリック･アスレイナー(2008)は信頼は｢<b>一般的信頼</b>｣と｢<b>特定化信頼</b>｣に下位分類されると理論的に整理している｡パットナムの場合は後に扱うように架橋型と紐帯型で実質的に区分されている｡</p>
<p>一般的信頼とは見知らぬ他者への信頼であり､特定化信頼とは家族･友人などへの信頼のことである｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019),282p</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),74-75p</p>
</blockquote>
<h4><span id="toc11">パットナムにおける｢互酬性の規範｣とは</span></h4>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong><b>互酬性の規範</b>(英:norm of reciprocity)</strong></span>：</big>互いに助け合う行為を社会的に期待するルールのこと｡</p>
</div>
<p>将来の見返り､見返りまでの時間(時間的に短い/長い)､相手の属性(特定/不特定)､コスト､自発性､規範性などが関わっている｡</p>
<p>パットナムは信頼の実質的な区分と同じように､互酬性も｢<b>特定的互酬性</b>｣と｢<b>一般的互酬性</b>｣として実質的に区分していると考えることができる｡</p>
<p>特定的互酬性は特定の相手との間で､比較的短時間に､ほぼ等価の見返りが返ってくることを前提としたルールを意味する｡たとえば｢友人にお金を貸し､後で返してもらう｣､｢誕生日プレゼントを送り合う｣､｢同僚の残業を手伝い､手伝い返してもらう｣といったケースが考えられる｡</p>
<p>一般的互酬性は相手や返済時期を特定せず､将来どこかで返ってくると期待して､今は見返りを求めずに他者にコストを払うことを前提としたルールのことである｡</p>
<p>たとえば｢道に迷っている人を案内する｣､｢災害時にボランティアに参加する｣､｢見知らぬ人のために寄付する｣といったケースが考えられる｡もちろん､両者の境界にはグラデーションがありうる｡たとえばボランティアが成績の内申点を上げるためという具体的な見返りを想定している場合がある｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],4-5-6p</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),80-81p</p>
<p>香月孝志,｢社会学用語図鑑｣,プレジデント社,第一刷,249p</p>
</blockquote>
<p><a href="https://souzouhou.com/2025/12/17/one-word-sociology-gift-exchange-theory/">【１ワード社会学第十回】モースの｢贈与論｣とはなにか</a></p>
<h4><span id="toc12">パットナムにおける｢ネットワーク｣とは</span></h4>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong><b>ネットワーク</b>(英:network)</strong></span>：</big>個人や集団のあいだに形成される社会的なつながり(関係)の構造のこと｡</p>
</div>
<p>ネットワークも特定的ネットワークと一般的ネットワークに区別できるかもしれない(パットナムがそのような用語で区別しているわけではない)｡特定的ネットワークは継続性や組織性が高く､一般的ネットワークは匿名性が高いといえる｡</p>
<p>たとえば道で迷っている人と私との間に継続的な関係は存在しないが､しかしつながりがまったくないわけではなく､視線が合っただけで何らかの意味でつながりが生じうる(社会学者のルーマンでいえば､その場で社会システムがパッと生じる)｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,298p</p>
</blockquote>
<p><a href="https://souzouhou.com/2024/09/05/niklas-luhmann-1-1/">応用社会学第一回:「社会システム理論は楽しい」(前編)</a></p>
<h4><span id="toc13">水平的なネットワークと垂直的なネットワークの違い</span></h4>
<p>ネットワークは水平的なものと垂直的なものに区分されている｡水平的ネットワークは対等な立場同士のつながりであり､垂直的ネットワークは上下関係にもとづくつながりのことである｡</p>
<p>パットナムはイタリアやアメリカの実証分析を行い､<b>水平的なネットワークが市民性を高め､民主主義を発展させ､社会的問題を解消する</b>と評価している｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/9642685bb9694b19263a09e985628672.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter  wp-image-5744" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/9642685bb9694b19263a09e985628672.png" alt="" width="205" height="251" /></a></p>
<p>社会学者のハーバーマスでいえば､討議の土壌として､戦略的行為よりもコミュニケーション的行為が優先されるような社会が望ましいということになるのだろう｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,298p</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,300p</p>
</blockquote>
