創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(1)心理学の基礎知識

    Contents

    はじめに

    動画での説明

    ・この記事の「概要・要約・要旨・まとめ」はyoutubeの動画の冒頭にありますのでぜひ参照してください

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    その他注意事項

    私が記事を執筆する理由について

    アルフレッド・アドラーとは、プロフィール

    ・アルフレッド・アドラー(1870-1937)はオーストリアの心理学者、精神科医

    ・主な著作は『器官劣等性の研究』。

    ・フロイト、ユングと並ぶ心理学における三大巨頭として挙げる人もいる。

    ・フロイトと袂を分かち、独自の「アドラー心理学(個人心理学)」という理論体系を発展させた。日本ではあまり知られていなかったが、岸見一郎さんと古賀史健さんによる「嫌われる勇気」(2013)がベストセラーとなり、多くの人に知られるようになった。

    前回の記事

    【創造発見学第二回】創造性とはなにか

    動画の分割について

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(1)心理学の基礎知識

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(2)アドラー心理学の理論

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(3)劣等感とはなにか

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(4)劣等コンプレックスとはなにか

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(5)ライフスタイルとはなにか

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(6)ライフタスクとはなにか

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(7)アドラー心理学の哲学(共同体感覚)とはなにか

    創造発見学第三回:「アドラー心理学と創造性」(8)アドラー心理学の技法(勇気づけ)とはなにか

    記事が長すぎて重いので8つに分割することにしました。動画では1つにまとめています。長い動画は分割するべきなのか迷い中ですが、どちらかだけでも一体的に一つの場所で確認できる手段が欲しいので今後もそのままかもしれません。

    なぜ心理学の基礎を学ぶ必要があるのか

    1. 心理学はいつ頃始まり、どういう流れを経てアドラー心理学へと繋がっていったのかを体系的に理解したい。心理学を全体的に把握することでアドラー心理学の理解を高めたい。
    2. 創造発見学の分野において心理学の基礎を学ぶことはプラスになる。他の分野への関連付けの素材を得ることができる。

    心理学の歴史

    時期ごとの代表者

    ・心理学の起源として古代ギリシャ哲学ではプラトン(bc427-bc347)やアリストテレス(bc384-bc322)、さらに後にはガレノス(129-200)などが挙げられる。

    中世ではデカルト(1596-1650)やロック(1632-1704)が挙げられる。近代ではフェヒナー(1801-1887)、ゴルトン(1822-1911)、ヴント(1832-1910)、ジェームズ(1842-1910)などが挙げられる。

    ・心の問題が「哲学」から別の独立的な学問として扱われ出した時期については諸説あるだろうが、心理学が「科学」として、そして「哲学」から区別されて独立的に扱われた時期についてはヴントあたりと仮定する。

    なお、ヴントより前の具体的な諸主張、諸理論について今回はほとんど扱わない。今回は主にヴント移行の流れを主に見ていきたい。ただし、ヴントの前にフェヒナーの理解を行う。

    教育、産業、環境、犯罪、経営、広告、音楽、スポーツ、政治、社会などの心理学などは「応用心理学」としてまとめられている。それらの個別の歴史については特に扱わない。

    「応用心理学」と区別された「基礎心理学」は実験心理学とほぼ同等のものと見なされることが多いという。

    今回は応用心理学の中でも「臨床心理学」に力点を置くことになる。なぜなら、アドラー心理学は「臨床心理学」としても分類することが可能だからである。

    表でざっくりと整理するとこうなる。

    ※代表的な人物を挙げている

    ※生没年順に並べており、必ずしも実際の理論が主張された順ではない

    アドラーと他の心理学者の相関図

    アドラーの関係図を簡易的に作るとこのようなイメージになる。ただし、マイナスの批判だけではなく何かしらのプラスの影響も受けていると想定することにする。

    明確に否定している場合と、物足りないと判断している場合にも大別できる。特にアドラーに明確に否定されたのがフロイトである。

    ヴントの立場は「構成主義」と呼ばれている。ジェームズの立場は「機能主義」であり、ヴントの「構成主義」を批判している。

    ワトソンの立場は「行動主義」であり、ヴントの「内観法」を批判している。ウェルトハイマーの立場は「ホーリズム(全体性)」であり、「構成主義や行動主義」を批判している。フロイトはヴントの「意識」に偏りがちな分析を批判し、「無意識」をより重視をした。行動主義心理学は「認知心理学」によって批判されている。

    このような専門的な諸用語は、日常で使われることが少ない。初見では理解できない。ざっくりとそれぞれの主義主張を見ていくことにする。

    フェヒナーの「精神物理学」

    フェヒナーの「精神物理学」とはなにか、意味、定義、わかりやすく

    POINT

    精神物理学「精神と身体の関係について、物理学と同様に経験的事実を数学的に明示するべきである」という考えに基づいた心理学のこと。例えば100グラムから102グラムに変えて重くなったと感じるが、200グラムからは204グラムに変えないと重くなったと感じないという。重く感じるかどうかにはなんらかの方程式に集約できる法則性、傾向がある、というように考えていく。

    ・E・ウェーバー(Ernst Weber,1795-1878)の法則を基礎にフェヒナー(Gustav Theodor Fechner,1892-1973)が提唱したといわれている。

    ・ウェーバーやフェヒナーは生理学や物理学の専門家であり、心理学を独立の科学として扱おうとするものではなかったという。ただし、心理学が科学的学問として独立するための優良な出発点になったといわれています。

    ・ヴントやエビングハウスらに多くの影響を与えたといわれている。

    ・「物理的刺激と感覚の関係」を問題にするにとどまり、フェヒナーは精神と身体の関係の精密理論を完全なかたちで確立できなかったと精神物理学は評価されている。

    ・精神物理学研究は現在でも行われているらしいが、「刺激の物理的特性と感覚・知覚等の心理的過程の量的な関係を調べる研究」に限定されているという。そのため、現代の「精神物理学」と対比して、「フェヒナーの精神物理学」と表現して区別することがある。

    キーワード:精神物理学とは

    「フェヒナーは精神と身体の関係を科学的方法で解明していこうと考え、1860年に『精神物理学概要』を著し、ウェーバーの法則を基礎に『精神物理学(psychophysics)』という新しい学問を提唱した。彼の基本的な考え方は、精神と身体の関係について、物理学と同様に経験的事実を数学的に明示するべきであるということであった。」
    「キーワードコレクション 心理学」,5P
    「しかし、実際になし得たのは物理的刺激と感覚の関係(これを外的精神物理学と呼んだ)を問題にするにとどまり、彼の意図した精神と身体の関係の精密理論としての精神物理学を完全なかたちで確立することはできなかった。しかし『フェヒナーの精神物理学』は、その後、いくつかの批判はあったが、当時(19世紀後半)の科学的心理学研究の一つの焦点となり、ヴントはエビングハウスらにも多くの影響を与えた。そしてまた、心理学が科学的学問として独立するための有力な出発点ともなったのである。」
    「キーワードコレクション 心理学」,5P
    「すでに18世紀にはドイツを中心として身体と精神または物質的世界と心理的世界との関数関係を明らかにし、心理学に数学的基礎を与えようとする精神物理学(psychophysics)が発展しており、ウェーバーやフェヒナーらによって感覚や知覚の研究は新しい方法で取り組まれていた。しかし、彼らはいずれも生理学や物理学の専門家であり,心理学を独立の科学として取り扱おうとするものではなかった。」
    「キーワードコレクション 心理学」,8P
    「したがって、現在使われている精神物理学とフェヒナーの精神物理学との違いを強調するために、『フェヒナーの精神物理学』というように特別に『フェヒナーの』という言葉を付けて表現している。」
    「キーワードコレクション 心理学」,6P

    ヴントの「実験心理学」

    ヴントの「実験心理学」とはなにか、意味、定義、わかりやすく

    POINT

    実験心理学広義には自然科学や経験科学の「実験」という手法を取り入れた心理学のこと。実験心理学の一つとして、ヴント(Wilhelm Wundt,1832-1920)の構成心理学(意識心理学,要素心理学)がある。

    ・ヴントは「近代心理学の祖」と呼ばれている。

    ・ヴントが実験心理学の基礎をつくったといわれている。

    ・ヴントの場合の実験の手法は「内観法」である。最初の実験室を設立した人物として知られている。

    「自然科学・経験科学の伝統的方法とは、現象を観察し、それに対する検証可能な仮説を立て、仮説検証のためのデータを集め、統計的検討を施し、事実として受け入れられる仮説から理論を構築するという帰納的方法である。この研究を精神科学としての心理学に取り入れたのが実験心理学(experimental phychology)である。実験心理学の方法は、実験者(experimenter)が条件を設定し、刺激・事象を生起・変化させ、それを被験者(paticipants)が観察し、観察結果を報告するという手続きを踏む。そして、実験条件と観察結果との間の関係(できれば法則)を考察する。これらを厳密に行うためには、他の実験科学と同様、実験変数の統制、実験計画、測定法を検討して実験に取り入れ、かつ実験の再現性を保証するためには、適切な変数操作、実験外変数の除去など、変数の厳密な統制が必要である。」
    「キーワードコレクション 心理学」,32P
    「ヴントは人間心理の研究に、自然科学の手法である実験を取り入れました。これにより、人間の心理を客観的な自然科学として捉えようとする実証心理学という大きな流れが生まれました。」
    「心理学用語大全」,58P

    構成心理学と内観法とは、意味、定義、わかりやすく

    POINT

    構成心理学構成主義に基づいた心理学。

    POINT

    構成主義物質が原子や分子の結合体であるように、意識も心的な要素(1つひとつの感情や感覚など)の結合体であるとする主義のこと。要素の結合体として意識を構成するため、要素主義とも呼ばれる。

    POINT

    内観法被験者にさまざまな体験をさせ、その瞬間に何を意識したかを報告してもらうという方法のこと。

    ・ヴントの構成心理学では、心理学の研究対象は直接経験である「意識」とされ、間接経験である物理事象とは区別されている。

    ・研究対象が「意識」であるため、「ある刺激を与えられた観察者は自ら自分自身の意識過程を観察すること(内観法)」が必要であるとされている。

    ・ヴントは内観法に基づいて、以下の手順で分析を行っているという。

    1. 意識内容を感覚、心象、感情などの心的要素に分析(分解)する。
    2. これら諸要素の結合の方式を見いだす。
    3. その結合法則を決定する。

    「ヴントが行った実験は、被験者にさまざまな体験をさせ、その瞬間に何を意識したかを報告してもらう内観法という方法でした。」
    「心理学用語大全」,58P

    キーワード:構成心理学とは
    「心理学はこの方法にもとづいて、(1)意識内容を感覚、心象、感情などの心的要素に分析し、(2)これら諸要素の結合の方式を見いだし、(3)その結合法則を決定しなければならない、とされた。以上の手続きに従えば、複雑な意識現象も、単純な心的要素に分析された後、再結合されることにより、その構造を探ることができるのである。」
    「キーワードコレクション 心理学」,9p
    メモ:デカルト的

    キーワード:構成主義
    「物質が原子や分子の結合体であるように、意識(心)も心的な要素(1つひとつの感情や感覚など)の結合体であるとする主義。…意識(心)は、表象(イメージ)、意思、感情などに分類できさらに細かい要素に分解可能だとヴントは主張します。物質が原子や分子の結合体であるように、意識(心)も一つひとつの心的な要素の結合体であると考えたからです。こうした立場は、構成主義、要素主義などと呼ばれています。」
    「心理学用語大全」,59P

