動画での説明
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はじめに
社会心理学とは、人間の社会的な振る舞いの法則や仕組みを解明する学問である。
この動画シリーズは下の図に示すように、創造発見学に位置づけられている。
この記事のシリーズは創造発見学に位置づけられている。要するに、アイデアをひらめくための情報を学ぼうというわけである。ビジネス、友人関係、学業、さまざまなものにそれぞれ活かしてほしい。
できるだけ1ワードに説明する対象を絞っていく。※社会心理学だけではなく他の心理学を扱うこともある。
基本的な説明プロセスは、上の図の通りである。
記事の分割について
記事を分割しています。
「環境配慮行動」
「環境配慮行動」とはなにか、意味、定義、わかりやすく解説
POINT環境配慮行動:地球環境への悪影響を減らし、環境を守るために人が行う行動のこと。
いわゆる持続可能性(sustainability)を実現するための行動であり、生物、資源、気候などの地球環境を将来の世代にも継承可能にしていくことを意味している。
・特に参考にしたページ
「社会心理学」,有斐閣,補訂版第二刷,333p
今井芳昭「環境配慮行動を促すための社会心理学的アプローチ」,2008 ,107-108p
環境配慮行動の6分類
社会心理学者の今井芳昭さんは、環境配慮行動を誰が行うかによって6つのレベルに分けられるという。
【1】国際レベル
各国が協力して環境配慮行動を行うレベル。
例:地球温暖化対策に関する国際会議など。
【2】国レベル
政府が法律や制度を整え、国民全体の環境配慮行動を促すレベルのこと。
例: 再生可能エネルギーの普及、環境関連法の整備、「チーム・
マイナス6%」などの国民運動など。
【3】地方自治・地域レベル
自治体が地域の環境を守る仕組みをつくるレベルのこと。
例:ゴミの分別回収、環境条例、公共事業の環境影響評価など。
【4】企業・事業者レベル
企業が業務の中で環境負荷を減らすレベルのこと。
例:適正な冷暖房、節電、両面コピー、過剰包装の削減、環境教育、カーボン・オフセットなど。
【5】家庭レベル
家庭で日常的に環境に配慮するレベルのこと。
例:リサイクル、ゴミの分別、節電、太陽光発電の利用など。
【6】個人レベル
一人ひとりが生活の中で環境に配慮するレベルのこと。
例:節水、節電、公共交通機関の利用、徒歩で移動する、エコドライブ、不要な包装を断るなど。
・特に参考にしたページ
今井芳昭「環境配慮行動を促すための社会心理学的アプローチ」,2008 ,109-111p
環境配慮行動を阻害する原因
社会的ジレンマとはなにか、意味、定義、わかりやすく解説
社会心理学では環境配慮行動を阻害する原因として「社会的ジレンマ」と「社会的コンフリクト」が挙げられている。
POINT社会的ジレンマ:一人ひとりにとっては利益になる行動が、全員が続けると社会全体には損害を与えてしまう状況のこと。
たとえば冷暖房を強く使う、近距離でも車を使うといった行為は個人単位では便益がある。しかし多くの人や企業が同じ行動を続けると、環境が破壊され、社会全体が大きな被害を受けてしまう場合がある。生態学者のハーディンはこうした状況を「共有地の悲劇」と表現している。
こうしたジレンマは個人と社会の間だけではなく、国同士、そして同じ国でも現在の世代と将来の世代との間でジレンマを生じさせる点が重要である。
・特に参考にしたページ
今井芳昭「環境配慮行動を促すための社会心理学的アプローチ」,2008 ,108p
「社会心理学」,有斐閣,補訂版第二刷,343p
社会的コンフリクトとはなにか、意味、定義、わかりやすく解説
POINT社会的コンフリクト:環境リスクを生み出す主体と、その被害を受ける主体が一致しないことによって、異なる立場や利害をもつ人々の間で生じる対立のこと。
たとえば原発の電力を使用する人間は、必ずしも原発の事故によって被害を直接的に受けない。大きな被害を受けるのは原発の近くの住民である。直接的な被害を受けにくい立場の人間は環境リスクを配慮する動機が弱いのである。危険な廃棄物が出る工場を貧しい地域に作ったり、あるいは別の国に作ったりすることでもコンフリクトは生じうる。
社会心理学者の今井芳昭さんは、環境配慮行動を阻害する5つの要因を以下のように整理している。
・特に参考にしたページ
「社会心理学」,有斐閣,補訂版第二刷,343-344p
【1】実行コスト
社会心理学者の今井芳昭さんは、環境配慮行動を阻害する5つの要因を以下のように整理している。