<p><a href="https://souzouhou.com/2026/03/17/habermas-1-theory-of-communicative-action/">【１ワード社会学第十三回(1)】ハーバーマスにおける｢コミュニケーション行為理論｣</a></p>
<h4><span id="toc14">信頼､互酬性､ネットワークのそれぞれの相互補完関係</span></h4>
<p>コールマンやブルデューの箇所で確認したように､ネットワークそれ単体では資本とはみなせない｡ネットワークが資本となるためには信頼や互酬性という要素が必要になる｡</p>
<p>｢<b>信頼性や互酬性を創発的に帯びたネットワーク</b>｣こそが社会関係資本だといえるだろう｡</p>
<p>政治学者の坂本治也さんは､パットナムにおける信頼､互酬性､ネットワークのそれぞれの相互補完関係を｢<b>三位一体</b>｣と名付けている｡3つは別々の要素だが切り離せない関係にあり､一緒になってはじめて力をもつ｡</p>
<p>ネットワークへ参加するからこそ信頼や互酬性の規範が生まれ､互酬性の規範があるからこそネットワークや信頼が強化されるといった関係である｡</p>
<p>ただし､坂本さんはこうした相互補完関係の均衡をパットナムが実証しているわけではないという｡</p>
<p>それぞれの各構成要素はそれぞれの動き方をする可能性があるということになる｡たとえばネットワークが多いからといって信頼が高いとは限らず､現実にはズレや不均衡が生じる可能性がありうる｡どういった状況で適切な均衡が生まれるかは､ブルデューでいえば｢界｣次第､より抽象的にいえば社会的な文脈次第ということになるのだろう｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),80-81p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc15">[4-3]紐帯型(結束型)社会関係資本/架橋(橋渡し)型社会関係資本</span></h3>
<p>パットナムの初期の著作では社会関係資本の肯定的側面ばかりが強調されていたが､否定的側面も挙げられるようになった｡たとえば『孤独なボウリング』(2000)では社会関係資本が紐帯型と架橋型に区分され､紐帯型の排他的側面が説明されている｡</p>
<h4><span id="toc16">パットナムの｢紐帯型(結束型)社会関係資本｣とはなにか､意味､定義､わかりやすく解説</span></h4>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong><b>紐帯型社会関係資本</b>(英:bonding social capital)</strong></span>：</big>同一集団内の効用のみを高める社会関係資本のこと｡※結束型社会関係資本､ボンディングソーシャルキャピタルなどともいう｡</p>
</div>
<p>たとえば家族､友人､特定の政治団体､特定の宗教団体を支持する人同士などの人間関係を意味する｡パットナムの例ではエスニシティ(民族性)に基づく友愛組織､教会の組織する女性の読書サークル､社交クラブなどが挙げられている｡たとえばKKKのような人種差別団体もこの例として挙げられる｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>香月孝志,｢社会学用語図鑑｣,プレジデント社,第一刷,248p</p>
<p>｢社会学｣､有斐閣､第十一刷,232p</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],8-9p</p>
</blockquote>
<h4><span id="toc17">パットナムの｢架橋(橋渡し)型社会関係資本｣とはなにか､意味､定義､わかりやすく解説</span></h4>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>架橋型社会関係資本(英:bridging social capital)</strong></span>：</big>異なる集団間で効用を高めようとする社会関係資本のこと｡※橋渡し型社会関係資本､ブリッジングソーシャルキャピタルなどともいう｡</p>
</div>
<p>たとえば大学において他学部との共同プロジェクトを行ったり､ボランティア活動で多様な人々と関わったりするようなケース｡パットナムの例では市民権運動､青年グループ､宗教間宗教組織などが挙げられている｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>香月孝志,｢社会学用語図鑑｣,プレジデント社,第一刷,248p<br />
｢社会学｣､有斐閣､第十一刷,232p</p>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003],8-9p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc18">リチャード･フロリダにおける創造性､寛容性､多様性</span></h3>
<p>社会におけるネットワークは少数派と多数派に区別することができる｡たとえば大きく分類すれば｢日本人のコミュニティ｣は日本において多数派であり､｢日本人以外の外国人のコミュニティ｣は日本社会において少数派である｡</p>
<p>それぞれのコミュニティがもし自分たちの内部の効用のみを高めようとする場合は｢<b>紐帯型社会関係資本</b>｣を有するコミュニティだということになる｡</p>
<p>多数派がもし紐帯型だった場合､集団内部の信頼､統合､連帯､互酬性といった要素は高まる｡しかし少数派の他のコミュニティを排除しようとする傾向も高まる危険性がある｡</p>
<p>日本でも外国人排斥運動を行うコミュニティが存在する｡政治でも｢日本人ファースト｣という言葉がキャッチフレーズとして特定の政党によって使われ､議論の対象になっていた(2025年の参院選)｡多数派の生活機会の改善が最優先であり､場合によっては過激な形をとる場合もある(たとえば特定の人種に対するヘイトスピーチを行う団体など)｡</p>
<p>少数派がもし紐帯型だった場合も集団内部の信頼､統合､連帯､互酬性といった要素は高まる｡自分たちの文化や､自分たちのネットワークを有効活用し､結束を高めようとする｡</p>