    アドラーと実験心理学の関係

    ・アドラーは内観法について、「人間の内面を客観的に語ることができるとは思えなかったため、当然のように不評だった」と述べている。また、「実験的手法では人格がどう関係するのかは洞察されないか、推測で補うくらいだった」という点でアドラーは批判している。

    ただし、アドラーは「個人心理学の実験対象は人生です」、「限定的に実験心理学に近づく」と述べているように、実験心理学的な要素も認めている。とはいえ、対象が「意識」ではなく「人生や行動原理(ライフスタイル)」であるという差異は重要である。

    つまり、内部的な「意識」だけではなく、外部的な「条件」もセットで、総合的に扱うということである。外部から影響を受けているのはたしかであるが、それらを「どう使うか」という主体性、意識、意志に特に注目する「使用の心理学」であることをアドラーは強調する。

    また、実験によって典型例や類型を出せることはあるが、個人は一回きりの人生であり、そうしたよくあるパターン(法則)だけで対処できるとは限らないことを強調している。

    キーワード:アドラーと実験心理学
    「しかし、個々のケースについては、よくあるパターンで十分には対処できないことを強調したいと思います。一つ一つのケースは、一度きりでくりかえされないものです。治療などに取り組むときは、よくある決まり文句を避けるべきです。使用の心理学の事実からすれば、個人を通常の社会のつながりと切り離してしまうと、独自性は読み取れません。わたしたちが独自性についてなにか言えるのは、検査して、能力の使い方を観察したときに限ります。この点では、限定的な実験心理学に近づきます。ただし、個人心理学の実験対象は人生です。個人が直面する外的要因は、わたしたちの考察にとって非常に重要です。それぞれに異なる個人が、目の問題とどんなふうに関係しているかを理解していかなければなりません。この関係を考察し、個人が外部の問題に対してどんな方法で行動するかを学ぶ必要があります。そして、どのように個人が問題を制御しようとするのか探求していくのです。つねに社会に関わる課題に対してどのように進んでいくか、つまり個人の行動原理が個人心理学の観察対象です。そこでは数え切れないほどの多様性に直面します。」
    アルフレッド・アドラー「生きる意味――人生にとっていちばん大切なこと――」,長谷川早苗訳,195-196p
    メモ:創造でも社会と切り離すことは難しいのと似ている

    ジェームズの「機能主義心理学」とはなにか

    ジェームズの「機能主義心理学」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    機能主義心理学機能主義的アプローチに基づいた心理学のこと。

    POINT

    機能主義意識(心的現象)は、人が環境に適応するため、すなわち人が存在するための機能だと考える立場。「生理学的事実」を重視する。心理学の領域ではジェームズ(William James,1842~1910)やジョン・デューイが唱えた立場。ジェームズは人間に役立つものを研究対象として重視することから、プラグマティズムの立場だと言われている(創始者の一人)。感情や意志が(生存のために)何に役立っているのかなどと調べていく。

    ・意識を分解した構成要素をひとつひとつ分析する「構成主義」とは違い、意識全体の動き方や機能(=役割、貢献)を探求する立場。

    例:崖で恐怖を感じるという心的現象は、その現場から人を回避させるという機能をもつ、などと考えていく。

    キーワード:機能主義

    「意識(心的現象)は、人が環境に適応するため、すなわち人が存在するための機能だと考える立場」
    「心理学用語大全」,60P
    「電気を自動車に例えれば、自動車(意識)の部品を一つひとつ分析しようとする立場が構成主義です。対して、自動車(意識)の動き方や、自動車の機能(役割)を探求するのがジェームズの機能主義です。」
    「心理学用語大全」,60P

    「意識は流れる」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    意識は流れる「意識は固定的なものではなく、表象、感情、記憶、感覚、などが絶え間なく移ろっていくもの」とするジェームズの考えのこと。

    たとえば目の前の犬に対して可愛いと感じ、次の瞬間には過去に噛まれた犬の記憶を思い出して恐怖したり、やっぱり触ってみておとなしい犬だと安堵したりする。

    キーワード:意識は流れる
    「意識は固定的なものではなく、表象(イメージ),感情、記憶、感覚、などが絶え間なく移ろっていくものとする考え」
    「心理学用語大全」,61P
    「ジェームズにとって、意識はヴントが考えたような固定的な要素の結合体(構成主義)ではありませんでした。そうではなく、『アイスクリームが見える』→『食べたい』→『甘い』→『懐かしい』→『幸せ』というように、表象(意識の中のイメージ)、感情、記憶などが絶え間なく変化し、流れていくというイメージで意識を捉えました(意識は流れる)。」
    「心理学用語大全」,61P

    メモ:プルーストに影響を与えた

    ジェームズ=ランゲ説、キャノン=バード説の違とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    ジェームズ=ランゲ説み情緒に伴って身体反応(行動)があるのではなく、身体反応に伴って情緒が変化するとする説。

    ・ジェームズはこの説を「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」と述べた。

    ・ジェームズは、震えたり心臓が高鳴るといった身体反応(行動)が、恐怖という情緒に翻訳されるのだと主張した。

    ※同時期にランゲ(Lange,Carl Georg)も同じ主張をしたという

    POINT

    キャノン=バード説情緒と身体反応は同時に起こるという説。W.B.キャノンとP.バードによって提唱された説。

    ・ひとつの身体反応がいつも同じ情緒を引き起こすとは限らない。異なる情動状態でも同一の内蔵反応が生じることがある。

    ・感覚情報は各感覚器官から視床経由で大脳皮質に伝わり、そこで知覚される。

    大脳皮質は視床の興奮を通常時は抑制しているが、その抑制を解除すると視床に興奮が生じる。その興奮が内蔵や骨格筋に伝えられるという。また、視床の興奮は大脳皮質にも伝えられ、単純な感覚に情動的な特質が与えられるという。

    現代では、「視床」だけではなく、視床下部、大脳辺縁系、網様体などが情動に関与していることが明らかにされているという。

    POINT

    情報二要因理論身体反応とその身体反応に対する認知的解釈の両方の要因が情動の質を決定するのだと考える説のこと。

    例:震えが起こったあと、脳が「熊がいる」という情況と照らし合わせることによって、恐怖という情緒を体感する。

    人間はなんらかの「解釈」を挟んで情動を生じさせる。単純な条件反射行動ではない。解釈があるということは、なんらかの「選択」の余地があるということになる。ただし、そのように解釈をせざるを得ないように過去の因果から決定されていると考えれば別である(意志の否定である決定論になる)。

    キーワード:ジェームズ=ランゲ説
    「情緒に伴って身体反応(行動)があるのではなく、身体反応に伴って情緒が変化するとする説。…ジェームズはこの説を『悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ』」
    「心理学用語大全」,62P

    メモ:アドラーもこれに言及している
    「けれども実際は、無意識的に震えがはじまり、その後で意識が恐怖を感じるのではないでしょうか。ジェームズは、震えたり心臓が高鳴るといった身体反応(行動)が、恐怖という情緒に翻訳されるのだと主張しました。」
    「心理学用語大全」,62P
    メモ:同時期にランゲも同じ主張をした
    キーワード:キャノン=バード説
    「ジェームズ=ランゲ説に対して、W・B・キャノン(1871~1945)とP・バード(1989~1977)はひとつの身体反応がいつも同じ情緒を引き起こすとは限らないことを指摘します。恐怖でも震えるし、寒くても震えるというわけです。彼らは、熊を見たら、脳を介し、恐怖という情緒体験と、震えという身体反応が同時に起こると主張しました。」
    「心理学用語大全」,62P
    「大脳皮質は通常、視床などの下位の脳の興奮を抑制している。感覚情報は各感覚器官から視床経由で大脳皮質に伝わり、そこで知覚される。皮質が視床に対する抑制を解除すると視床は興奮し、その興奮が内蔵や骨格筋に伝えられる。一方で視床の興奮は皮質にも伝えられ、単純な感覚に情動的な特質を与える。このように視床は情動の中枢としての役割を果たしている。キャノン・バード説も現代の心理学ではそのままのかたちで受け入れられてはいない。現在では、視床のほかに視床下部、大脳辺縁系、網様体などが情動に関与していることが明らかにされている。」
    「キーワードコレクション 心理学」,290-291p
    キーワード:情報二要因理論
    「後に、S・シャクター(1922~1997)は、震えが起こったあと、脳が『熊がいる』という情況と照らし合わせることによって、恐怖という情緒を体感する情動二要因理論を展開しました。」
    「心理学用語大全」,63P
    「シャクターは、この結果から、、身体反応とその身体反応に対する認知的解釈の両方の要因が情動の質を決定するのだと考えた。このような説を情動の2要因説(two-factor theory of emotion)という。」
    「キーワードコレクション 心理学」,291p

    アドラーと機能主義の関係

    アドラー心理学では決定論を否定し、目的論を重視する。「解釈」や「意志」、いわゆる「認知」を重視する。それゆえに「認知論」がアドラー心理学を構成する理論的な前提のひとつだとされる。

    同様に、「機能主義」もアドラー心理学を構成する前提のひとつである。ある個人にとってプラス(善=ためになる)なのか、マイナス(悪=ためにならない)なのかなどで行動を解釈していく。あるいは人類にプラス(貢献)しているのか、マイナス(負担)になっているのかなどとも解釈できる。

    例:「引きこもる」という行動の目的は「対人関係を避ける」ことや「親への復讐」であると考えていく。外に出て不安を感じるより、中に居て不満を感じるほうが自分の「ためになる(善)」と考えていく。もちろん、目的と結果が同じとは限らないことには注意する必要がある。とはいえ、目的を変えれば行動を変えることができるという、「選択や意志」の重視につながる重要な点である。

    ワトソンの「行動主義心理学」

    ワトソンの「行動主義心理学」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    行動主義心理学行動主義に基づいた心理学のこと。主にワトソン(John Broadus Watson、1878~1958)によって基礎づけられたという。

    POINT

    行動主義心理学は観察できない主観的な意識を扱うのではなく、客観的に観察できる行動を扱うべきだとする立場のこと。

    キーワード:行動主義

    「当時、『心象を含まない思考はあるか』、『視感覚の属性は質、広がり、持続性、強度だけであるか、または明白性、秩序の属性も含まれるか』などの問題が論争になった。しかし、内観法では、2人の心理学者の内観が異なった場合、互いに証明する方法も反論する方法もないので、いつまでも合意や実証可能な議論は得られなかった。それに対し、ワトソンは1913年に『行動主義者から見た心理学』という論文を提出し、心理学はまず実証可能な自然科学の一分野であるべきだと主張した。そのためには、従来の内観法を捨て、動物心理学の研究に使われるのと同じ客観的方法、すなわち『行動の観察』を人間の心理の研究に用いなければならない。ワトソンは、この立場を行動主義(behaviorism)と呼んだ。」
    「キーワードコレクション 心理学」,16P
    「心理学は、観察できない主観的な意識を扱うのではなく、客観的に観察できる行動を扱うべきだとする立場。」
    「心理学用語大全」,72P
    メモ:アドラーにも「行動」から主観(ライフスタイル)を理解するという側面がある
    「ヴントは人間心理の研究に、自然科学の手法である実験を取り入れました。これにより、人間の心理を客観的な自然科学として捉えようとする実証心理学という大きな流れが生まれました。」
    「心理学用語大全」,58P
    「ヴントが行った実験は、被験者にさまざまな体験をさせ、その瞬間に何を意識したかを報告してもらう内観法という方法でした。」
    「心理学用語大全」,58P
    「主観的な意識ではなく、客観的な行動を研究対象とすることで、心理学は科学になりえるとする立場を行動主義といいます。そして、行動を観察することで、行動を予測したり、行動をコントロールする方法を知ることが心理学の使命だとワトソンは考えました。」
    「心理学用語大全」,72P

