記事の簡単なまとめ

1 消去抵抗とは、「なにかをいきなり消去しようとすると、脳がそのたびに頑固に抵抗して、習慣を元に戻そうと抵抗すること」。
2 たとえば、急にダイエットをするとバカ食いしたくなるような抵抗が生じるような現象。
3 消去抵抗は、行為と報酬の継続(条件付け)が強いほど大きい。
4 たとえば、高カロリーのものを食べると満足考えられるという学習が強化されている場合。
5 消去抵抗が生じないような対策として、別の報酬を探すことが有効である。
6 たとえば、太ると健康に悪いという罰をイメージしたり、痩せると異性にもてるという報酬をイメージしたりする。

消去抵抗とはなにか

定義

 なにかをいきなりやめようとすると、脳がそのたびに頑固に抵抗して、習慣を元に戻そうとすること

具体例

 消去抵抗とは

 ダイエットが典型例です。最初のうちはジムに通ったり、食事制限をしたりして「簡単じゃないか」と思ってきます。しかしだんだん誘惑に負けてしまい、お菓子やハンバーガーを食べてしまう皆さんが多いと思います。たいていの人は通常よりもバカ食いしてしまいます。こうした現象が「消去抵抗」なのです。

 今まで肉や米を当たり前のように食べていたのに、急に水だけ、野菜だけなどの食習慣に変えてしまうと、大きな反動が起こります。一般的な用語でいえば、「リバウンド」にあたります。食餌制限によるストレスで、逆に食欲が増加してしまうのです。

 人間はいったん報酬この場合は肉や米、あるいはお菓子や炭酸の満足感)が当たり前になると、脳は癇癪(かんしゃく、怒りやすい性質の発作)を起こしてしまいます。元々人間は食べ物がたくさんある環境で進化してきたわけではないので、高カロリー、高死亡、高ナトリウムの食べ物を見つけたら、その場で食べられるだけ食べ、その後もその場所に戻ってくるように条件付けされるのです。条件付けされた後で報酬をとりあげられると、人間は爆発してしまいます。

消去バースト

 子どもからスマホやPCをとりあげると、狂ったように怒ることがありますよね。あるいは好きな人を奪われたりしても人間は癇癪を起こします。初恋の相手と永い間付き合っていて、突然別れてしまった後に来る喪失感とストレスによる暴食なんてよくありますよね。付き合っていた当時の満足感という報酬が消去されてしまうことの抵抗として、適当な女性と何人も同時に付き合ったり、変な性癖を発揮してしまう人もいるはずです。

 

消去抵抗と条件付けの関連性

消去抵抗

定義 

条件付け:人や動物に対して、一定の操作により特定の反射や反応を引き起こすよう学習させること。レスポンデント(古典的)条件付けとオペラント(道具的)条件付けがある

 人間もネズミと同じように、条件付けされる生き物です。ある行動によって報酬が得られるとわかると、その行動を繰り返すのです。もし罰を受けるとわかると、行動をしなくなります。そして人は報酬と罰を予測するようになります。大学受験の場合も、勉強することによって将来が安泰になるという報酬や、周りの人に褒められるという報酬、あるいは成績が悪いと怒られるという罰を予測して勉強するという行動を繰り返しているといえます。成績が悪ければ留年するという罰がない場合、学生はいまよりもきっと勉強しなくなると思います。

古典的条件付けとは

通常は無関係なものが引き金となって反応が起こるもの

古典的条件付け

(具体例)犬に餌を与える前にベルの音を鳴らすことで、次第にベルの音を聞くだけで唾液を分泌するという条件反射。パブロフの犬で有名ですね。

 たとえばシャワーを浴びているときに、誰かがトイレの水を流すとシャワーの湯がやけどをするくらいの熱湯に変わるとします。これを繰り返していく内に、トイレを流す音が聞こえるたびに、ぎょっとして飛び出してしまうようになります。トイレの水を流すことと、シャワーの熱湯が基本的に無関係だということがポイントです。人間は嫌なものを学習して、避けるようになるのです。

オペラント条件付けとは

報酬や罰といった刺激を与えることで反応を変容させるもの

(具体例)マウスが餌が出るレバーを押すように自発的に行動(operate)するようになることを観察する代表的な実験装置。スキナーによるネズミの実験で有名です。パブロフの犬の場合は、自発的ではなく、受動的なものです。自分から唾液に反応しているというよりも、ベルによって体が勝手に反応しているのです.

  自発的な行動による条件付けは人間にもよくあります。たとえば仕事に行って給料をもらう、エアコンをつければ汗が止まる、スピードを出さなければ捕まらない、これらはみなオペラント条件付けによる罰と報酬なのです。誰かがトイレの水を流すと、警察が来て捕まってしまうというめちゃくちゃな状況を想像してみてください。2つの事柄は無関係ですよね。しかしこれが繰り返されると、トイレの水を流すたびに、びくびくしてしまうようになるのです。これはオペラント条件付けではなく、古典的条件付けです。

消去抵抗と条件付けの関連性

 消去抵抗とは、報酬を受けていた習慣をいきなり消去すると、抵抗してしまうというものでした。そしてある行動をすると、ある報酬をうけるようになるということを学習することが条件付け(この場合はオペラント条件付け)です。カロリーの高いものを食べると、満足感が得られるといったんわかれば、人間はまたカロリーの高いものを食べると満足感が得られるだろうと言う予測をするようになります。そしてそれは習慣づけられていきます。毎日のように食べてしまうのです。

 条件付けによって得られた習慣をいきなり消去すると、当然人間は抵抗しようとします。痩せたいからカロリーの高いものを控えるように(消去)しようと人間は考えるのですが、消去に対する抵抗が生じ、控える前よりもカロリーの高いものを食べてしまうようになります。ストレスが爆発してしまっているのです。親が子どもになんでも欲しいものをあげていると、子どもは頼みさえすれば欲しいものを手に入れることができるということを学習します。親は子どもに意図的であろうとなかろうと、条件付けを子どもにしていることになります。子どもに対してほしいものを買ってあげないようになることは、そうした条件付け、習慣を消去することになるので、当然子どもは抵抗します。泣け叫んだり、家出したりします。もしそうした泣け叫びに同情してほしいものを買ってあげると、さらに悪化し、前よりも欲しいものをねだってくるかもしれません。

消去抵抗に対する対処方法

ダイエットと条件付け

 気合です。といった精神論だけではとてもじゃないですけど消去抵抗に勝てませんよね。別の報酬や強化手段を探してみることが消去抵抗に対する手段となります。ダイエットに成功したらどのような報酬があるのか、よくイメージすることが重要です。好きな異性によく見られたいといった報酬でも有効でしょう。あるいは適度に報酬を与えてあげる、という戦略も有効だと思います。よく炭水化物を一切抜いてダイエットする、なんていう方法がありますが、うまくいくとは思えません。たまには炭水化物をとることで、抵抗が強く起こらないようにすることが重要です。

 勉強をしないことで満足するという条件付けなのかもしれないと、ふと思いました。こうした条件付けに反して、勉強をしないという習慣を消去し、勉強するようになると抵抗が生じるのです。勉強をしていると急に眠くなったり、急にゲームをしたくなったり、イライラしたりしますよね。勉強することのメリットをよくイメージしたり、勉強することでお菓子を食べるという報酬を用意するなど、いろいろな戦略が考えられます。勉強ではなく、仕事、趣味に対してもあてはまることですね。ギャンブルのような悪習を断つようなときにも有効です。

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砂フキン

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