<p>しかし多数派からすればそのような活動が地域全体の社会的統合を弱体化させるものだとみなされることがある｡法に反した活動､あるいは法には反しないが文化的に理解しがたい活動の形をとる場合もあるからだろう｡たとえば特定の性別を軽視したり､深夜に集まって騒ぐといった行為が特定の文化的価値観に基づいていたとしても､他の文化的価値観をもっている人には｢ひび割れ｣として感じられることがある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/a4407fd85ea7a3d3b635a77b921b1255.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5745" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/a4407fd85ea7a3d3b635a77b921b1255.png" alt="" width="300" height="284" /></a></p>
<p>外国人だけではなく､カルト的に見える宗教的集団の団結も､多数派からすれば脅威だと見なされる場合があるといえる｡</p>
<p>学校での不良グループ､会社内での少数派など､あらゆる単位に少数派を見出すことができるかもしれない｡</p>
<p>アメリカの社会学者であるリチャード･フロリダは多数派が少数派の生活条件改善に寄与する｢<b>寛容性</b>｣を確保することは､社会全体の｢<b>創造性</b>｣を高めることに貢献すると主張している｡また､多数派自身の利益にもつながりうるという｡</p>
<p>少数派が多数派の生活条件改善に寄与する｢<b>文化的多様性</b>｣を確保することも同様だという｡</p>
<p>それぞれの共同体が自分たちの内部だけに指向するのではなく､外部のコミュニティにも指向することで社会的にポジティブな効果､たとえばコミュニティ同士の衝突(コンフリクト)の回避や創造性の向上につながるというわけだ｡</p>
<p>異なるコミュニティとの接触はアイデアの資源の宝庫となりうるのであり､社会的危機に柔軟に対応するための資源(リソース)として重要になってくるといえる｡</p>
<p>とはいえ自分や自分の所属集団を優先する人たちからすれば､｢現実を見ずに理想ばかりいうリベラル､左派｣､｢ポリコレにうるさい人たち｣と見なされがちである｡逆に彼らからすれば｢自分たちのことしか考えていない右派｣ということになるのだろう｡※ポリコレとはポリティカル･コレクトネスの略であり､差別的な表現をなくそうとする試みを一般に意味する</p>
<p>理想と現実にどのように折り合いをつけるのか､その理論と実践を妥当な根拠に基づいて提示できるか､議論しあえるかがポイントになるのだろう｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/f69f1c252343ce54a4f559679fdf3403.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5746" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/f69f1c252343ce54a4f559679fdf3403.png" alt="" width="844" height="537" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/f69f1c252343ce54a4f559679fdf3403.png 844w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/f69f1c252343ce54a4f559679fdf3403-800x509.png 800w" sizes="(max-width: 844px) 100vw, 844px" /></a></p>
<p>少数派と多数派の関係を図にするとこのようになるという｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>｢社会学｣､有斐閣､第十一刷,232p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc19">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc20">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc21">ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3NYuYKY"> ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</a></p>
<h3><span id="toc22">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc23">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/44IVnls">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</a></p>
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<h3><span id="toc26">参考論文</span></h3>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003][<a href="https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/16-1_sato.pdf">URL</a>]</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/94/0/94_65/_pdf">URL</a>]</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)[<a href="https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_61/all.pdf#page=269">URL</a>]</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/1/27_1_9/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)[<a href="https://jin-ai.repo.nii.ac.jp/record/1051/files/vol.39_p61-67.pdf">URL</a>]</p>