    S-R理論とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    S-R理論人の行動は、どんなに複雑に見えても、外部からの刺激(Stimulus)に対する反応(Response)の連合(結合)にすぎないとするワトソンの理論のこと。

    ・行動はすべて生理的な条件反射であり、自分の意志によるものではないとワトソンは考えた。

    ・刺激から反応を予測できるような「行動の法則」を確立し、行動を予測・制御することが心理学の目標であるとワトソンは考えた。

    ・人の「行動」を見るという点ではアドラーと共通するが、行動が意思によらず反射的であると考える点でアドラーと共通しない。とくにアドラーはライフタスク(人生の課題)に直面した時の行動を重視している。たとえば就職活動や友人関係のトラブル、好きな人への告白などの場面が考えられる。そのような状況で「回避」するか「向き合おうと努力」するかによってその人の性格(ライフスタイル)が見える。

    キーワード:S-R理論
    「人の行動は、どんなに複雑に見えても、外部からの刺激(Stimulus)に対する反応(Response)の連合(結合)にすぎないとする理論をS-R理論といいます。S-R理論はワトソンの行動主義の中核をなす理論です。行動はすべて生理的な条件反射であり、自分の意志によるものではないとワトソンは考えました。」
    「心理学用語大全」,73P
    「彼は、行動主義が扱うのは主観的データである自己の意識ではなく、観察可能な客観的データ、すなわち外界の刺激(S)と生体の反応(R)であり、刺激から反応を予測できるような『行動の法則』を確立し、行動を予測・制御することが心理学の目標であると考えた。このため、ワトソンの行動主義心理学はS-R心理学(sitmulus-response psychology)とも呼ばれる。」
    「キーワードコレクション 心理学」,16P

    ワトソンの目的論的行動主義、S-O-R理論、認知地図とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    新行動主義ワトソンの行動主義以降の、修正された行動主義の総称であり、一括してこのように呼ばれている。

    狭義に、S-O-R理論を用いる立場を示す場合もある。代表的な人物はトルマン(トールマン)、クラーク・レナード・ハル(1884-1952)、スキナーである。

    POINT

    目的論的行動主義行動を目的をもったものとして考える行動主義の立場のこと。

    刺激と反応だけでは説明できない行動もあると考え、刺激と反応の間の媒介変数として「目的」があるとトルマン(Edward Chase Tolman, 1886-1959)は考えた。

    たとえばワトソンの場合は「刺激と個々の反応の関係」を学習すると考えるのに対し、トルマンの場合は「手段刺激と目標との関係」を学習すると考えていく。

    このような学習は反応学習ではなく「サイン学習」と呼ばれる。

    POINT

    S-O-R理論刺激(S)に対する反応(R)の間に、認知など(O)が媒介すると考えるトルマンの立場のこと。

    Sは外部からの刺激(Stimulus)、Oは有機体の認知など(Organism)であり、Rは生体の反応(Response)である。認知とは周りの環境を判断・解釈することである。

    このOに目的が含まれている。

    ただし、ある有機体の認知を観察者は客観的・実証的に検証することが困難であるという。

    例えばある人物の目的は本人が無意識的、潜在的にしか意識していない場合もあり、観察者が推測せざるをえないことがある。この辺りは社会学者であるマートンの目的と機能を明確に区別した機能分析と深く関わるだろう。

    自由意志による目的設定が「ある」と考える立場がアドラーであり、その点ではS-R理論よりはS-O-R理論のほうが親和的である。アドラーはなによりも「自由意志」や「意志による選択」を重視する立場だからである。

    アドラーは仮に意志の存在が事実として証明されないとしても、まるで事実である「かのような」立場をとっているといえる(仮想論)。S-O-R理論における目的設定は必ずしも自由意志によるものとは限らず、外部環境や内部環境、いわゆる過去からそうせざるをえないように目的が規定されている、選ばざるをえないようにさせられていると考えれば「出来事因果性一元論」、いわゆる自由意志を否定する「決定論」の立場になる。認知にどれほどの自由度を認めるかという論点がキーポイントとなる。

    POINT

    認知地図学習に際して、生体が形成する環境の空間的な関係についての認知構造のこと。トルマンの考え。

    サイン学習による生体は環境を様々な目標を指し示すサインの集合体(サイン・ゲシュタルト)として捉えるようになり、生体は環境に対する認知地図を形成するという。たとえばネズミが迷路学習を行う際、目標地点まで認知地図が形成される。このような学習を潜在学習ともいう。

    キーワード:新行動主義とは
    「ワトソンの行動主義はいろいろな修正を受けながらも、その基本的な立場は後の心理学者たちに受け継がれていった。彼らの立場はさまざまであるが、行動を直接の研究対象とする点で共通しており、一括して新行動主義(neo-behaviorism)と呼ばれる。」
    「キーワードコレクション 心理学」,17P
    「SとRの間にその人、その動物ならではの何か(認知の他に、信念、期待など)が媒介すると考えて、行動主義のS-R理論をS-O-R理論に修正する立場を新行動主義といいます(O=有機体:Organism)。」
    「心理学用語大全」,77P
    キーワード:目的論的行動主義とは
    「トルマンは行動を、筋肉や腺などの生理学的反応の総和によって定義されるもの(分子的定義)以上のもの、すなわち目的をもったもの(目的的行動)としてとらえようとした。たとえば、ワトソンは、ネズミが迷路で終点に達し、餌をもらったときに、ネズミは迷路という刺激と個々の反応の関係を学習するとしたのに対し、トルマンはネズミは迷路という手段刺激と目標(餌)との関係を学習すると考えた。この手段-目標関係の学習によって、手段刺激は目標への期待を生じさせるサイン(sign)となる。そして餌に対する動機づけが高まったときに、餌をとるために走るという行動を生起させる。すなわち、トルマンは、学習とは基本的に反応学習ではなく、サイン学習(sign learning))であると考えたのである。そして、生体はさまざまなサイン学習の経験によって、環境をさまざまな目標を指し示すサインの集合体、すなわちサイン・ゲシュタルトとしてとらえるようになる。その結果,生体は環境に対する認知地図(congnitive map)を形成すると考えた。このようなトルマンの立場は、目的論的行動主義(purposive behaviorism)と呼ばれている。」
    「キーワードコレクション 心理学」,18p

    キーワード:認知地図とは
    「生活環境を思い浮かべる際の地図のようなイメージのこと。」
    「心理学用語大全」,76P
    「トールマンは、迷路の中にネズミを入れておく実験で、エサ(報酬)を与えなくても、ネズミは迷路の道を覚えていることを発見しました。迷路の中のネズミは、走り回るうちに迷路の空間的な構造を徐々に把握していき、いつのまにか脳内に認知地図を形成していたっと考えられます(認知:周りの環境を判断・解釈すること)。」
    「心理学用語大全」,76P
    「けれどもトールマンは、こうした反射的行動と、目的地に向かって歩くとか、空腹を満たすために食事をするなどの目的的行動は分けて考えるべきだと主張します。目的的行動には、刺激(S)に対する反応(R)の間に、認知など(O)が媒介すると考えたからです(S-O-R理論)。」
    「心理学用語大全」,77P

    キーワード:S-O-R理論とは

    「SとRの間にその人、その動物ならではの何か(認知の他に、信念、期待など)が媒介すると考えて、行動主義のS-R理論をS-O-R理論に修正する立場を新行動主義といいます(O=有機体:Organism)。」
    「心理学用語大全」,77P

    スキナーの徹底的行動主義、オペラント条件づけとはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    徹底的行動主義心理学は観察・操作可能な刺激と反応の間の相関関係を見いだす、関数分析を行わなければならないと考えるスキナー(Skinner Burrhus Frederic,1904-1994)の立場のこと。

    スキナーは実験的行動分析学派の創始者としても知られている。

    POINT

    オペラント条件づけ報酬や懲罰に対して、自発的に行動するよう学習することである。スキナーの考え。

    オペラントとはオペレート(操作)の派生言葉である。古典的条件づけが「先行する刺激」に行動が左右されるのに対して、オペラント条件づけは「報酬や懲罰といった、行動の結果としての刺激」に左右されるという点に特徴がある。その結果によって行動が増えた場合は「強化」と呼ばれ、行動が減った場合は「弱化」と呼ばれる。スキナーは人の自発的な行動は性格などの内的な要因ではなく、報酬や懲罰といった外的要因が引き起こすと結論づけている。

    アドラーは内的要因や選択を重視するので、スキナーの考えには反対するだろう。また、賞罰教育をアドラーは否定している。

    とはいえ、外的要因がなんら行動に影響を与えないとまではアドラーは考えず、影響は与えると考える。外的に全てが決定されるという決定論ではない。行動するものの選択・自由の余地を残すことから「緩やかな決定論」とも呼ばれることがある。

    キーワード:徹底的行動主義とは
    「スキナーは徹底的行動主義(radical behaviorism)を唱え、抽象的な原理や仲介変数などの観察不可能な仮説的構成概念を心理学に導入するのに反対した。彼は、科学の目標は出来事と予測の制御であるので、心理学は観察・操作可能な刺激と反応の間の相関関係を見いだす、関数分析を行わなければならないと考えた。スキナーは一試行ごとにに生体に反応や条件づけを強いる従来の研究法をやめ、スキナー箱で動物に自由に反応させるフリー・オペラント(free operant)の研究を始めた。そして、強化についての環境側の規則である強化スケジュール(schedules ogf reingorcement)が、生体の行動に及ぼす効果について、精力的に研究を展開した。」
    「キーワードコレクション 心理学」,19P

    キーワード:オペラント条件づけとは
    「報酬や懲罰に対して、自発的に行動するよう学習すること。」
    「心理学用語大全」,74P
    「古典的条件づけは、先行する刺激に行動が左右されましたが、オペラント条件付けは、報酬や懲罰といった、行動の結果としての刺激に左右されます。報酬や懲罰で行動を増やすことを強化、報酬や懲罰で行動を減らすことを弱化といいます。…条件反射のような生理反応は、性格などの内的な要因ではなく、ベルの音などの外的な要因が引き起こします。人の自発的な行動もまた、性格などの内的要因ではなく、報酬や懲罰といった外的要因が引き起こすのだとスキナーは結論づけました。」
    「心理学用語大全」,75P

    ウェルトハイマーの「ゲシュタルト心理学」

    ウェルトハイマーの「ゲシュタルト心理学」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    ゲシュタルト心理学全体は部分の寄せ集めではなく、まず全体があって部分はその全体に依存して現れると考える心理学のこと。全体はゲシュタルトと呼ばれ、全体は部分(要素)の総和以上のものを生み出すと考える立場である。

    ゲシュタルト心理学は「全体論(ホーリズム)」に基づいた心理学といえる。なお、個人の自由を否定し、国家ないし社会の全体を一元的に支配統制することを原理とする政治思想である「全体主義」とは異なることに強く注意する必要がある。アドラーとも真逆の思想である。

    全体論(ホーリズム)的な要素はアドラーの考えと一致するものがある。部分ではなく個人という全体、あるいは個人は人類や世界の一部という視点をアドラーは重視するからである。

