【1ワード社会学第十三回(5)】リオタールの「大きな物語の終焉」

ユルゲン・ハーバーマス

動画での説明

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はじめに

社会学とはなにか

社会学とは、「社会を対象とする学問」のことである。そして社会とは基本的に「人々の社会的行為の相互作用の集まり」を意味する。

なぜ社会学が存在するのかについては多種多様な立場があるが、根本的には「社会を分析し、よりよい社会へ導くため」だといえる。社会とはなにか、どう変動していくのかという事実判断やどうあるべきかという価値判断の両方のバランスをとる必要のある学問である。

【基礎社会学第三六回(1)】エミール・デュルケムの社会学とはなにか、学ぶ意味や価値はあるのか

この動画チャンネルシリーズは創造発見学に位置づけられている。要するに、アイデアをひらめくための情報を学ぼうというわけである。ビジネス、友人関係、学業、さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい。

できるだけ1ワードに説明する対象を絞っていく。

記事の分割

(準備中)

(3) [A]合理性関連

[3-4]リオタールの「大きな物語の終焉」

リオタールの「大きな物語」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

ポストモダンの理論家であるリオタールは、「近代の理念は失敗した」と分析している。

代表作は『ポストモダンの条件』(1984)。この著作はルーマンとハーバーマスの論争が意識されている点がポイントである。

近代の理念とは、いわゆる近代啓蒙主義の考えであり、「近代化を推し進めれば宗教的で封建的な古い秩序は塗り替えられ、世界に普遍的な正義や幸福がもたらされるという進歩の物語」である。

これをリオタールは「大きな物語」と表現する。

リオタールからすればハーバーマスはいまだ「大きな物語」にこだわっているといえる。合意によって人々を画一的なあり方へと強制する可能性があるという意味で、危険とすら考えている。

もっともハーバーマスからすれば、近代的な考え方を修正したものであって、そのものではない。また、差異の尊重という視点をもっていると考えるかもしれない。

資本主義の発達、科学技術の進歩、民主主義の定着といった近代化を推し進めた結果、20世紀には環境破壊、核兵器や化学兵器の登場、先進国と途上国の格差、人口爆発と食糧不足、民族紛争や人種差別といったさまざまな問題が生じるようになった。

つまり、「大きな物語」はどうやら上手くいっていないのである。

近代啓蒙主義における理性、人間主義、自由、平等といった「普遍的理念」は単に実現されていないだけではなく、むしろその反対の結果をも生じさせている。

もはやそうした普遍的理念は信じられず、疑われるようになったことをリオタールは「大きな物語の終焉」と呼ぶ。そして時代はモダン(近代)からポストモダン(近代の後)へ移行しつつあるのだと論じている。リオタールは「大きな物語」のような普遍的な理念を追求するのではなく、多様な価値観を認めあい、共存していく必要があるという。リオタールはこれを「小さな物語」と表現している。

・特に参考にしたページ

中岡成文「ハーバーマス」,講談社,130-134p

リオタールにおける「逆理(パラロジー)」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

リオタールが方法論的に重要とする概念が「逆理(パラロジー)」である。

POINT

逆理(英:paralogy)既存の合意や規則を前提にせず、むしろそれを揺さぶり、新しい言語ゲームを生み出す創造的な逸脱的推論のこと。

既存のゲームの枠内で勝とうとするのではなく、ルール自体をズラしていくといったイメージである。単に反抗することが大事なのではなく、揺さぶること自体が柔軟性の保持、反省の保持として重要なのだろう。

選択肢から選ぼうとするのではなく、選択肢そのものを変えるというイメージでもあるかもしれない。

今回は深く扱えないが、このような話を聞くとベイトソンの学習2や学習3を私は思い出す。認識枠組み内で変えていくのではなく、認識枠組み自体を変えていく作業である。

とはいえ、20世紀末のリオタールは、「システムから逃れようとする努力や意志自体がすでにシステムによって予測され、システムの維持に組み込まれているのであり、柔軟に対応されてしまうのではないか」と悲観的になっている。

たとえば権力への反抗さえも「アングラカルチャー」として市場で消費され、既存の経済ゲーム、政治ゲームの保持に貢献してしまうというわけである。

・特に参考にしたページ

中岡成文「ハーバーマス」,講談社,130-134p

参考文献リスト

今回の主な文献

J.(ユルゲン) ハーバーマス (著), 河上 倫逸 (翻訳), 平井 俊彦 (翻訳) 「コミュニケイション的行為の理論 上」

J.(ユルゲン) ハーバーマス (著), 河上 倫逸 (翻訳), 平井 俊彦 (翻訳) 「コミュニケイション的行為の理論 上」

中岡成文「ハーバーマス (現代思想の冒険者たちSelect)」

中岡成文「ハーバーマス (現代思想の冒険者たちSelect)」

汎用文献

佐藤俊樹「社会学の方法:その歴史と構造」

佐藤俊樹「社会学の方法:その歴史と構造」

大澤真幸「社会学史」

大澤真幸「社会学史」

新睦人「社会学のあゆみ」

新睦人「社会学のあゆみ」

本当にわかる社会学 フシギなくらい見えてくる

本当にわかる社会学 フシギなくらい見えてくる!

アンソニー・ギデンズ「社会学」

社会学 第五版

社会学

社会学 新版 (New Liberal Arts Selection)

クロニクル社会学

クロニクル社会学―人と理論の魅力を語る (有斐閣アルマ)

社会学用語図鑑 ―人物と用語でたどる社会学の全体像

社会学用語図鑑 ―人物と用語でたどる社会学の全体像

参考論文

永井彰「コミュニケーション行為理論の論理構造 (上)」(1993)[URL]

永井彰「コミュニケーション行為理論の論理構造 (中)」(1993)[URL]

永井彰「コミュニケーション行為理論の論理構造 (下)」(1993)[URL]

嘉目道人「発語媒介効果の不可逆性とフィクションの倫理的責任」(2020)

 

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