<p>松村茂樹 ｢日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み｣(2022)[<a href="https://otsuma.repo.nii.ac.jp/record/7235/files/CC20061.pdf">URL</a>]</p>
]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>【１ワード社会心理学第十四回(3)】ブルデューの社会関係資本</title>
		<link>https://souzouhou.com/2026/06/10/social-psychology-14-social-capital-3/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[蒼村]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 10 Jun 2026 08:46:14 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ピエール・ブルデュー]]></category>
		<category><![CDATA[社会心理学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://souzouhou.com/?p=5723</guid>

					<description><![CDATA[ブルデューの社会関係資本とは？文化資本やハビトゥスとの違い。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2><span id="toc1">動画での説明</span></h2>
<div class="video-container"><iframe class="fastyt" width="300" height="169" data-src="///www.youtube.com/embed/WSdAkXevCNA?si=9goAwnEx2iFSSHyf" data-alt="動画の説明" data-mce-fragment="1"><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span><span data-mce-type="bookmark" class="mce_SELRES_start">﻿</span></iframe></div>
<p>よろしければサイト維持のためにチャンネル登録をよろしくお願いしますm(_ _)mモチベになっていますm(_ _)m</p>
<h2><span id="toc2">はじめに</span></h2>
<p><b>社会心理学</b>とは､人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である｡</p>
<p>この動画シリーズは下の図に示すように､創造発見学に位置づけられている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4885" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/11f6042c6ccf53710357e2f70db0ba60.png" alt="" width="572" height="454" /></a></p>
<p>この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている｡要するに､<b>アイデアをひらめくための情報を学ぼう</b>というわけである｡ビジネス､友人関係､学業､さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい｡</p>
<p>できるだけ<b>１ワード</b>に説明する対象を絞っていく｡※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-4976" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png" alt="" width="835" height="475" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135.png 835w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2025/07/85c7c902569fc837b357f0c5589db135-800x455.png 800w" sizes="(max-width: 835px) 100vw, 835px" /></a></p>
<p>基本的な説明プロセスは､上の図の通りである｡</p>
<h2><span id="toc3">(3) 社会関係資本とは</span></h2>
