【1ワード社会心理学第十四回(1)】ハニファン、ラウリィにおける社会関係資本とは

社会心理学

動画での説明

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はじめに

社会心理学とは、人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である。

この動画シリーズは下の図に示すように、創造発見学に位置づけられている。

この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている。要するに、アイデアをひらめくための情報を学ぼうというわけである。ビジネス、友人関係、学業、さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい。

できるだけ1ワードに説明する対象を絞っていく。※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある。

基本的な説明プロセスは、上の図の通りである。

社会関係資本に関わる問題発生の例

日常生活での失敗

近所の人々との挨拶や交流が少ないと、誤解や不信が生まれてしまうケースがある。騒音問題やゴミ出し問題など、他者への配慮を欠いたトラブルにつながる可能性がある。

人付き合いは近所だけではなく、仕事場や友人関係など多様な範囲に及んでいる。

たとえば仕事場で人間関係が乏しいと、業務に有利な情報が入ってこなくなり、昇進の可能性が小さくなってしまうかもしれない。

その他

ボランティアや近所付き合いなどの社会参加が乏しくなると、災害時に情報共有や助け合いが困難になる可能性がある。

投票などの政治参加が少なくなると、政府に対する監視が乏しくなり、一部の人びとにのみ利益が生じる偏った政策が打ち出されてしまう可能性がある。偏った思想の人びとの多くが政治参加するようになり、過激な政策が通りやすくなる可能性もある。

人付き合いの負の側面

もちろん、こうした人付き合いには負の側面もある。近所で人付き合いがあることでトラブルが生じる可能性がある。仕事場で飲み会などの勤務外拘束、御歳暮の贈りあいといった特定の人にとっては負担に感じるコミュニケーションがより多くなってしまう可能性がある。

また、政治参加が多いゆえに誤った政策が打ち出されてしまうこともありうる。

「人付き合いをすれば単に個人や社会にメリットがある」といった単純な問題ではない。しかしそのメリット・デメリットを考える際に「社会関係資本」という概念を学んでおく意義があると考える。

今回は社会学と関連が深いために、すこし専門的な内容も扱っていきたいと考えている。とくに社会学者であるコールマンやブルデューの用いる社会関係資本の概念と、政治学者であるパットナムの用いる社会関係資本の概念を理解していく。

社会関係資本とは

社会関係資本とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

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POINT

社会関係資本(英:social capital))人と人との関係から生まれ、個人や社会の成果に影響を与える資源。

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ソーシャル・キャピタルとカタカナで日本では用いられる場合がある。あるいは社会資本、関係資本、人間関係資本などとも表現される。

社会資本(social overhead capital)」という場合、日本ではとくに社会インフラなどの公的投資を意味することが多い。高速道路、空港、図書館や水道などである。

社会資本と社会関係資本の違いとは

ソーシャル・キャピタルとカタカナで日本では用いられる場合がある。あるいは社会資本、関係資本、人間関係資本などとも表現される。

社会資本(social overhead capital)」という場合、日本ではとくに社会インフラなどの公的投資を意味することが多い。高速道路、空港、図書館や水道などである。

ハニファンにおける「社会関係資本」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

社会関係資本のどの具体的な内容を強調するかは論者によって多様に分かれている。

最初期に「社会関係資本」という概念を用いたのは農村学校の指導主事ハニファン(1916)であり、「お金や資産ではなく、人々のあいだの善意や友情などの人間関係を指す比喩」として用いられていた。

具体的には日常に欠かせない社会的な集団の相互の善意、友情、共感、社交などを意味している。

ハニファンはそうした社会関係資本が希薄化してきたこと、とくに農村部にこそ社会関係資本に必要な文化的、経済的条件が欠けていると指摘している。

・特に参考にしたページ

「社会学」、有斐閣、第十一刷,121p

佐藤誠「社会資本とソーシャル・キャピタル」[2003],1-2p

 

グレン・ラウリィにおける「社会関係資本」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説

 

1977年にはアメリカの経済学者であるグレン・ラウリィ(Loury,Glenn)がアメリカ人の人種差別と労働市場を分析する際に「社会関係資本」の概念を使用している。

ラウリィによると、個人の能力は人的資本であり、人的資本だけで社会の不平等は説明できないという。不平等は家庭やコミュニティといった社会的条件、つまり社会関係資本が重要だと主張した。

教育や法律などによって個人主義的に解決するのではなく、社会の条件を改善していこうとする構造的視点が強調されている。

たとえば親が高学歴であり、親と子どもの関係性が充実していれば、子どもはそうした社会的条件の中に生きているということになる。こうした社会的条件は親から子へ、子から新たな子へと再生産されやすくなり、経済的不平等もまた再生産されやすくなっていく。ラウリィの考え方は後で扱うコールマンなどの社会学者などに影響を与えていった。

・特に参考にしたページ

佐藤誠「社会資本とソーシャル・キャピタル」[2003],1-2-3p

参考文献

おすすめ文献

ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) 「孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生」

ロバート・D. パットナム (著), Robert D. Putnam (原名), 柴内 康文 (翻訳) 「孤独なボウリング: 米国コミュニティの崩壊と再生」

汎用文献

社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)

社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)

デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) 「思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方」

デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) 「思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方」

亀田 達也(監修)「眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学」

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参考論文

佐藤誠「社会資本とソーシャル・キャピタル」[2003][URL]

高野良一「社会関係資本のエートス論── 教育理論の 「可能性の中心」──」(2014)[URL]

稲葉陽二,戸川和成,「社会関係資本, 経済格差, 投票率との関係 都道府県データによる考察」(2019)[URL]

長谷川 眞理子「タテ社会日本と学術」(2022)[URL]

北岡一道「研究ノート: ちいさな両手と 2 つのハコ」(2007)[URL]

松村茂樹 「日本における 「サーバントリーダーシップ」 導入:「タテ社会」 を変える試み」(2022)[URL]

 

 

 

 

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