    ゲシュタルト心理学はウェルトハイマー(Max Wertheimer,1880-1943)、ケーラー(Wolfgang Köhler,1887-1967)、コフカ(Kurt Koffka,1886-1941)などによって創始された。レヴィン(Kurt Lewin,1890-1947)の場の理論などもゲシュタルト心理学系列である。主にこの3人によって共同で理論が提唱されたものと仮定する。

    ・全体を部分の単なる寄せ集めと考える「要素主義、構成主義、行動主義」に対して批判的な立場である。

    キーワード:ゲシュタルト心理学とは
    「当時支配的であった要素主義や構成主義、行動主義は、全体は部分の寄せ集めであり、刺激の性質と知覚の特性の間には一対一の一義的対応関係があるという考えに立っていた(モザイク仮説)。しかし、ゲシュタルト心理学はそのような考え方を恒常仮定(constancy hypothesis)と呼んで批判し、全体は部分の寄せ集めではなく、まず全体があって部分はその全体に依存して現れると主張した。この全体性を『ゲシュタルト(形態)』と呼び、心理学はこのゲシュタルトの性質を研究するべきだとした。たとえば、2つの静止した光点を適当な時間間隔で経時的に提示すると、2つの光点の点滅ではなく、1つの光点のなめらかな運動印象が得られる(図5)。これが、仮現運動と呼ばれる現象である。この場合、仮現運動を構成している要素は二つの光点であるが、それらの要素に対する感覚を単に合わせただけでは運動印象は決して生じてこない。二つの光点は互いに関連し合って、一連の全体過程の部分を構成しているのである。心理学は、ここで生じたような全体過程を問題とするべきである、というのがゲシュタルト心理学の考え方である。」

    「キーワードコレクション 心理学」,14P

    「心理現象の本質は部分(要素)ではなく全体性にあるという説。…このように、全体(ゲシュタルト)は要素の総和以上のものを生み出します。ですから意識の中身を要素に還元するのではなく、全体として研究しなければならないとヴェルトハイマーは考えたのです。」
    「心理学用語大全」,82-83P

    仮現現象、ゲシュタルト要因、プレグナンツの法則とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    仮現現象実際はなにもない部分に連続運動が見えてくる現象のこと。

    仮現現象は、意識は要素の総和だとする構成主義(要素主義)では説明ができない。例えば2つの図形を交互に点滅させると、それらの図形が連続しているように見えるケースなど。アニメや映画も、静止した画像を連続させることで動いているように知覚させる。一つの画像、要素だけに着目していてはこのような知覚を説明できない。足し算ではなく掛け算のようなイメージ。アドラーの共同体感覚も仮現現象のようだと私は感じる。なぜなら、実際は確認できない「(完全な)共同体感覚」を我々は前へ前へと日々連続的に運動しているうちに、なんとなく感じるような現象とも言えるからである。人類全体と私がつながっているという意識も連続した生のうちに見えるかのように感じるのである。改めてこのように言うとヘーゲル感がある。

    POINT

    ゲシュタルト要因まとまり(ゲシュタルト)を発生させる要因のこと。

    知覚されたいくつかの要素は、バラバラに認識されるのではなく、ひとつのまとまりとして認識されるという考えを「群化の理論」または「体制化の理論」とも呼ぶ。

    このゲシュタルト要因はクリストファー・アレグザンダーの美学にも通じるものがあるのでとても重要になる。

    POINT

    プレグナンツの法則(簡潔性の法則)・人が物事全体(ゲシュタルト)を認識する際、受け取った刺激をなるべく単純明快な方向で認識しようとする傾向のこと。

    ゲシュタルト要因が発生する理由として、人間の心理にこの法則が作用しているという。「簡潔な説明のほうが正しい」というオッカムの剃刀とも通じるものがあるだろう。

    キーワード:【ウェルトハイマー】仮現現象とは
    「このように、実際はなにもない部分に連続運動が見えてくる現象を仮現現象といいます。仮現現象は、意識は要素の総和だとする構成主義(要素主義)では説明ができませんでした。」
    「心理学用語大全」,84P

    キーワード:【ウェルトハイマー】ゲシュタルト要因とは
    「ウェハイマーは、知覚されたいくつかの要素は、バラバラに認識されるのではなく、ひとつのまとまりとして認識されると考えました(群化の理論・体制化の理論)。彼はそのまとまりを発生させる要因をゲシュタルト要因と名付けました。」
    「心理学用語大全」,85P
    キーワード:【ウェルトハイマー】プレグナンツの法則とは
    「ウェルトハイマーは、人が物事全体(ゲシュタルト)を認識する際、受け取った刺激をなるべく単純明快な方向で認識しようとする傾向があると考えました。これをプレグナンツの法則といいます。さまざまなゲシュタルト要因が発生する理由は、人間の心理にプレグナンツの法則が作用しているからなのです。」
    「心理学用語大全」,85P

    レヴィンの「場の理論」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    人間が物事を全体的に捉えるひとつの枠組みのこと。レヴィン(Kurt Lewin,1890-1947)の考え。

    POINT

    場の理論ヒトの行動(B)はヒト(P)と環境(E)の関数B=f(P,E)であるとし、ヒトと環境の相互作用である生活空間によってヒトの行動は影響を受けるという考えのこと。

    人間の行動は個人の性格や欲望だけで決まるわけではなく、個人が置かれた場(環境)に左右される。レヴィンの考え。場の理論はマンハイムのイデオロギーやクーンのパラダイムシフトなどとも関連する用語であり、重要であると考える。

    キーワード:【レヴィン】場の理論とは
    「たとえば、レヴィンは独自の場理論により、ヒトの行動(B)はヒト(P)と環境(E)の関数B=f(P,E)であるとし、ヒトと環境の相互作用である生活空間によってヒトの行動は影響を受けるとした。また、彼の社会行動についての研究は『集団力学』というかたちで発展し、現実の実験社会心理学のはしりとなった。」
    「キーワードコレクション 心理学」,15P
    「私たちは通常、上図を4本の線とは捉えずに、2本の棒と捉えます。私たちは、一つひとつの要素を別々に見てそれらを結びつけているのではなく、物事を全体的にひとつの枠組み(場)として捉えれているのです。」
    「心理学用語大全」,88P
    「レヴィンはゲシュタルト心理学を社会心理学(人の意識や行動は、社会からどのような影響を受けているか、また社会にどのような影響を与えているかを分析する学問)に応用しました。人間の行動は個人の性格や欲望だけで決まるわけではなく、個人が置かれた場(環境)に左右されます。これを場の理論といいます。」
    「心理学用語大全」,218P」

    フロイトの「精神分析学」

    フロイトの「精神分析学」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    精神分析学無意識を意識化させて心理現象を分析する学問のこと。精神分析療法として発展していった。フロイト(Sigmund Freud,1856- 1939)によって創始され、体系化された学問である。

    キーワード:精神分析とは
    「精神分析学(phychooanalysis)はフロイトによって創始され、体系化された学問である。フロイトはヒステリー(histeria)の研究に取り組む中で、ヒステリーの症状の原因として、無意識(unconsciousness)の中に抑圧(repression)された過去の不快な記憶(心的外傷体験)があること、そのために発生した情緒が適切に処理されないところから症状は起こること、そして催眠などの方法により不快なものとして抑圧された記憶を想起させることができれば、抑えられた情緒を開放し治療することのできることを見い出した。」
    「キーワードコレクション 心理学」,20P
    「無意識を意識化させて分析するフロイトが始めた研究。精神分析は客観的な方法ではないため、科学ではないという批判もある。」
    「心理学用語大全」,104P

    フロイトの自由連想法、夢判断とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    自由連想法患者をソファーに寝かせて、リラックスさせた状態で心に浮かんだことを語らせ、抑圧された無意識内の願望や衝動を明らかにしていく方法のこと。フロイトの考え。

    POINT

    夢判断夢の内容を分析することによって抑圧された無意識内の欲動を明らかにしていく方法のこと。睡眠の中では自我の抑圧が低下し、無意識の中から欲動(リビドー)が浮かび上がり、意識と混ざりあって「夢」がつくられるとした。フロイトの考え。

    ・ちなみにユングの場合は夢は「無意識の現れ」という点は一致しているが、無意識に抑圧されたものという「対立関係」ではなく、むしろ「意識を補償するもの」と考えているという。この点でアドラーの意識と無意識の「相補関係」と通じるものがある。

    キーワード: 【フロイト】自由連想法とは
    「精神科医であったフロイトが、患者の治療のためにとった主な心理療法は自由連想法と呼ばれています。自由連想法とは、患者をソファーに寝かせて、リラックさせた状態で心に浮かんだことを語らせ、抑圧された無意識内の願望や衝動を明らかにしていく方法です。無意識を意識化させて分析するフロイト独自の研究は精神分析(精神分析療法)として発展していくことになります。」
    「心理学用語大全」,104P
    キーワード:【フロイト】夢判断とは
    「夢を無意識の欲動が形を変えて現れるイメージと定義し、夢の内容で無意識の欲動を明らかにする方法。夢のイメージは主に性欲を表すとフロイトは考えた。」
    「心理学用語大全」,105P
    「フロイトは夢を『睡眠で自我の抑圧が低下することによって、無意識の中から欲動(リビドー)が浮かび上がり、それが意識と混ざり合うことでつくられるもの』と定義しました。彼は、夢の内容を分析(夢判断)することによって、抑圧された無意識内の欲動を明らかにしていくことができると考えました。夢判断も自由連想法と同じく、フロイトにとって重要な精神分析療法のひとつでした。」
    「心理学用語大全」,105P

    キーワード:【フロイト】夢解釈
    「伝統的には精神分析学派によって,悪夢の報告者の内的世界の解釈資料として理解する心理支援が行われてきた(小此木,1998)。フロイトの夢解釈は,類型論的な方法で夢がどのような無意識を表しているかについて,象徴的に解釈する手法である。また夢の主題やイメージのみならず,その後に続く自由連想を含めて,個々の夢だけではなく,一連の夢の流れを理解することに重きをおいている。しかしフロイトの夢は病理モデルに基づいているため,すべての夢の解釈を一般化できるかについては批判が多い。」
    松田英子「夢を媒介とする心理療法の歴史と展開.」,148p

    キーワード: 【ユング】ユング派の夢解釈
    「カール・G・ユングは,夢は無意識の現れであるとする点ではフロイトと一致してるが,無意識に抑圧されたものではなく,むしろ意識を補償するものと捉えた(Hill&Spangker,2007)。ユング派の夢分析では,連想の過程で出現するテーマを,神話や伝説の類似のテーマと結びつけ理解することを重要視している。夢の神秘性,芸術性を求める場合にはよいが,これら精神分析的夢理論は,実証的なエビデンスを欠く主観的な推測と判断されている(Gardner,2000)。」
    松田英子「夢を媒介とする心理療法の歴史と展開.」,148p

    フロイトの局所論(無意識、前意識、意識)とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    局所論心を意識、前意識、無意識の3つの層に分けて考える理論のこと。フロイトの考え。

    POINT

    無意識自分では認識できない抑圧されている意識のこと。常に意識の中に入り込みたがっている、意識できない層のこと。人の行動の大部分は理性でコントロールできない無意識に支配されているとフロイトは主張した。