<h3><span id="toc4">ブルデューにおける社会関係資本とはなにか､意味､定義､わかりやすく解説</span></h3>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/7c560545c138bf9dc67c06c25c6672e2-1.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter  wp-image-5727" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/7c560545c138bf9dc67c06c25c6672e2-1.png" alt="" width="184" height="243" /></a></p>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><span style="background-color: #ffff99;"><strong>(ブルデューにおける)<b>社会関係資本</b>(social capital)</strong></span>：</big>｢人とのつながり｣を意味し､文化資本と相互に支え合い､ともに象徴資本を形成するものだとされている｡</p>
</div>
<h3><span id="toc5">ブルデューにおける｢経済資本｣､｢文化資本｣､｢社会関係資本｣､｢象徴資本｣の違いとは､解説</span></h3>
<h4><span id="toc6">ブルデューの｢経済資本｣とは</span></h4>
<p>ブルデューは資本を<b>経済資本</b>､<b>文化資本</b>､<b>社会関係資本</b>､<b>象徴資本</b>の4つに分類している｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/7f59516c0cc2edc9ad2e82b4b0fad648.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5729" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/7f59516c0cc2edc9ad2e82b4b0fad648.png" alt="" width="332" height="235" /></a></p>
<p>経済資本は収入･資産･土地､所有物など､市場で交換可能であり､直接的に経済的利益を生む資源を意味する｡</p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),76p</p>
</blockquote>
<h4><span id="toc7">ブルデューの｢文化資本｣とは</span></h4>
<div class="box26"><span class="box-title">POINT</span></p>
<p><big><strong><span style="background-color: #ffff99;"><b>文化資本</b></span>(英:cultural capital)</strong>：</big>家庭環境や学校教育などを通じて各個人に蓄積され､さまざまな社会的行動の場面において有利､不利を生み出す有形･無形のもののこと｡</p>
</div>
<p>たとえば本や楽器､美術品は有形であり､話し方､振る舞い方､知識､学歴､資格､習慣などは無形である｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2025/08/06/one-word-sociology-habitus/">【１ワード社会学第三回】ブルデューの｢ハビトゥス｣とはなにか</a></p>
<h4><span id="toc8">ブルデューの｢象徴資本｣とは</span></h4>
<p>象徴資本は経済資本､文化資本､社会関係資本が社会的に正当で価値あるものとして認知されたときに現れる｢<b>評価としての資本</b>｣のことである｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/e1af6ca27d07a5179eacd9ec0acf90cd.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5730" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/e1af6ca27d07a5179eacd9ec0acf90cd.png" alt="" width="259" height="262" srcset="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/e1af6ca27d07a5179eacd9ec0acf90cd.png 259w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/e1af6ca27d07a5179eacd9ec0acf90cd-60x60.png 60w, https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/e1af6ca27d07a5179eacd9ec0acf90cd-120x120.png 120w" sizes="(max-width: 259px) 100vw, 259px" /></a></p>
<p>たとえば有名大学の学歴は高く評価されるものとして認識されているのであり､なんら評価されていない場では資本とみなされない｡</p>
<p>学歴が評価される場合と評価されない場合があるのと同様に､貨幣もまた評価されないと力を持たないような非実体的な側面を有している｡つまり､<b>経済資本も象徴資本としての形態をとりうる</b>とされる｡</p>
<p>われわれは紙幣を信頼､つまり紙幣を発行する政府を信頼するからこそ､経済資本が資本として機能しているのである｡<b>資本はただもっているだけで成立せず､価値があると社会的に認められている必要がある</b>｡</p>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),71-72p</p>
<h4><span id="toc9">ブルデューにおける｢界(場)｣とは</span></h4>
<p>たとえば見知らぬジャングルでは紙幣が象徴資本として機能しない場合がある｡ブルデューの用語で言えば｢<b>界</b>(場)｣の存在に資本の価値は依存しているのである｡界は社会的文脈よりも狭義であり､ルール･序列･競争などが構造化された場を意味する｡</p>