環境配慮行動には、時間や労力がかかる。
例:スーパーまで車で5分なのに、環境のために徒歩20分かけて行く。
【2】見えにくいメリット
環境配慮行動をしても、自分に利益があることを実感しにくいという問題がある。
例:マイバッグを使い続けても、環境改善の効果を自分では実感できない。車の代わりに徒歩で歩いて健康効果を即座に実感することも難しい。
【3】責任の分散
環境問題には多くの人が関わるため、一人ひとりが「自分の責任は小さい」と考え、行動しなくなりやすくなる。
例:「自分一人が節電しても意味がない」と考えてエアコンをつけっぱなしにする。
【4】他者の影響
周囲の人が環境配慮行動をしていないと、自分もしなくてよいと考えやすくなる。
例:周囲の人がごみの分別をしていないので、自分もしなくなる。
【5】自律性への依存
環境配慮行動は常に監視されているわけではないため、実行するかどうかは本人の自発的な判断に任されることが多くなる。
例:誰も見ていないため、リサイクルできるゴミを一般ゴミに捨ててしまう。
・特に参考にしたページ
今井芳昭「環境配慮行動を促すための社会心理学的アプローチ」,2008 ,108p
環境配慮行動を促進させる方法
たとえば社会的ジレンマの解決には「構造的解決」と「個人的解決」の二種類に分けられる。
POINT構造的解決:社会の制度やルールを変えて、環境に配慮した行動を取りやすくする方法のこと。
例:ペットボトルを返却すると金銭が得られる制度を作る。ごみの分別を条例で義務化する。
POINT個人的解決:制度はそのままでも、人々の考え方や価値観、社会規範を変えて、自発的に協力行動を促す方法のこと。
社会心理学では人が行動するまでの心理的な過程や、行動を左右する要因を説明する理論が数多く提案されている。
こうした理論を学ぶことで、特に「個人的解決」を促しやすくなる。「環境問題を心配していても、実際には行動しないのはなぜか」という問いが重要である。もちろん、こうした理論を前提として、構造的解決を考えていくことも有効である。
・特に参考にしたページ
「社会心理学」,有斐閣,補訂版第二刷,344p
参考文献
おすすめ文献
ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳) 「沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学」
ノエル=ノイマン (著),池田 謙一 (翻訳)「沈黙の螺旋理論[改訂復刻版]: 世論形成過程の社会心理学」
汎用文献
社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)
社会心理学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)
デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) 「思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方」
デイヴィッド・マクレイニー (著), 安原 和見 (翻訳) 「思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方」
亀田 達也(監修)「眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学」
亀田 達也(監修)「眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学」
参考論文
今井芳昭「環境配慮行動を促すための社会心理学的アプローチ」,2008 [URL]
広瀬幸雄「環境配慮的行動の規定因について」,1994[URL]
寺田良一「環境リスク論と環境社会学」,2011[URL]
平湯直子「環境配慮行動の規定因に関する理論と実証研究」,2018[URL]
山田 菜緒子「理論に基づくインタープリテーション」山田 菜緒子,2006[URL]
吉里潤, 相川充「認知的努力の集団拡散が態度変容に及ぼす影響ー精査可能性モデルの観点よりー」,1997[URL]
諏訪博彦, 山本仁志, 岡田勇, 太田敏澄「環境配慮行動を促す環境教育プログラム開発のためのパスモデルの構築」,2006[URL]











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