    今までは理性的に自分の行動を決めていると考えられていたので対照的である。無意識は後に「イド(エス)」に相当するものと考えられるようになる。

    POINT

    前意識抑圧されているわけではなく、単に忘れ去られているもので、容易に意識化できるもののこと。努力すれば意識できる層のこと。フロイトの考え。

    POINT

    意識抑圧されているものでも、忘れ去られているものでもないもののこと。意識している層のこと。フロイトの考え。

    たとえば「無意識に暴力をふるってしまった」のは過去に父親に暴力を振るわれた体験が抑圧されていたからだ、といったように考えていく。

    アドラー心理学ではこのような自分のある部分が勝手にしたというような「言い訳」を許さない。無意識という自分の中にある特定の「部分」のせいにするのではなく、「私という全体」がそれぞれの部分を利用したり影響を受けたりして最終的に「選択(意志、決定)」したのだと考えていく。後で扱うが、フロイトは「原因論」の立場であり、アドラーは「目的論」の立場である。

    キーワード:【フロイト】無意識、前意識、意識、局所論
    「なお、彼のいう無意識とは、単に意識されないだけでなく、意識(consciousness)に受け入れると精神の安定が脅かされるために抑圧されたもののことをいっており、抑圧されているわけではなく、
    単に忘れ去られているもので、容易に意識化できるものについては彼は前意識(preconsciousness)と呼んでいる。」
    「キーワードコレクション 心理学」,20P
    「自分では認識できない抑圧されている意識のこと。今日、フロイトの『無意識』は実証できないため、科学な概念とはいえないという批判もある。…長らく、自分の行動は自分で理性的に決めていると考えられてきました。ところがフロイトは、人の行動の大部分は理性でコントロールできない無意識に支配されていると主張しました。」
    「心理学用語大全」,92P
    「他にも、動機が不明な行動や思いつき、ささいな言い間違い、夢などは、すべて無意識が原因だとフロイトはいいます。」
    「心理学用語大全」,92P
    「フロイトは心を意識・前意識・無意識という3つの層に分けて理解しました(局所論)。そして、普段は無意識の中に抑圧されている記憶が、なにかの拍子に意識の中に入ることで、さまざまな行動が生まれるのだと主張しました。」
    「心理学用語大全」,93P
    メモ:動機(目的)が不明な行動というワードは重要
    メモ:「人の行動はその人の意識が理性的に決めている(意志論)」vs「人の行動は無意識が影響している」(決定論)

    フロイトのイド(エス)、自我、超自我(スーパーエゴ)、リビドーとはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    イド(エス)無意識に相当するものであり、「快楽原則」に従って性の本能や攻撃の本能の満足を求めるものとされている。リビドー(欲動)をこのイドが導くという。リビドーのためのエネルギーのようなものである。フロイトの考え。

    POINT

    自我(エゴ)現実を意識し、「現実原則」に従って欲求を満足させようとするものであるという。イドと超自我を調整する主体である。フロイトの考え。

    POINT

    超自我(スーパーエゴ)子ども時代から親や社会によって規定された「道徳原則」に従い、正しい行動をするよう仕向ける「良心」に相当するものだという。しばしば自我と対立するという。フロイトの考え。超自我は自我を抑圧し、自我はイドを抑圧しようとする。

    POINT

    リビドー「本能的なエネルギーである性的欲動」のこと。フロイトはリビドーが人間の主な原動力だと考えている。

    生まれたばかりの乳児にもリビドーは存在し、発達とともにリビドーは肛門期、男根期、潜伏期、性器期と変化していくという。それぞれの時期に見合ったリビドーが上手く満たされないと、大人になってから精神疾患として症状が現れるという。

    フロイトは晩年、快楽原則や現実原則だけでは説明がつかない行動を説明するためにタナトス(死の欲動)を考えたという。

    タナトスと対照的に、性的欲動や自己保存の欲動がエロス(リビドー)と呼ばれることがある。

    なお、アドラーはフロイトのタナトスという考えを批判している。また、「ある種の性格特徴が子どもの誕生順と一致するということが正しければ、性格は遺伝する、性格の形成は肛門やなにかと関係すると言った議論はもう必要なくなります」とまでいっている。

    キーワード: 【フロイト】イド(エス)、自我、超自我
    「フロイトの考えは時代とともに変遷しているが、彼の意識-前意識-無意識という心の構造のとらえ方は、後にイド(Id)、自我(ego)、超自我(superego)というパーソナリティ構造に発展することになった。イドは従来の無意識に相応するものであり、『快楽原理』に従って性の本能や攻撃の本能の満足を求めるものとされる。フロイトは人の基本的な生命エネルギーをリビドー(libido)と呼んでいるが、このリビドーがイドを導くのである。一方、自我は現実を意識し、『現実原理』に従って、欲求を満足させようとするものである。3番目の構造である超自我は、子ども時代から親や社会によって規定された『道徳原理』に従い、正しい行動をするよう仕向ける『良心』に相当するものである。自我はイドの情熱に駆り立てられ、それを現実との関係で何とか調整しなければならないし、完全化を求める超自我の要求にも沿おうとして困難な立場に立つことになるわけであり、神経症などは自我がその立場に耐えられなくなったときに起こると考えるのである。」
    「キーワードコレクション 心理学」,21-22p
    「超自我とは、道徳的、社会的な自我で、しばしば自我と対立する。自我とは、エスと超自我を調整する主体。エスとは本能的(性的)な欲動。」
    「心理学用語大全」,94P
    「エスは本能的な欲動であるリビドーを中心とする無意識的な心的エネルギーの貯蔵庫で、ただ快楽だけを求める快楽原則に基づいています。一方自ら生きていくため自我は、理想原則に基づく超自我に抑制されながらも、現実原則に基づいてエスの欲動を抑圧しています。」
    「心理学用語大全」,94P
    「快楽原則とは、ただ快楽のみを求める心の働き。現実原則とは、欲動を抑圧しつつ現実世界に適応しようとする心の動き。理想原則とは、社会で良心的に生きていこうとする理想的な心の動き。」
    「心理学用語大全」,94P

    キーワード: 【フロイト】リビドー
    メモ:リビドーはラテン語
    メモ:12歳以降のリビドーと幼児期のリビドーは区別される
    「本能的なエネルギーである性的欲動をフロイトはリビドーと呼び、リビドーが人間の主な原動力だと考えました。フロイトによれば、生まれたばかりの乳児にもリビドーは存在し、発達とともにリビドーは肛門期、男根期、潜伏期、性器期と変化していきます。各時期に見合った性的欲動がうまく満たされると、リビドーはスムーズに変化していきます。ところがかく時期で、リビドーが通常の満たされ方をしない場合、大人になってから、その時期に固着した症状が現れるとフロイトは考えました。彼は6歳くらいまでの経験がその後の人生を大きく左右するといいます。」
    「心理学用語大全」,96P
    「口唇期は0~1歳くらいで、口唇で乳を吸うことにリビドーを感じる時期。肛門期は1~3歳くらいで、排泄すること、我慢することにリビドーを感じる時期。男根期は3~6歳くらいで、エディプス期でもあり、自分の性器にリビドーを感じる。潜伏期は6~12歳くらいで、一時的にリビドーが抑えられる。性器期は12歳以降であり、生殖が目的となり、異性の性器にリビドーを感じる。」
    「心理学用語大全」,96P

    キーワード:【フロイト】エロス・タナトス
    「フロイトは晩年、自傷行為や無差別殺人といった快楽原則と現実原則だけでは説明のつかない行動を説明するために、タナトスという概念を導入しました。すべての生物は、自分が生まれる前の無機物の状態に戻ろうとする欲動があるというのです。このような死の欲動がタナトスです。対して、性的欲動や自己保存欲動といった、生きようとする本能的な性の欲動をエロス(リビドー)と呼びました。」
    「心理学用語大全」,103P
    メモ:バーマンのエロスと関わってくるのかもしれない

    フロイトのエディプスコンプレックスとはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    エディプスコンプレックス3~6歳の男根期(エディプス期)に幼児期の男子の母親に対する性的あこがれと、その結果として生じる父親を競争相手として排除しようとする願望のこと。性的倒錯とされている。この願望は満たされることがなく、無惨に打ち砕かれることで心的外傷(トラウマ)体験となり、抑圧される。この抑圧されたものが溢れたとき、神経症などになる。フロイトの考え。

    女性の場合はエレクトラコンプレックスなどともいわれる。

    キーワード:【フロイト】エディプス・コンプレックス
    「フロイトはこうした自由連想の実践のなかで、患者の不安の記憶が常に子ども時代の経験に関わっていること、さらにそれが『性』に関係していることに注目した。有名なエディプス・コンプレックス(Oedipus complex)とは幼児期の男子の母親に対する性的あこがれと、その結果として生じる父親を競争相手として排除しようとする願望である。この願望は満たされることはなく、むしろ無惨に打ち砕かれるわけで、それが外傷体験となり、しかも抑圧されるために後の神経症などの原因になるとフロイトは考えたのである。」
    「キーワードコレクション 心理学」,21P

    フロイトの防衛機制、昇華とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    防衛機制「外部環境から危険が迫ったときや、不快な状況に直面したとき、自己をな何とか守ろうとすること」を防衛と呼ぶ。この防衛のメカニズム、仕組みのこと。適応機制とも呼ばれる。

    防衛機制はジクムント・フロイトの概念だが、娘のアンナ・フロイトが『自我と防衛機制』で整理したという。重要な点は、おそらくアドラーの「補償」概念が加えられていることだろう。

    アンナ・フロイトは抑圧、反動形成、同一化、合理化、退行、昇華といったさまざまな防衛機制を説明している。今回はジクムント・フロイトが特に重視していたという昇華を紹介する。

    また、アドラーが独自に追加したと思われる「補償」も紹介する。なお、補償については後ほど詳細に扱う予定である。

    POINT

    昇華「抑圧されている社会的、文化的に認められない欲動を、認められる行動に置き換えることで満足させる心の動き」を意味する。芸術やスポーツなどもその例かもしれない。

    たとえば暴力は通常、社会的に認められていない。しかしボクシングは認められている。社会を破壊することは認められていないが、それを芸術で絵として表現することは認められている。ジクムント・フロイトが最も重視した防衛機制だという。ある種の治療なのかもしれない。

    POINT

    補償「自分の弱点をカバーするために他の望ましい特性を強調すること」を意味する。

    いわゆるマイナスをプラスに変えようとする「優越性(プラス)への欲求」が補償を導くのであり、「劣等感(マイナス)」とセットで扱われる。アドラーの考え。

    プラスでいたいという欲求がまずある(優越性の欲求)。

    しかし、現実ではそうではなく、理想のプラスの状態よりもマイナスの状態であることが多い(ギャップがある)。

    そこで劣等感が生じる。さらにその劣等感を「克服」するためになんとかマイナスをプラスに変えようと努力する。

    重要なのはそうした補償や克服の「方向」であり、適切な方向と適切ではない方向をアドラーは区別している。その基準が「共同体感覚」の有無である。

    たとえば努力や忍耐を避け、安易に家に引きこもって働かずに安心を確保したり、他人を攻撃して優越感に浸り安心を確保するのも「補償」である。しかし、共同体感覚は伴っておらず、他者への貢献という意識、仲間意識が希薄であるといえる。また、さらに重要な点として、当事者は不幸だと感じていることが多いということである。そしてもし不幸だと感じているのならば、適切な補償の方向へと向かうような「ライフスタイル」をあなたは今・この瞬間から「選択」するべきだという。そしてあなたにはそうしたライフスタイルを変えられる「能力」があるという。