<p>たとえばある学問の世界では｢真理にどれだけ貢献したか｣といった基準がルールとして存在し､その具体的な形として査読付き論文の数や学歴､引用数､研究費の額などが資本として価値をもっていくといえる｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2025/08/06/one-word-sociology-habitus/">【１ワード社会学第三回】ブルデューの｢ハビトゥス｣とはなにか</a></p>
<h4><span id="toc10">ブルデューにおける文化資本､ハビトゥス､社会関係資本の違い</span></h4>
<p>ブルデューにおける文化資本､ハビトゥス､社会関係資本の違いがわかりにくい｡</p>
<p>たとえば教養や知識などは体現化された文化資本であり､本や道具､作品などは客体化された文化資本であり､学歴や資格は制度化された文化資本であるという｡文化資本は主に｢<b>自分の中(身体)に蓄積され､存在する資源</b>｣であるといえる｡学歴は紙に宿っているわけではなく､身体に宿っているものを可視化したものにすぎないといえる｡道具や芸術作品も有効に使いこなせる能力､鑑賞できる能力が重要になる｡</p>
<p><b>ハビトゥス</b>は｢<b>人が日常の中で身につけていく心的傾向</b>｣であり､必ずしも文化的な価値として現れているとは限らない｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/3a6741741c846312e743a42961c9007e.png"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-5731" src="https://souzouhou.com/wp-content/uploads/2026/03/3a6741741c846312e743a42961c9007e.png" alt="" width="217" height="320" /></a></p>
<p>多くの社会的な場で無価値と見なされるものであっても､ハビトゥスといえるのである｡すぐイライラしてしまう心的傾向を幼少期に家庭において身につけ､たとえそれが社会で評価されていないとしてもハビトゥスだといえる｡</p>
<p>しかし文化資本は｢<b>資本</b>｣であり､その社会の一定の地位や収入を保証するもの､すくなくとも社会的に価値があるものと認識されていなければならない｡</p>
<p>したがって､どんな心的傾向でも適切とは限らず､<b>社会的な地位を高めるために有利な心的傾向</b>である必要がある｡もちろんどんなものが有利かは｢界｣に依存する｡</p>
<p>文化資本が個人に内在する文化的資源だとすれば社会関係資本は諸個人の間に存在する社会的資源､いわば｢<b>ネットワーク資源</b>｣だといえる｡</p>
<p>もちろんどちらも人と人との関係において､社会的な環境において形成されるという点では似ているが､その現れ方が異なるというイメージだろう｡たとえば｢文字を読むことができる能力｣と｢友人から助言をもらえる環境｣といった違いを考えればわかりやすい｡</p>
<p>しかしどんなネットワークでもいいかというと､そうではない｡</p>
<p>たとえば反社会的な集団につきまとわれている場合もある種のネットワーク､人間関係だが､それが社会の一定の地位を保証するとはほとんどの場合いえないだろう｡しかし､そうしたケースでさえ人間関係資本といえるような特殊な状況も想定することは可能だろう｡｢社会的に価値がある｣という場合の社会をどの範囲で切り取るかも問題になってくる｡たとえば刑事(警察という組織社会内)ならうまくそうした人間関係を活かすことのできる資産だと考えることができるかもしれない(情報源などとして)｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2025/08/06/one-word-sociology-habitus/">【１ワード社会学第三回】ブルデューの｢ハビトゥス｣とはなにか</a></p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),79-80p</p>
<p>｢社会心理学｣,有斐閣,補訂版第二刷,254p</p>
</blockquote>
<h3><span id="toc11">コールマンにおける資本とブルデューにおける資本の考え方の違い</span></h3>
<p>コールマンにおける人的資本は｢<b>個人の能力</b>｣として位置づけられていた｡</p>
<p>もちろん､そうした能力が形成されるかどうかは階層や人間関係が関わっているとコールマンも考えている｡しかし､社会関係資本や人的資本が物的資本の形成を助ける限りで､つまり物的資本の生産性を高める限りで評価されるという観点の強調が強い｡コールマンが合理的選択理論の立場にあること､それゆえに経済学的視点が重視されることと関連してくるのだろう｡</p>
<p>また､コールマンは｢<b>ネットワークと資本の区分がはっきりしていない</b>｣とナン･リン(2001)によって批判されている｡</p>
<p>人と人との関係､つながり､ネットワークそのものを資本として扱ってしまっているというわけだ｡リンによると､ネットワークがあるだけでは資本とはいえず､そこに<b>信頼や互酬性があってはじめて資源として機能する</b>のだという｡たとえば親子関係が単にあるだけでは資本とはいえずに､信頼性や互酬性を必要とするということになるのだろう｡コールマンは信頼性などにも触れているが､その言及が十分ではないというわけだ｡たとえば情報源を信用できなければ関係をもっていても有用でないといえる｡</p>
<p>ブルデューの場合はコールマンと異なり､ネットワークと資本は区別されて考えられている｡たとえば｢<b>ネットワークのおかげで動かすことのできる資本</b>｣といったようにブルデューは表現している｡</p>
<p>しかしネットワークと資本をつなぐ要素をパットナムのように信頼や互酬性の規範であるとはブルデューは明確には主張していない｡</p>
