【1ワード社会心理学第十四回(8)】社会関係資本の具体例、実証研究の紹介

社会心理学

動画での説明

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はじめに

社会心理学とは、人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である。

この動画シリーズは下の図に示すように、創造発見学に位置づけられている。

この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている。要するに、アイデアをひらめくための情報を学ぼうというわけである。ビジネス、友人関係、学業、さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい。

できるだけ1ワードに説明する対象を絞っていく。※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある。

基本的な説明プロセスは、上の図の通りである。

(5) 社会関係資本の具体例、実証研究

[5-1]日本における統計分析:社会関係資本と不平等が投票率にどう影響するのか

日本における社会関係資本の実証研究として、稲葉陽二さんと戸川和成さんによる統計分析(2019)を紹介したい。

まず大前提として、パットナムの理論において、社会関係資本には民主主義を強める面と逆に歪める面があるという前提が置かれている。たとえば紐帯型社会関係資本は民主主義を歪める可能性がある例である。

日本において、社会関係資本は民主主義を強めているのか、弱めているのかという点が実証分析のポイントとなる。

・今回参考にする論文

稲葉陽二,戸川和成,「社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察」(2019)

仮説

稲葉さんたちは3つの暫定的な仮説を立てている。

  1. 経済的不平等があると、社会全体への信頼は低下し、仲間内の信頼は強化される。
  2. 一般的信頼が高い人ほど、投票率も高い。
  3. インターネット上の交流は人々のつながりを増やす。

統計では内閣府が2015年2月6日から17日に実施した「ソーシャル・キャピタルに関する意識調査(市民)」が用いられている。

社会関係資本があるかどうかの変数は認知的なものと構造的なものにわかれている。たとえば「ほとんどの人は信頼できる」、「注意するに越したことはない」、「中間」といった選択肢においてどれを選ぶかによって信頼の度合い、つまり認知的な社会関係資本の度合いが測られている。人付き合いはどのくらいしているか、市民団体にどれくらい参加しているか、SNSの利用をしているかといったアンケートは構造的な変数とされている。

検証結果

  1. 経済的な格差が大きい地域ほど、投票率は低かった(1%水準で有意)。
  2. 日常的な対面の人間関係が多いほど、投票率は高くなった(10%水準で有意)。
  3. 一般的信頼が高くても投票率の増大につながっていない(有意でない)。
  4. SNSをよく使う人ほど、投票率は低い傾向にある(10%水準で有意)

参考文献

おすすめ文献

ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) 「孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生」

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汎用文献

社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)

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デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) 「思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方」

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亀田 達也(監修)「眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学」

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参考論文

佐藤誠「社会資本とソーシャル・キャピタル」[2003][URL]

高野良一「社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──」(2014)[URL]

稲葉陽二,戸川和成,「社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察」(2019)[URL]

長谷川 眞理子「タテ社会日本と学術」(2022)[URL]

北岡一道「研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ」(2007)[URL]

松村茂樹 「日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み」(2022)[URL]

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