     キーワード:【フロイト】防衛機制(Defense Mechanism)
    「人は外部環境から危険が迫れば、自己をな何とか守ろうとする。不快な状況に直面した場合や内的な衝動を満足できない場合も同様である。これを防衛といい、防衛の際に人びとが採用する主として無意識的な手段を防衛機制(defence mechanism)という。一般的にいえば、危険・不安を回避して状況に適応するための手段と考えられるので適応機制(adjustment mechanism)とも呼ばれる。」
    「キーワードコレクション 心理学」,272P
    「自我は、常にエスから浮上してくるよくj道にさらされています。そのため、自我は自らの崩壊を防ぐため、いろいろな心理的防御策をとっているとフロイトは考えました。この心の働きを自我防衛機制といいます。防衛機制における自我の働きは、意識的に、またしばしば無意識的に行われます。防衛機制には、抑圧、反動形成、同一化、合理化、退行、昇華といったさまざまな種類があります。」
    「心理学用語大全」,100p
    メモ:さらに投射、補償が挙げられている。アドラーの「補償」概念が加えられていることにポイントがあるのだろう。
    キーワード: 【アドラー】補償(compensation)
    「アドラーの提唱した概念で、自分の弱点をカバーするために他の望ましい特性を強調することを指す。劣等感に由来する心理的緊張を、他の側面で優れることによって解消しようとする傾向である。」
    「キーワードコレクション 心理学」,274P
    メモ:補償の方向が大事

    「アドラーはフロイトの精神分析に大きな影響を受けましたが、性的エネルギーが人間を動かしているとは考えませんでした。アドラーは防衛機制の中でも、特に補償を重要視します。劣等感を補償しようとする心の動きが行動のエネルギーだと考えたからです。アドラーによれば、他人より優れていたいという優越欲求がそうした心の動きを生み出します。」
    「心理学用語大全」,118P
    キーワード: 【フロイト】昇華
    「フロイトが最も重要視した防衛機制のひとつが昇華です。昇華は抑圧されている社会的、文化的に認められない欲動を、認められる行動に置き換えることで満足させる心の動きを指します。つまり、置き換えの健全なバージョンです。性的欲動を芸術に向けたり、攻撃的欲動をスポーツに向けると言った行動が代表例といえます。」
    「心理学用語大全」,102P

    ユングの「分析心理学」

    ユングの「分析心理学」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    分析心理学個人的無意識だけではなく、集合的無意識(普遍的無意識)を分析することに特徴がある心理学のこと。たとえば人が恋をするとき、アニマあるいはアニムスのイメージを異性の相手に投影すると考えて分析する。ユング(Carl Gustav Jung,1875-1961)によって創始された。

    ユングはフロイトの考えがあまりに生物学的であり、性的なものに偏っているとしてフロイトから離反し、独自の理論を形成するようになったという。

    リビドー(エネルギー)は性的なものだけではなく、もっと広い内容を含む生命エネルギーだと見なしている。

    ユングの個人的無意識、集合的無意識、元型、セルフとはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    個人的無意識あらゆる忘却された経験や、意識に上らない衝動や願望から成り立っているもの。容易に意識に呼び戻すことができるものとされている。ユングの考え。

    POINT

    集合的無意識個人的無意識のさらに深層に位置しており、人類全体の心の奥底にあると考えられるもので、人類がその誕生以来積み重ねて来た経験から成り立っているもの。「元型」が集合的無意識の元になっているとユングは考えた。通常は意識されることがなく、夢や投影された形(芸術)などに現れるという。

    POINT

    元型集合的無意識に保存されている要素、イメージのこと。

    すべての人類の無意識の中にある母なるものが「グレートマザー」と呼ばれている。男性の中にはアニマ、女性の中にはアニムスが、というように多様な元型が考えられている。他にはペルソナ、英雄、セルフ、トリックスター、シャドウ、オールドワイズマンなどがある。

    アドラーとの関連でユングの中でも重要な概念が元型のひとつである「セルフ(自己)」だろう。

    セルフは完全な自分像、真の自分像だとされている。神や光、美しい模様として意識化されることがあるという。こうしたセルフはアドラーの考える人間の先天的な優越性の欲求とつながっているとも考えることもできる。

    とはいえ、アドラーは無意識をあまり重視していない。「無意識に・・・」、「ついとっさに感情的になって・・」、「過去のトラウマのせいで・・・」、「両親のせいで・・」と「言い訳」に使われると人間は後ろ向きになるからである。

    性や無意識を重要視している点をアドラーは批判してる。ユングも無意識を最重要視している点で同じだろう。アドラーは無意識よりも意識を、あるいはそれぞれの部分ではなく「全体」を重視する。トラウマなどの過去に規定される存在ではなく、人間は未来へ向かって目的を自分の(自由)意志で設定するという考えを主張している。そうした意志を勇気づける、援助するための教育などの社会的条件も重要であると考えている。

    キーワード:【ユング】個人的無意識と集合的無意識
    「ユングもまた無意識の重要性を強調したが、彼は無意識には2種類のものがあるとしている。最初の個人的無意識(personal unconsciousness)はあらゆる忘却された経験や、意識に上らない衝動とか願望から成り立っており、これは容易に意識に呼び戻すことができるものとされる。集合的無意識(collective unconsciousness)は個人的無意識のさらに深層に位置しており、人類全体の心の奥底にあると考えられるもので、人類がその誕生以来積み重ねて来た経験から成り立っているとされる。」
    「キーワードコレクション 心理学」,23P
    キーワード:【ユング】元型
    「ユングは世界各地の神話や芸術を調べてみると、直接交流があったとは考えられない地域の間で非常によく似たモチーフがしばしば見られることを指摘している。こうした共通したモチーフは元型(Archetype)と呼ばれ、これが集合的無意識のもとになっていると考えるのである。元型は、通常は意識されることはなく、投影された形や、夢あるいは空想の中に現れる。」
    「キーワードコレクション 心理学」,23P

    キーワード:フロイトとアドラー
    「ある種の性格特徴が子どもの誕生順と一致するということが立たしければ、性格は遺伝する、性格の形成は肛門やなにかと関係すると言った議論はもう必要なくなります。」
    アルフレッド・アドラー「生きる意味――人生にとっていちばん大切なこと――」,長谷川早苗訳,240p
    「一般として,個人心理学の創設者は非常に鋭敏で知覚力があり,観念形成と情動の関係性について正しい見識を持つと私は考える。もともとフロイトは聡明にも,不適応的情動や神経症は基本的に観念的なものであるという理論を考案した。しかしながら,不幸に もこの素晴らしいアイデアはエディプス神話の論争の中に埋もれてしまった。」
    森本康太郎 「アドラーの個人心理学における理性と情動 アルバート・エリス」,137p

    「臨床心理学」

    臨床心理学とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    臨床心理学心の問題を抱える個人(クライエント,患者)の援助、治療を目的とする学問のこと。応用心理学に分類される。

    「精神医学」と混同されることが多く、その境界は曖昧だという。

    アメリカ心理学会の臨床心理学の定義では「知的、情緒的、心理的、および行動上での障害と不安を理解し、その人の将来を予測するとともに、その状態の緩和をめざす」こと、「心理的苦痛、個人生活・社会生活・職業生活の機能不全について、その性質や原因を診断すること」とされている。

    臨床心理学という言葉を最初に使ったのはウィトマー(Lightner Witmer,1867-1956)であるが、臨床心理学に対する理論的な影響は小さいという。

    ・臨床心理学の治療法は、主に「投薬」と「心理療法」の2つだという

    ・心理療法には精神分析、行動療法、クライエント中心療法、認知療法、ゲシュタルト療法、論理療法などがある。現代の主流は行動療法と認知療法を組み合わせた「行動認知療法」だという。ざっくりと各療法を理解していく。

    キーワード:臨床心理学とは
    「臨床心理学(clinical psychology)とは、心理的な問題をかかえている人を理解し、その問題からの回復を援助するための学問である。一般には精神医学(psychiatry)と混同されることが多く、その境界も曖昧である。アメリカ心理学会(APA)のガイドラインによる臨床心理学の定義は、『知的、情緒的、心理的、および行動上での障害と不安を理解し、その人の将来を予測するとともに、その状態の緩和をめざす』こと、そして『心理的苦痛、個人生活・社会生活・職業生活の機能不全について、その性質や原因を診断すること』とされている。臨床心理学という言葉を最初に使ったのは、アメリカのウィトマーである。」

    「キーワードコレクション 心理学」,24P

    「クライエントの治療方法には、投薬と心理療法の2つがあります。心理療法には、フロイトが創始した(1)精神分析、行動主義の考えを基盤とした(2)行動療法、ロジャーズの(3)クライエント中心療法、認知心理学を基礎とした(4)認知療法などがあり、現在は2と4を併用し認知行動療法が中心となっています。」
    「心理学用語大全」,114P

    基礎心理学と応用心理学の違いとはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    基礎心理学科学的知識を実験によって得ようとする学問である実験心理学とほぼ同等のものと見なされている。

    知覚、学習、記憶、思考、パーソナリティ、感情、情動などの領域の問題を取り扱う。理論心理学、数理心理学、知覚心理学、学習心理学など多様な分類がある。

    POINT

    応用心理学基礎心理学で得られた成果を取り入れ、さらにそれを人間の実際の生活の向上に応用し、役立てようとする学問のこと。

    例えば(臨床、教育、産業、環境、犯罪、経営、広告、音楽、スポーツ、政治、社会)心理学など。応用心理学の中には独自の研究方法と原理をもった1つの独立した学問として発展した分野もあるという。

    キーワード:基礎心理学とは
    「一方、基礎心理学は、科学的知識を実験によって得ようとする実験心理学(experimental psychology)とほぼ同等なものと見なされることが多く、知覚、学習、記憶、思考、パーソナリティ、感情、情動などの領域の問題を取り扱う。研究方法によって分類されたり(たとえば、理論心理学、数理心理学など)、取り上げる領域によって分類されたり(たとえば、知覚心理学、学習心理学など)している。

    「キーワードコレクション 心理学」,37P

    「心理学は基本的に、一般的な人間心理の法則を、実験を通じて科学的に解明しようとする学問です(実験心理学)。これに対して臨床心理学は、心の問題を抱える個人(クライエント)の援助、治療を目的とします。」
    「心理学用語大全」,114p
    キーワード: 応用心理学とは
    「応用心理学(applied psychology)は、基礎的な心理学で得られた成果を取り入れ、さらにそれを人間の実際の生活の向上に応用し、役立てようとする学問である。しかし、単に心理学的な知識を利用するだけの学問ではない。基礎的な心理学での研究が直接応用心理学につながらない場合もある。また、応用心理学の中には独自の研究方法と原理をもった1つの独立した学問として発展した分野もある。このように考えると、応用心理学は心理学の応用部門と考えるよりも、1つの独自の科学と考えるほうが妥当であるかもしれない。」

    「キーワードコレクション 心理学」,36P

    精神分析療法とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    精神分析療法カウンセリングを受けに来た人(クライエント)の無意識を意識化させて心の問題を治療する方法。自由連想や夢判断など。フロイトが代表的である。

    キーワード:精神分析とは
    「クライエントの無意識を意識化させて心の問題を解決する自由連想法や夢判断などがある。」
    「心理学用語大全」,114P

    ウォルピの行動療法とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    行動療法「行動科学を人の不適切な習慣や行動の修正に応用するための方法の総称」であるという。オペラント学習理論に基づいた方法論が初期に採用されたという。その後、「社会的学習理論」などの多くの理論を取り入れて発展していったという。

    具体的な方法としては「逆制止法(不安を引き起こす刺激に対して、安心を引き起こすように訓練をして不安を消去していく心理療法)」や「系統的脱感作法(恐怖が小さいものから段階的に恐怖を消去していく心理療法)」などがあるという。代表的な人物はウォルピ(Joseph Wolpe,1915-1997)である。