<h3><span id="toc12">ブルデューにおけるネットワークの維持､強化､再生産､変化､逸脱について</span></h3>
<p>ブルデューはネットワーク(構造)が自然に生まれたり､自然に維持されるとは考えない｡<b>維持､強化､再生産されなければネットワークは消滅してしまう</b>ものとして考えている｡</p>
<p>もちろん､単に固定的に再生産されるだけではなく､<b>変化や逸脱の可能性</b>も認めている｡たとえばフランスの社会革命では文化がもはやそのままの形では維持できずに､大きく変化していったといえる｡</p>
<p>ブルデューは経済学者のマルクスのように文化(上部構造)の変化を単純に経済(下部構造)の変化に還元せずに､他の質の違う資本との相互作用を含めて複雑に考えている｡</p>
<p>経済資本は文化資本にどのように変換されたのか､あるいは文化資本は経済資本にどのように変換されていくのかといった分析が重要になる｡一方通行の因果関係の分析というよりも､循環的､再帰的な特定の場における相互作用を分析しようという立場であるといえる｡</p>
<p>人々の行為や態度のミクロな積み重ね､たとえば飲み会や､贈り物､挨拶などによって関係が維持されるのであり､いわば｢<b>投資</b>｣にあたる｡</p>
<p>この関係が価値があるものかどうかは界によって定まるのであり､｢<b>認知</b>｣を必要とする｡信頼や互酬性の規範は関係の前提というよりも､関係の結果として形成されるものなのだろう｡というより､<b>前提であると同時に結果である</b>というような､ルーマンでいえばシステム(構造)と要素の再帰的な関係とも似ている｡</p>
<p><a href="https://souzouhou.com/2024/09/05/niklas-luhmann-1-1/">応用社会学第一回:「社会システム理論は楽しい」(前編)</a></p>
<blockquote>
<p>･特に参考にしたページ</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014),79-80p</p>
</blockquote>
<h2><span id="toc13">参考文献</span></h2>
<h3><span id="toc14">おすすめ文献</span></h3>
<h4><span id="toc15">ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</span></h4>
<p><a href="https://amzn.to/3NYuYKY"> ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) ｢孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生｣</a></p>
<h3><span id="toc16">汎用文献</span></h3>
<h4><span id="toc17">社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)</span></h4>
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<h4><span id="toc18">デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) ｢思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方｣</span></h4>
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<h4><span id="toc19">亀田 達也(監修)｢眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学｣</span></h4>
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<h3><span id="toc20">参考論文</span></h3>
<p>佐藤誠｢社会資本とソーシャル・キャピタル｣[2003][<a href="https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/16-1_sato.pdf">URL</a>]</p>
<p>高野良一｢社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──｣(2014)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/94/0/94_65/_pdf">URL</a>]</p>
<p>稲葉陽二,戸川和成,｢社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察｣(2019)[<a href="https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/bulletin/bulletin_61/all.pdf#page=269">URL</a>]</p>
<p>長谷川 眞理子｢タテ社会日本と学術｣(2022)[<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/1/27_1_9/_article/-char/ja/">URL</a>]</p>
<p>北岡一道｢研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ｣(2007)[<a href="https://jin-ai.repo.nii.ac.jp/record/1051/files/vol.39_p61-67.pdf">URL</a>]</p>
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]]></content:encoded>
					
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