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【1ワード社会学第十三回(25)】シュッツの「生活世界」
- 2026/3/31
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動画での説明
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はじめに
社会学とはなにか
社会学とは、「社会を対象とする学問」のことである。そして社会とは基本的に「人々の社会的行為の相互作用の集まり」を意味する。
なぜ社会学が存在するのかについては多種多様な立場があるが、根本的には「社会を分析し、よりよい社会へ導くため」だといえる。社会とはなにか、どう変動していくのかという事実判断やどうあるべきかという価値判断の両方のバランスをとる必要のある学問である。
【基礎社会学第三六回(1)】エミール・デュルケムの社会学とはなにか、学ぶ意味や価値はあるのか
この動画チャンネルシリーズは創造発見学に位置づけられている。要するに、アイデアをひらめくための情報を学ぼうというわけである。ビジネス、友人関係、学業、さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい。
できるだけ1ワードに説明する対象を絞っていく。
記事の分割
(準備中)
(6)[D]生活世界関連
[6-2]シュッツの「生活世界」
シュッツの目的は現象学によって社会学を基礎づけることである。
【基礎社会学第二十九回】アルフレッド・シュッツにおけるフッサールの現象学とはなにか
シュッツは「自分の現象学は自然的態度の構成的現象学であり、超越論的現象学は断念した」と述べている。
フッサールのように他者の存在をも疑い、なぜ私の意識がなくとも私は他者が存在していると意識するのかといったように分析しないというわけである。フッサールは間主観性問題を基礎づけ主義的に掘り下げ続けたが、シュッツはそれを自明なものとして扱いますよというわけである。
「私がいて、私と同じような身体と意識の構造をもった他者達がいる」ということを前提(所与)にして、そのうえで構築されるものについては必要とあれば自然的態度を中止して掘り下げていきますよという態度だということになる。
フッサールが自分の現象学を「自然的態度の構成的現象学」と自称しているのはそういう意味である。「現象学的心理学」とすら名乗っている。
シュッツによれば、社会学の対象は「社会的世界」であるという。社会的世界とは「そこに生活する人びとによって意味的に構成された世界」であるという。
たとえば「空腹だと集中できない」と我々は教えられずともなんとなくわかっているのであり、直接的に経験している。エスノメソドロジーで対象となるような領域である。日常の理論で構成されたものをシュッツは「一次的構成物」と呼ぶ。
社会学は社会的世界を特定の概念や図式、枠組みの中で再構成しようとする科学であるとシュッツはいう。
たとえば自然科学では空腹を「空腹になると血糖値が低下し、脳のエネルギー供給が不安定になるため、前頭前野の機能が低下し集中力が落ちる」といったように説明するわけである。こうして科学理論で構成されたものを「二次的構成物」という。
シュッツは生活世界と日常生活世界を分けて考えている。
そして生活世界には夢の世界、遊びの世界、芸術の世界、仕事の世界、子供の世界、病的な世界など、たくさんの世界(多元的現実)が存在するという。そのなかのひとつが「日常生活世界」であり、他の世界の源泉となっているような領域だという。この日常生活世界から、社会的世界と物理的世界に分かれるのである。そして社会的世界には直接的に経験できるもの、間接的に経験できるもの、過去の世界や未来の世界がある。
図にするとこのようになる。
たとえばウェーバーの「理念型」やパーソンズの「AGIL図式」は特定の概念や図式であり、二次的構成物である。もちろんハーバーマスの「コミュニケーション的行為理論」も二次的構成物である。
シュッツの主な目的はこうした二次的構成物を作ることではなく、二次的構成物の前提である一次的構成物はどのように構成されているのかを解明するというものである。
たとえば行為はどのように構成されているのか、理解はどのように構成されているのかといった基礎づけをシュッツはしていく。フッサールは現象学でほかのあらゆる学問を基礎づけようとしたが、シュッツは現象学的社会学で社会学を基礎づけようとしたのである。
具体的にはウェーバーの行為理論を批判的に修正していくという作業をしている。ハーバーマスもこのような系譜であるともいえる。
実際、ハーバーマスはシュッツに連なる「意味学派」として分類されることもある。
参考文献リスト
今回の主な文献
J.(ユルゲン) ハーバーマス (著), 河上 倫逸 (翻訳), 平井 俊彦 (翻訳) 「コミュニケイション的行為の理論 上」
J.(ユルゲン) ハーバーマス (著), 河上 倫逸 (翻訳), 平井 俊彦 (翻訳) 「コミュニケイション的行為の理論 上」
中岡成文「ハーバーマス (現代思想の冒険者たちSelect)」
中岡成文「ハーバーマス (現代思想の冒険者たちSelect)」
汎用文献
佐藤俊樹「社会学の方法:その歴史と構造」
大澤真幸「社会学史」
新睦人「社会学のあゆみ」
本当にわかる社会学 フシギなくらい見えてくる
アンソニー・ギデンズ「社会学」
社会学
社会学 新版 (New Liberal Arts Selection)
クロニクル社会学
社会学用語図鑑 ―人物と用語でたどる社会学の全体像
参考論文
永井彰「コミュニケーション行為理論の論理構造 (上)」(1993)[URL]
永井彰「コミュニケーション行為理論の論理構造 (中)」(1993)[URL]
永井彰「コミュニケーション行為理論の論理構造 (下)」(1993)[URL]
嘉目道人「発語媒介効果の不可逆性とフィクションの倫理的責任」(2020)
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