    POINT

    行動科学行動主義や新行動主義の理論体系はまとめて「行為理論」と呼ばれている。ワトソンの行動主義の影響を受けて、別の学問として行動生理学、行動遺伝学、行動経済学、行動生物学などさまざまな諸科学が誕生していった。そうした行動を扱う諸科学を総称して「行動科学」と呼ぶ。

    実験主義、実証主義的な側面を重視し、実験できない対象は実験可能になるまで扱うべきではないという禁欲主義の立場が基本である。

    キーワード:行動療法

    「行動療法は,1950年代に体系付けられた心理療法であり,「行動科学を人の不適切な習慣や行動の修正に応用するための方法の総称」である。初期の行動療法は前述のオペラント学習理論に基づいた方法論であったが,その後,社会的学習理論をはじめ,多くの行動科学の理論的基礎を取り入れた方法論として発展している。行動療法は,問題行動のセルフモニタリングなどの技法を用いて,行動変容の準備性の低い生活習慣に対する働きかけにも応用できるが,ここでは行動変容の実行支援に役立つ方法論を中心に紹介する。行動療法のプロセスは,①問題とすべき行動を具体的に捉え(問題行動の特定),②その起こり方を刺激と反応の関係の中で捉えて相互の関係を明らかにし(行動の分析),③解決に効果がありそうな方法を試して(行動技法の選択と適用),④結果を確認しながらうまく続くように支援する(結果の確認とフィードバック),の4段階で構成される(図6)。これらのプロセスは,臨床でいう「問診」,「診断」,「治療」,「評価」に相当する。」
    中村正和「行動科学に基づいた健康支援」,6p
    「間違った条件づけによる学習を、訓練によって新しい条件づけに変え、行動を変化させる療法。逆制止法や系統的脱感作などがある。のちにアイゼンクは行動療法だけが効果的な心理療法だと主張した。」
    「心理学用語大全」,115P

    ロジャーズのクライエント中心療法とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    クライエント中心療法クライエント(カウンセリングを受けに来た人)の考えを無条件に肯定しながら、クライエント自身が問題解決するのを助ける療法のこと。代表的な人物はロジャーズ(Carl Ransom Rogers,1902-1987)。

    POINT

    自己概念自分の自分に対する概念(イメージ)のこと。例:「自分は大人しい」、「自分は短気だ」など。ロジャーズの主張。

    POINT

    心理的不適応状態:自己概念と実際の体験の不一致、心的不適応状態に陥いった状態、自己認知の歪みの状態。いわゆる心的ストレス状態である。ロジャーズの主張。

    ロジャーズは「人には、自己認知の歪みを直し、自己実現(自分の個性の発展)をしようとする機能があらかじめ備わっている」という。

    これはマズローやアドラーに関連がある項目であるといえる。

    キーワード:クライエント中心療法とは
    「クライエントの考えを無条件に肯定しながら、クライエント自信が問題解決するのを助ける療法」
    「心理学用語大全」,115P

    キーワード【ロジャーズ】自己概念とは
    「人は誰もが『私はシャイだ』『私はおおらかだ』など、『自分はこういう人間だ』という概念(イメージ)を持っています。自分の自分に対する概念を自己概念と言います。」
    「心理学用語大全」,126P
    キーワード【ロジャーズ】心理的不適応状態とは
    「ロジャーズは、心的ストレスの原因は自己概念と実際の体験の不一致にあると考えました。この不一致、つまり自己認知の歪みにある状態のことを心理的不適応状態と呼びます。心理的不適応状態にあると、自分が自分ではないように感じられたり、自分に自信が持てなくなります。けれども、人は常に成長する有機体です。よって人には、自己認知の歪みを直し、自己実現(自分の個性の発展)をしようとする機能があらかじめ備わっているとロジャーズは主張します(自己実現傾向)。この力を手助けする心理療法がクライエント中心療法です。クライエント中心療法は、心の問題はクライエント自身にしか治せないという考えに基づいています。」
    「心理学用語大全」,128P

    パールズのゲシュタルト療法とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    ゲシュタルト療法クライエントが自分の中でさまざまな気持ちに「気づく」ことを手助けする療法のこと。精神分析とクライエント中心療法をもとにパールズ(Frederick Salomon Perls, 1893-1970)が始めたという。パールズの方法にはドリームワークやエンプティ・チェアなどのロールプレイングがある。

    POINT

    今の原則過去は存在せず、現在のみが存在すると考える原則のこと。問題は過去にあるのではなく、今心の中にあると考え、今ここで変えていくことができると考えていく。パールズの考え。

    POINT

    未完の行為本人は気づいていない、自己全体(ゲシュタルト)のどこか欠けた部分のこと。「心の穴」とも表現される。ゲシュタルト療法はそうした穴をクライエントが気づくことを助けることによって、またその穴を埋めることで治療を行うという。パールズの考え。

    「今の原則」はアドラーや過去のトラウマを重視しないアドラーや、現在の没頭感を重視するマズローの考えとよく似ている。

    キーワード:認知療法とは
    「クライエントの間違った認知をカウンセリングによって修正する療法。」
    「心理学用語大全」,115P
    メモ:べックなど
    キーワード:ゲシュタルト療法とは
    「クライエントが自分の中でさまざまな気持ちに『気づく』ことを手助けする療法」
    「心理学用語大全」,115P
    メモ:パールズなど
    キーワード:【パールズ】今の原則
    「フロイトと同じようにパールズも、幼児期の未解決問題が、無意識的に心の問題を引き起こしていると考えました。けれどもパールズは、問題は過去にあるのではなく、今、心の中にあるだけだと考えます。トラウマは今、心の中にあるのですから、その問題は、今ここで変えていくことができるわけです(今の原則)。」
    「心理学用語大全」,124P
    メモ:アドラーとの関連性
    キーワード:【パールズ】未完の行為
    「本人は気づいていない未完の行為に気づくことを助けるのがパールズが創始したゲシュタルト療法です。ゲシュタルトは全体という意味で、ここでは自己全体を意味します。クライエントは、自分の心の穴が何であるかに気づき、それを埋めることでゲシュタルトの完成を目指します。」
    「心理学用語大全」,125P

    エリスの論理療法とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    論理療法(REBT)患者にABC理論を理解させ、イラショナル・ビリーフ(不合理な考え)をラショナル・ビリーフ(合理的な考え)に変えさせることで、悩みを解消する心理療法のこと。エリス(Albert Ellis,1913-2007)の考え。

    POINT

    ABC理論「出来事(Affair)」に対する「考え(Belief)」が、悩みという「結果(Conclusion)」を生み出すという理論。クライエントとの討論(Discussion)によって効果(Effect)を得るというところまでを含めて、ABCDE理論とも呼ばれる。エリスの考え。

    Cの原因はAではなくB。BをB’に変えれば、Cも変わる。Aを変える必要はないと考えていく

    アドラーの考えと似ている。また、エリス自身も影響を受けていると述べている。また、フロイトは聡明にも「不適応的情動や神経症は基本的に観念的なものであるという理論を考案した」と述べている。認知論的な要素がフロイトにもあったが、やがてそれらを重視しなくなったということだろう。

    「人間の情動は思考が原因であり、思考によって引き起こされるという仮説」より始めるとエリスは述べている。また、こうした思考は通常、「言語」によって生まれるものだという。この言語は「文章記述」であり、意識または無意識に発生するという。

    たとえば「これはいい!」というような文章記述の場合は「ポジティブな感情」であり、「これはだめだ!」というような文章記述の場合は「ネガティブな感情」である。言語ありきで思考があり、思考ありきで感情が引き起こされるということになる。要するに、何かを何かとして意味づけるという「解釈」は言語的作用だという話である。

    感情を引き起こしているのは出来事ではなく、思考だと考えていく。また、言語がなければ思考もなく、また感情(悩み)もないことになる。解釈は先言語的になりたたないのか、という点は今でも議論がある分野である。

    重要なのはそうした学問的議論ではなく、「人間を治療できるかどうか(勇気づけることができるか)」にあるのだろう。エリスの考えでは、感情を思考の変化によってコントロールすることができるという発想が重要になる。

    では、どのようにして「不適切な思考(=非合理的な思考)」を明らかにするのか、「適切な思考(=合理的な思考)」へと変化させることができるのかという点が手段として必要になる。

    たとえば「私にはあの人しかいなかった」というような失恋によくある思考は事実に基づいていないものとされ、「非合理的な思考」に分類される。「もう一生恋愛できない」という思考も論理的ではないとされ、「非合理的な思考」に分類される。

    「私には未来はない」という思考も気持ちをみじめにさせるので、「非合理的な思考」に分類される。分類できるかどうかはケースバイケースで各人によるのだろう。

    クライエントが混乱して自己破滅的な文章をもって思考し、心の問題が生じているとすれば、そこには「なんらかの非合理的な思考」が存在すると推定される。

    そうした「非合理的な思考」に気づかせるテクニックとして、エリスは「討論」を重視し、相手の非合理的な思考を論駁することを目指すという。

    キーワード:論理療法とアドラー心理学の違い
    「アドラーのコモンセンスや理性に関する見解は,なおも個人心理学と論理療法との重要な相違点を残している。例えば,筆者が個人の非合理性を論じる時,クライエントが誤った前提や非論理的な推論の両方を持っていることを含意している。アドラーは,たとえクライエントが持つ基本前提や目標が間違っていても,クライエントが一旦その前提が正しいと考えたならば,その人は非常に論理的に考えていくと主張する。惑乱した個人のすべてを変えるのではなく,その人が持つ前提や目標における誤りを変えるように求める点において,アドラーやアドレリアンは治療的利点を持つ。アドレリアンは,クライエントが非常に聡明であることを正直に示し,誤った前提について触れる。一方筆者は,思考と推論の両方が間違っていることを理由として,クライエントが非常に愚かな考え方を持っていることを述べるか,暗にそのことを示す」
    森本康太郎 「アドラーの個人心理学におる理性と情動 アルバート・エリス」,139p

    「しかしながら,治療という面においては明確な違いが存在する。アドラーの治療は,惑乱した個人が間違った基本前提や目標を持っていることを,当人に対して指摘することを必要とする。これらの誤りは常に自己中心的な方向性のうえに見いだされ,不適応な情動は誤った目標のはたらきによる。論理療法の立場ではクライエントに対して,混乱するような感情を作り出すようなイラショナルビリーフが何であるかを具体的に示し,それを手放し,生じている感情が一時的だけでなく再び自然と起こりにくくなるまで,いかにそれを論駁し,質問して挑戦していくかを示す。論理療法ではクライエントに,イラショナルビリーフとラショナルビリーフとをいかに区別するかを明確に示す。そしてイラショナルビリーフに対して実証的論理的に立ち向かい根こそぎ退治し,非科学的に信じていて自分を落ち込ませるようなビリーフに対して逆自己教示するべく宿題に取り組み,賢明な基本的人生哲学をいかにして獲得するかを示す。」
    森本康太郎 「アドラーの個人心理学における理性と情動 アルバート・エリス」,140p

    キーワード: 【エリス】ABC理論とは
    「『出来事(A)』に対する『考え(B)』が、悩みという『結果(C)』を生み出すという理論。尚、クライエントとカウンセラーとの『討論(D)』によって『効果(E)』を得るため、後にエリスはABCDE理論と呼んだ。Cの原因はAではなくB。BをB’に変えれば、CはEに変わる。Aを変える必要はない。」
    「心理学用語大全」,132P

    キーワード:【エリス】論理療法とは
    「ABC理論における考え(ビリーフ)にはイラショナル・ビリーフ(不合理な考え)とラショナル・ビリーフ(合理的な考え)の2つがあります。患者にABC理論を理解させ、イラショナル・ビリーフをラショナル・ビリーフに返させることで、悩みを解消するエリスの心理療法を論理療法(REBT=Rational Emotive Behavior Therapy)といいます。」
    「心理学用語大全」,133P

    ベックの認知療法とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    認知療法主に鬱病患者の現状の認知、「自動思考」と呼ばれる認知上の歪みをカウンセリングによって修正し、患者の考え方や行動を改善させる心理療法のこと。ベック(Aaron Temkin Beck,1921-2021)の考え。

    エリスの論理療法を「症状の重いうつ病」に取り入れたところに特徴がある。感情や行動だけではなく、思考や言語といった「認知」に着目した点が重要になる(これはエリスと同じだが)。

    POINT

    自動思考鬱病患者による物事の悲観的な側面ばかりに目を向ける癖のこと。

    ベックは認知療法に「行動療法」の要素も取り入れるようになり、これが後に「認知行動療法」として発展していくことになる。

    認知の改善だけに偏った治療の場合を認知療法と呼び、行動だけに偏った治療の場合を行動療法と呼ぶのだろう。

    キーワード: 認知療法とは

    「臨床心理学者のエリスは、フロイトが提唱した精神分析は心理療法として効果がないと考え、論理療法を提唱しました。この論理療法を一時的な気分の落ち込みよりも症状の重いうつ病の治療に取り入れたのが精神科医のベックです。ベックはうつ病患者が物事の悲観的な側面ばかりに目を向ける癖があること(自動思考)に注目します。患者特有のこうした認知の歪みをカウンセリングを重ねながら修正しようとする心理療法を認知療法といいます。のちにベックは、認知療法に行動療法の要素を取り入れます。こうして生まれた認知行動療法は、今日、うつ病やパニック障害に最も効果のある心理療法のひとつとされています。」
    「心理学用語大全」,134-135P

    キーワード: 【ベック】自動思考
    「ベックはうつ病患者が物事の悲観的な側面ばかりに目を向ける癖があること(自動思考)に注目します。」
    「心理学用語大全」,134P

    認知行動療法とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

    POINT

    認知行動療法思考(認知)と言われる出来事に対する考え方や出来事の受け取り方を変えてストレスや悩みに対処できる状態の心を作っていく治療法のこと。

    思考の変化で感情の変化を促すだけではなく、感情の変化からさらに行動へと繋げるところにポイントがある。

    例:出来事(友人に無視された)、思考(聞こえなかったのだと認知する)、感情(申し訳ないと感じる)、行動(もう一度呼んでみよう)。もしこれが不適切に行われた場合、思考(嫌われていると認知する)、感情(悲しいと感じる)、行動(友人を避けるようになる)。極端な悲観的な思考を、より楽観的な、バランスの良い思考に持っていくことが重要だという。そうしたバランスによって、ストレスの対処や問題を解決するための感情や行動をすることができるという。

    セルフヘルプマニュアルがあり、自分自身でも治療することができるという。アドラー心理学でも悲観より楽観を重視する傾向がある。

    「近年,うつ病や不安障害など様々な精神障害に対する治療法として薬物療法の他に認知行動療法(CognitiveBehavioralTherapy,以下CBT)が使用されている.CBTは思考(認知)と言われる出来事に対する考え方や出来事の受け取り方を変えてストレスや悩みに対処できる状態の心を作っていく治療法である.例えば,出来事に対して図1右のような思考が極端に悲観的で不適応にならずに,左のような楽観的な思考と悲観的な思考のバランスの良い適応的な思考にする.そうすることでストレスの対処や問題を解決するための感情や行動をすることができる.CBTでは患者が知識やスキルを学び,それを用いて思考を変えることで治療を試みる.イギリスやアメリカでは治療の第一選択とされており,うつ病に対する効果をみると薬物療法と同等の効果で低い再発率が認められている.我が国でも保険適応がされ,治療を選択することが可能となっている.」
    石倉陸人, 林篤司, 岩下志乃 「認知行動療法を用いた心理教育 Web アプリケーションの提案」,601p

    「認知行動療法とは,クライエントの不適応状態に関連する行動的,情緒的,認知的な問題について,行動科学の諸理論や行動変容の諸技法を用いて,信念や価値観といった考え方の問題が関連して起こる不適応な反応を軽減するとともに,情緒や行動に直接的に介入するだけでなく,それらに影響を及ぼしている認知的要因を積極的に治療のターゲットとして扱うことにより,適応的な反応を学習させ,情緒の安定や行動の修正を効果的に行っていく方法である.認知行動療法の理論では,認知の誤りと歪み,すなわち誤ったあるいは否定的な思い込みや信念,価値観が否定的な認知的仮説を導き出し,その仮説が否定的な自動思考を作り出し,その自動思考により不適応な反応を起こすと考えられており,認知が行動や反応に与える影響(図1)を軽減させるとともに,その認知過程を変化させることによって心理的悩みや不適応行動を軽減させることを目標としている.また,考え方が変わることによって,気分や行動が変わることをクライエント自身が繰り返し経験することを通して,セルフコントロールの獲得を目標としている.図2は,Stallard13)による思考・感情・行動の適応的循環と不適応的循環のモデルである.Stallard13)によると,人は適応的な循環にあるとき,思考は前向きで,成功を受け入れ,長所を認めることができるため,穏やかでリラックスした感情を呼び覚まし,問題や困難にみずから積極的に向き合ったり挑戦したりするなどの適切な行動をとる.ところが不適応な循環にあるとき,思考は過剰に否定的になり,長所を認めることができず,自己批判的になる.そのことが不快,不安,抑うつ,怒りなどのネガティブな感情を呼び覚まし,回避や諦めなどの不適切な行動をとるようになる.つまり認知行動療法には,感情(情緒)と行動は,主として認知の結果生み出されるものであり,認知と行動に対して適切に介入することで,思考,感情(情緒),行動に変化をもたらすことができるという考えが背景にある.」
    川合 紀宗「吃音に対する認知行動療法的アプローチ」,270p

     

    参考文献リスト

    今回の主な文献

    岸見一郎、 古賀史健「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」

    岸見一郎、 古賀史健「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」

    岸見一郎、 古賀史健「幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII」

    岸見一郎、 古賀史健「幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII」

    岩井俊憲「人生が大きく変わる アドラー心理学入門」

    岩井俊憲「人生が大きく変わる アドラー心理学入門」

    永藤かおる、 岩井俊憲「図解 勇気の心理学 アドラー超入門 ライト版 B5サイズ」

    永藤かおる、 岩井俊憲「図解 勇気の心理学 アドラー超入門 ライト版 B5サイズ」</p

    岸見一郎「アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書) 」

    岸見一郎「アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書) 」

    アルフレッド・アドラー、長谷川早苗(訳)「生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと」

    アルフレッド・アドラー、長谷川早苗(訳)「生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと」

    心理学 改訂版 (キーワードコレクション)

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    汎用文献

    米盛裕二「アブダクション―仮説と発見の論理」

    米盛裕二「アブダクション―仮説と発見の論理」

    トーマス・クーン「科学革命の構造」

    トーマス・クーン「科学革命の構造」

    真木悠介「時間の比較社会学」

    真木悠介「時間の比較社会学」

    モリス・バーマン「デカルトからベイトソンへ ――世界の再魔術化」

    モリス・バーマン「デカルトからベイトソンへ ――世界の再魔術化」

    グレゴリー・ベイトソン「精神と自然: 生きた世界の認識論」

    グレゴリー・ベイトソン「精神と自然: 生きた世界の認識論」

    グレゴリー・ベイトソン「精神の生態学へ (上) (岩波文庫 青N604-2)」

    グレゴリー・ベイトソン「精神の生態学へ (上) (岩波文庫 青N604-2)」

    マックス・ウェーバー「社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」」

    マックス・ウェーバー「社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」」

    参考論文

    ※他の記事を含めて全編を通しての参照した論文です

    ・髙坂康雅「共同体感覚尺度の作成」(URL)
    – 「共同体感覚」の定義の参照

    ・髙坂康雅「大学生における共同体感覚と社会的行動との関連」(URL)

    ・山田篤司「アドラー心理学「共同体感覚」とは何か」(URL)
    – 「共同体感覚」の定義の参照

    ・姜信善,宮本兼聖 「共同体感覚が社会的適応および精神的健康に及ぼす影響についての検討 : 共同体感覚の形成要因としての養育態度に焦点を当てて」(URL)
    – 「共同体感覚」の定義の参照

    ・吉武久美子・浦川麻緒里「青年期の内的作業モデルと, 共同体感覚や SNS での友人とのつながりとの関連性についての検討」(URL)
    – 「共同体感覚」の定義の参照
    ・阿部田恭子,柄本健太郎,向後千春「ライフタスクの満足度と重要度および共同体感覚が幸福感に及ぼす影響」(URL)
    – 統計データ、考察、成人版

    千葉建「共通感覚と先入見: アーレント判断論におけるカント的要素をめぐって」(URL)
    – アーレントの「共同体感覚」の参照。アドラーへの言及は皆無なのだが、しかし人類にとって切実であろうことを語っており、面白かった。これもまた「創造の目的」に繋がりうるものであるといえる。ただし、私はアーレントの主張全体をよく理解しておらず、今回は断片的な摂取に留まる。いずれにせよまずはカントの解説から記事・動画で扱うべきだろう(飛ばしてもいいが)。

    ・熊野宏昭「新世代の認知行動療法」(URL)
    – 認知行動療法について参考に。また、行動主義や機能主義についても参考になる
    ・坂野雄二「不安障害に対する認知行動療法」(URL)
    – 認知行動療法、不安障害について参考に
    ・森本康太郎「論理療法と個人心理学」(URL)
    – アルバート・エリス「論理療法と個人心理学」の翻訳
    – 論理療法、アドラーの主張についての理解
    ・森本康太郎 「アドラーの個人心理学における理性と情動 アルバート・エリス」(URL)
    – アドラーの怒り、悲哀、不安などについて参考になる
    ・森本康太郎「アルバート・エリス博士へのインタビュー マイケル・S・ニストゥル」(URL)
    ・松田英子「夢を媒介とする心理療法の歴史と展開.」(URL)
    – アドラー、フロイト、ユングなどの夢解釈について参考に
    ・中村正和「行動科学に基づいた健康支援」(URL)
    – 行動療法について参考に
    ・石倉陸人, 林篤司, 岩下志乃 「認知行動療法を用いた心理教育 Web アプリケーションの提案」(URL)

    – 認知行動療法について参考に
    ・川合 紀宗「吃音に対する認知行動療法的アプローチ」(URL)
    – 認知行動療法について参考に・増田豊「自由意志は 「かのようにの存在」 か-ディスポジション実在論と行為者因果性論の復権」(URL)
    – ファイフィンガー、二元論、デカルトについて参考に。ディスポジション実在論もなかなか面白そうだ。
    ・小西 美典「法における擬制」(URL)
    – ファイヒンガーの「かのようにの哲学」について参考になる

    ・平山正実「青年のメンタルヘルスと教会」(URL)
    – メサイアコンプレックスの定義の参考に
    吉岡恒生「子どもを援助する者の心の傷とその影響」(URL)
    – メサイアコンプレックスの説明の参考に

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    蒼村蒼村

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    創造を考えることが好きです。
    https://x.com/re_magie

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